マウーラ城 参加者 なし ROM 1人
お知らせ > グレイブさんが帰りました。 [Sat 27 Jan 2007 02:47:42]
お知らせ > 危娘@城下町さんが帰りました。 『幸せにしてあげる。 (この子と「同じように」と囁いた。)』 [Sat 27 Jan 2007 02:46:01]
◆危娘@城下町 > (ふらり、ふらり、おぼつかない足取りで先行する夜は、今日も濃密に。 耳慣れた笑い声に、揺れる髪の毛を連れて首を廻すと、悪魔の肩越し、細い首の切断面が覗く。 ぶつぶつと赤黒い血管の切り口。皮膚は浅黒い癖に。こればかりは清潔に白い頚骨が目立った。 くらりと眩暈。 悪魔に、と言うより、その美しい死体に寄り添うようなかたちで、廻された腕の中、己が身をふ、と納めよう。 悪魔の肩口、額を埋めるようにきつく瞳を閉じるふう。) (呟く言葉は、アングリマーラの夜へ、闇色の空へ溶けて行くイメージ。 ――大丈夫。) 離さないよ。―――離さないから、ね。 この子と同じように、いつか、いつか―――、 [Sat 27 Jan 2007 02:45:00]
◆グレイブ > ……俺から離れることは無ェよ(死体を担ぎ上げて。悪魔はカカと嗤った。そのまま、どしゃりと。足元に絡みつく赤い血を蹴って、娘の方へと足を進めて行く。そして可能なら。また拒まれないのなら。娘の方に、残る反対の腕を回そうとするだろう。ぽん、と一度、叩くように)だから。――危娘から離れなきゃ、大丈夫だ(――そして、それ故に、悪魔も。今日初めて『恐怖』というものを味わう。彼女の拒絶に。――怖いのだ。離れていくことが。娘が) [Sat 27 Jan 2007 02:34:05]
お知らせ > グレイブさんが来ました。 『失礼』 [Sat 27 Jan 2007 02:27:29]
◆危娘@城下町 > (ゆらり。 停止する足取り。悪魔の真横で。 すう、と視線が横へ流れるだろう。 愛しい愛しい――( まだ完璧じゃないDeath )――悪魔に向ける視線は、哀しげな胡乱。 こびりついた紅液が、この国特有、温い大気に乾いて蒼白の面差しを彩る。 唯一無二のように抱いた首を大事そうに。首を竦めて。) (陽炎のように笑うだろう。) ―――……、それを決めるのは、あたしじゃ無い、から―――。 (かくり、と首が悪魔の方向へ傾く。血を吸った重たい髪の毛がどさり、地面に垂れ行く。) ………―――不安なん、だ……。 [Sat 27 Jan 2007 02:12:02]
◆グレイブ > ―――待った(躊躇うように。その横を通り過ぎる娘へ。――ただ、声だけをかけよう。 不安なぞ、一度も口にした事のない悪魔だ。 本来、立場は逆だったはずなのに。 だが、今だけはこれを口にしよう。 幽鬼のような、はかなげな娘へ)――俺から離れていかないよな、危娘は?(――それだけを問うて。悪魔はいつものように死体を担ごうとして) [Sat 27 Jan 2007 02:03:54]
◆危娘@城下町 > (だからこの上無く。黄昏色の『恋』をする。悪魔にも、―――誰にも理解されない唯一つの『恋慕』を抱く。) (新しい『恋』を腕に密やかに抱いて、娘はす、とフードを被るだろう。夢から覚めたような、無機質じみた面差し。 ――雲が濃くなって来た。) ―――後を頼むね。 (早口、ぼそりと呟いて。 よろよろと悪魔の傍らを通り過ぎ、大通りへと戻るだろう。抱いた首も、置いてきたからだも、この国の方法にのっとり、何れ焼いてカラ河に流すのが常。) [Sat 27 Jan 2007 01:57:37]
◆グレイブ > (嗚呼、そうか。やはり、己には理解できないことなのかと。それがわかり、だからこそ寂しく思う。それはつまり、この娘を理解できないという事であったから。拒絶しないと言った存在が、己であるというのに。だから一切の躊躇いはなく。娘の言葉に頷こう。決まっている。当たり前だ)――勿論。言っただろう。俺ァ、危娘の傍にいる。――なら、『悦び』って奴も、一緒にできるんなら、そいつは面白いってことじゃねェか(カカ、と嗤った。だから)――ああ。共有しよう。 [Sat 27 Jan 2007 01:51:58]
◆危娘@城下町 > (死出の接吻は、こんなにも狂おしい。 唇を生首から離し、藍色の腕で抱き締めたまま「すう」と立ち上がる。ねっとりとした血液を頭から浴びた姿、燻揺るような佇まい。黄昏色の双対も、似た風情に儚い笑みを。 彼が遂に理解しえない事にはうすうす気付いていた感がある。彼は物事をいつも「面白い」と「面白くない」で区切るから。何度『面白い』訳じゃないと言ったとて、きっと解らないのだろう。 ――先程も言った。『楽しい』『面白い』なんかじゃない。『嬉しい』のだと。) ―――グレイブさんには、―――解らない、よ………。 こんなに嬉しい事だけれど。……こんなに優しいことだけれど。 (きゅう。首を切なく抱き締めると、頭蓋に残る血塊が外套の袖に染みて滴った。 両目を生首に伏せる様にして、くう、と閉じる。) ………『面白い』だけで図れない、……悦びが……、満ちていく気持ちは―――、 きっと解らないよ。 (自由も平等も愉悦も哀しみも寂寥も孤独感も、等しく絶望色に消える世界の等しさ。 ――この世にただ一つ、それだけが与えられた自由なのに。) ―――グレイブさん。 (路地裏。対面の距離、少し逸れて。 首を抱いたまま、ひたり、と悪魔に瞳を据える。あの誘蛾灯の蒼をじつ、と見つめる。 教えを彼が請うというならば。) ―――…あたしと、悦びを共有してくれる? [Sat 27 Jan 2007 01:46:20]
◆グレイブ > ――……そか。(触らないでと言う言葉。あっさりとした拒絶。それに、悪魔は何処か寂しそうに、けれども確かに従おう。ただ跪き、娘が喜びはしゃぐ様を眺めながら――悪魔は思うのだ。何がここまで『面白い』と感じさせるのだろうか。其処に狂気が無いことは知っている。だからこそ、わからない。わからない事を考えるのは面白いが、しかし。――何がそこまで『面白い』のだろうか、と。――それがわからないのは、寂しい。何故って、彼女と、娘と、喜びを共有する事ができないからだ。 悪魔は元より自由な存在で。故に束縛から解放されるという事の喜びを知らない。その一点。その一点故に。――娘の言葉を、否定も、肯定もできないでいる。そして、ただ『拒絶された』と、そう思うのだ。――それが、寂しいといえば寂しかった)……自由とか、平等とかってなァ、俺にゃあわからねェな。綺麗だとは思うが――(ばしゃり。外套を頭からのけると、湿った音。どうやら、血が溜まっていたらしい)――……教えてくれ、つったら。教えてくれるかい、危娘? [Sat 27 Jan 2007 01:32:59]
◆危娘@城下町 > (一連の動きが流れるとしたら。 ひし、と抱き締めん。 土汚れ、捲れた死の匂い漂う奴隷の唇に、己がそれをそっと重ねんと――。) [Sat 27 Jan 2007 01:27:45]
◆危娘@城下町 > (異郷の曇天を透かして。瀟洒な宮殿を抱いた街の、人気の無い一角に立ち込める堪え難い誘惑の香。 朽木のように倒れた身体は褐色の背中を晒し、曲げ千切れた首を空へ向けて。虚ろになって行く飴色の瞳。少年はもう自由なんだ。もう束縛など無いんだ。これで何処へでも行ける。魂だけになって何処まででも。 大丈夫。「あたし」が死で止めたいのは彼じゃない。蒼い瞳の悪魔であり、また大事なひとびとなのだから。 ――束縛しないよ、と声無き約束。天へ向かって薄い笑み、穏やかに。) (笑う悪魔に、ふう、とした仕草、振り向く。 黄昏色の眼差しは狂気なんかじゃない。理性を含んだ純粋な慶びのそれ。) 凄い、でしょ―――…? この子、――この子、ね? あんなに哀しそうだったのに。あんなに泣いていたのに。あんなに世界と自分との差に嘆いていたの、に―――。 ……こんな、ほら――、 (血を指で掬い、近付く悪魔に見せ付けよう。) こんなに綺麗な色をして、こんなに平等に死んだんだ――……。 今はきっと、殿よりも。この国の王様よりも綺麗だよ……!! (ころり、ころり。くすくすと笑う無邪気な愉悦。腕を伸ばす悪魔から、くるり、くるり。踊るように身を反転させて逃れんと。 不意にぴたり、と瞳が据えられるか。) ―――触らないで。 (真摯な眼差し。悪魔を留めんとして。 もつれるような足取り、酔ったような。 くず折れた少年の傍らにしゃがみ込もうと。その哀しげに垂れた頭部を持ち上げん。) [Sat 27 Jan 2007 01:25:41]
◆グレイブ > ――こいつは、つまらねェな。だって危娘。『死』は、お前だけを見ちゃあ、くれんぞ? 『面白い』ことは、特別な代物だ。――こいつは『特別』じゃねぇよ [Sat 27 Jan 2007 01:08:19]
◆グレイブ > (――ザッ。まるでそれは雨のよう。血の雨。血の噴水。まったく、まさにその通り。緑色の外套に降り注ぐ鉄錆色の雨滴。それを拒むでもなく受け止めて、悪魔は娘へと歩み寄ろう。なるほど、確かに――確かに、悪魔とて、この光景を美しいとも思う。死と破壊を撒き散らす存在である以上。そして、こうして娘が喜びはしゃぐ姿を見ていることも。アクマにとっては実に好ましいことで。カカ、と自然に嗤い声が漏れた。ばしゃり。赤い水溜りへ膝をつく。水遊びに興ずる童女のような姿の娘へ、笑いかけようか。ゆらり。蒼い鬼火が揺れる)ああ。――綺麗だな。平等だ。優しいぜ、『死』は。確かにな(腕が伸びる。――娘の体を抱き寄せようと。此方へ、悪魔の元へ。決して、彼女の感情を否定するわけではなく。そして肯定するわけでもない。だってこれは――。少なくともだ。)――だってな、危娘。 [Sat 27 Jan 2007 01:07:30]
◆危娘@城下町 > 優しいでしょ? 綺麗でしょ? ふふ、あたしもきっとこんな風に死ねたら――、あぁ、こんな風に誰か、終わらせてくれたらッ―――!! あたしに絶対的な『死』をくれたらッ――― !! (切実な響きは、恋慕。 指にこびりついた血を抱き締めるように胸の前で、交差。) [Sat 27 Jan 2007 01:03:43]
◆危娘@城下町 > ( ぽん ) (柔らかい鉄錆の匂いがむっと周囲に立ち込めるか。甘臭の出所は、うなじを断ち千切られて頭部をだらりと前方へ押し下げた少年の頚椎に違い無いだろう。 しゃあ、と紅い噴水が祝福のように降り注ぐ。藍色外套に。そして悪魔にも?) ―――――――ぁ―、あッ―ッ―――…ッ、 (生暖かい闇の中に佇んで。まるで異国の珍しい香でも嗅ぐかのよう、降り注ぐ血液をいっぱいに浴びて。かなぐるようにフードを取らん。 死人に似た色彩の頬にびたびたと落ち来る赤。忌まわしくも切ない生々しい匂い。うっとりと瞬きして。) ―――どうして? (あどけないほどの喜悦を血みどろの面差しに塗して振り向く、娘。 にっこりと微笑むのは悪魔の疑問へ。何故?何故だと?言うまでも無い。) 死は誰の上にも平等じゃない。――ほら、こんなに綺麗だよ! 見て! (はしゃぐようにころころと笑う、笑う。蒼い瞳の悪魔がそうするように。地面にしゃがみ込み、血だまりを掬って。 ぱあ、と頭上へ打ち上げる。) [Sat 27 Jan 2007 01:01:13]
◆グレイブ > ……ふぅ。これで仕舞い、か(唸る鞭。その少年の末路を見ることすらしない。――悪魔は彼女の腕を信頼している。だから、そうして放たれた鞭が、少年の命を奪うことを疑いもしない。そしてそれを咎めもしない。カカと。僅かに唇の端が持ち上がる)――それで、教えてはくれるのかね、危娘? [Sat 27 Jan 2007 00:57:05]
◆危娘@城下町 > (悪魔に約束された『恋』を腕に抱く瞬間だ。己の生命を見限る時、どうして人間は――こればかりはどの国の、どんな身分の命でさえ――こんなにも美しいのだろう。麗しいのだろう。 かつ、こつ。裏路地を死出の道と変えて歩み来る藍色の娘は、力緩む悪魔の腕から擦り抜けかけた少年にどう映るのか。 近付く事、隧道の闇色を散りばめた光彩は薄い喜悦に瞬いて。ヒビ割れの多い唇を無意識に舌で湿らせて。今この時、きっと世界中の誰より尊いすがたの奴隷へヒトガタの死が迫る。) (『助ケテ――、』) (逃げ行く少年の痩せた背中目掛けて。蛇のように伸びる皮鞭。) [Sat 27 Jan 2007 00:52:05]
◆グレイブ > 俺『まで』ね。――ま、俺はァあんまし他の奴の考え方は知らんからな。勝手に思ってるだけだ。――危娘の考え方は、聞いてみたいと思ってるぜ?(取り上げるわけがあるまい。カカ、と軋む笑い声はどこか優しく。娘が近付いてくるならば悪魔は掌に加えていた力を緩めていく。そう大丈夫、大丈夫だと。――この命は、娘のものであると。少女にだけ優しく、少年には恐ろしいだろう、嗤い声を響かせるだろう)危娘は、どうしてェ――『死』は優しいと思ってる? それを聞かせてくれなけりゃあ、俺はウンともスンとも言えやしねェ(そして、娘が少年に死を――終りを与えんとするだろう。悪魔に向けられた黒。受け止めるのは蒼い鬼火だ。無論、いつかの夜に宣言したとおり。悪魔は娘から離れない。彼女が離れてくれと望むまでは。そして望んだとしても――やはり悪魔にとって彼女が好ましい存在であることには変わりない。だから、何をするのも受け止める。たとえその革鞭が己の首に振るわれたとしても、だ。彼女は気付くだろう。相対した悪魔が、その体から力を抜く様を。『死』を受け入れるかのように。――この夜は、奴隷の少年に放たれる鞭を、いつか受け止めても構わないと) [Sat 27 Jan 2007 00:41:57]
◆危娘@城下町 > (慕わしさと同居する不安は、濃厚な異国の天空に溶けて。この夜もまた忠実に濃い。 温い闇に浮かぶ藍色と濃緑の異人に挟まれて、褐色の幼さが色を失う。瑞々しい生命力が瞳から排出されていく絶望色。 取り上げないで、奪わないで。 声無き声でせがむような一縷の眼差し、昏く黒く。 ゆらり、幽鬼の佇まいで、危うい足取り、悪魔の元へ。 だって彼は此処に居てまだ――落ち着かない。落ち着くわけが何処にあるのか。絶対的に傍に居る現実感が無いと言うのに。――彼もまた、「生きている」んだ。) ―――……グレイブさん、まで―――、 そんなことを言うんだね―――。 (ゆら、と虚ろ振り返るのは、青白の面差し。哀しげな笑みを湛えて。 違う、自分とは。死への否定は己の『恋慕』への否定。彼まで、彼まで――。) (すう、と両手を水平に持ち上げるのは、ゆっくりと。 即頭部に食い込む圧力に悲鳴を上げてもがく少年に向かって、抱きとめでもするかのよう。ゆらり陽炎の動きで近付いて。) ……―――さぁ、おいで。――……大丈夫。…もう何処も苦しくない。 もう何も哀しくない。 ……もう―――、 (黒い視線が、そ、と悪魔に向いた。まるで何かを見切ったように微笑んで。) ……独りじゃ、無い……。 (幽玄の動きで鞭に指を掛ける。悲壮に見開かれる少年の瞳に、その頚椎に目掛けて、死の皮鞭を繰り出さんと――、) [Sat 27 Jan 2007 00:32:26]
◆グレイブ > (娘は。――そうアクマにとっては哀しいことに。一つ勘違いをしているようだ。今まで。そう今までに。この悪魔が娘から、何か一つでも奪ったことがあっただろうか。円匙に手を添えたまま、ゆらりと長身痩躯は立っている。――まるで死人のようだ、なんて。娘の姿を見て、似合わぬ思考が掠めて、軋んだ嗤い声をあげた)『死』か。さあ、なあ――ま、誰だって『死』ぬがね。俺も、アンタも、そこの坊主も、『殿』とやらも。十字架の野郎だって死んじまった。ま、誰にだって来てくれるって意味じゃ優しいのかもしれんが。――面白くは無ェよなあ(カカ、と嗤いながら――悪魔は腕を突き出した。助けて。助けてか。まったく。――――くそ下らん)つまらんなァ、坊主。実につまらねェ。俺がだ。この俺が、だ。――危娘が殺したがってる奴を逃がすわけが無ェじゃねぇか(がしりと。およそ常人離れした握力が、駆け寄ってきた少年の頭部を襲う。ぎしぎしと頭骨が軋む音に彼は恐怖の絶叫を上げるだろうか。わからない。ただ。悪魔が力をこめれば、この華奢な少年の頭蓋は砕けるだろう。だろう。だけれど――)ほれ、危娘――しっかり掴んでなきゃ駄目だろうが(カカ、と嗤って。悪魔は娘を手招きする。殺すわけがないだろう。――少年を殺したがっているのは、目のまえの彼女であって。悪魔ではない) [Sat 27 Jan 2007 00:19:29]
◆危娘@城下町 > (独りよがりの『恋』への肯定にも警戒なのか。まるで彼に腕の中の『恋』を取り上げられでもするかのよう、殆ど体形の良く似た少年を抱えたごと「つい」と立ち上がり、靴音少なく、悪魔から一歩距離を取るか。 少年の汚れた頬は、裏路地の暗がりにも虚ろ死人色の白に染まる。) (陰影深いフードの下、血の気の薄い唇が結ぶ笑みは、残忍なほど儚く悪魔へ向く。) ………――さぁ。 『楽しい』のは殺す事?死ぬ事? ―――いいや、違うよグレイブさん。違う。――死は優しいよ。 (つう、と視線が腕の中の『恋』へ向いた。怯えをたっぷり塗した飴色の瞳と交錯する。) ……―――現世と常世の何よりも。 (昏く、昏く。暗黒色の紡ぎ言葉。悪魔の笑い声を背景に、哀しくなるほど細い浅黒の首に、すう、と巡る冷たい指。抱き締めるような絞殺を、戦慄かんばかりの愉悦を込めて行いかけた時、) ぁ―――、 (少年が暴れて。力の薄い娘の腕の中から飛び出すだろう。 助けでも求めようとしたものか。我武者羅に悪魔のほうへ駆けて行くだろう。異国語が『助ケテ』と――。) [Sat 27 Jan 2007 00:05:12]
◆グレイブ > 邪魔はしねぇよ。俺は墓守。墓穴掘り。この坊主を埋めるだけだ。知ってるだろう?(――やれやれと、悪魔は久方ぶりに嗤いではなく、溜息を吐いた。この娘、こう行った方面に『スイッチ』が入るとどうなるかは、以前に一度見た記憶がある。避けられた掌。手持ち無沙汰にひらひらとふるって、結局悪魔は己の得物である円匙へと手を添えた。『嬉しい』『嬉しい』か。終わってしまうことが。ふん、と鼻を鳴らす。どうにも世の中は、自分の知らない価値観で満たされている。カカ、とそこでようやく悪魔は軋むような嗤い声を上げた)まあ、俺は『殺された』経験は無ェしな。『殺す』んなら、まあ、楽しいが。――とまれ、ヤルならヤッちまえよ。――ちと妬けるぜ、俺も(冗句だ。――恋、ね。独占欲なぞ、あまり感じたこともなかったのだが) [Fri 26 Jan 2007 23:52:16]
◆危娘@城下町 > (聞き成れぬ異国語で交わされる会話に、少年の瞳の光彩が針のように細くなった。自分の処分の話だと気付いている者の仕草。体感。最期を知ったいのちの感情と痙攣に、我知らず指へ篭もる情熱は、闇色の愉悦。 「ぼう」と夢でも見るように悪魔を一瞥した双対の黄昏色は、そのままかくり。横へ顎が項垂れて。首を折って腕内の少年の頬に己のそれを重ねる動作。) …………――「オモシロい」……? (がちがちと震える冷たい頬。饐えた垢の匂いと死人のような体温に、うっとりと閉じる双眸。恋でもしているかのような、それ。同じく体温の薄い皮膚を頬ずりして、恍惚のような溜息。) ………あ、ぁあ………、 ……『面白い』? 『楽しい』? ………いいや? …そうじゃない。そうじゃないけれど―――。 『嬉しい』。 (呟く言葉が、最後、はっきりと。「つう」と持ち上げる顎。悪魔に向く視線。 瞬きひとつを得て、ゆっくりとそれが剣呑になるか。 一度目は大人しく叩かれて。二度目、振る掌には、つい、と避けるような仕様。 ――幾ら彼でも。この『恋』に邪魔など。) ―――邪魔をしないで。グレイブさん。 [Fri 26 Jan 2007 23:47:42]
◆グレイブ > まあ誰だって「終り」は嫌だろうな(カカ、と喉の奥からの軋み声。商品の始末をすれば墓穴が必要になる。――ついでにこの墓守は藍色外套の連れならば。いっそまとめて行動しろと、そういう事らしい。まあ、構いはすまい。上の意向がどうであれ、こっちはこっちで好きにやるだけだ)しかし、危娘。――アンタは殺すのも殺されるのも気にしねェよな。俺も気にしねェが。――やっぱ『面白い』のか?(哀れみ。その虚ろな声が、悪魔にはどうにもつまらない。ぽん、ぽん、と撫でる掌。娘を落ち着かせる為でもあったし、素直な言葉を聞きたいからでもあった) [Fri 26 Jan 2007 23:36:30]
◆危娘@城下町 > (考えてみれば彼が此処へ居て可笑しい事は無いだろう。同じ主人に使役される同士と言う身分。商品――逃亡奴隷の始末に一人で充分とは言え、この辺りの商家は彼の傘下だ。各自に別件で散っていて違和感はあるまい。) (死人じみた薄白の指は、滑るように近付く悪魔の影に、がくがくと慄く浅黒の背中を抑えるかたち。視線が再び移動して背に触れる悪魔を見上げたか。) ―――……、 可哀想、に。 「そんなこと」の為に―――。 死にたくない、と願うなんて―――。 (声に満ちる虚ろな哀れみ。視線は三度少年の背に落ちる。) [Fri 26 Jan 2007 23:31:03]
◆グレイブ > まあ、本当かどうかは知らねェ。俺の勝手な想像って奴だ(カカと嗤いながら、悪魔は二人の元へと歩み寄る。す、と動くその姿は、影のような動作。少女の視線が一度だけ此方を向き、そして去るのを見れば、外套の肩が小さくすくめられたのがわかるだろうか。そのまま近付けば、悪魔の手が藍色外套の背へと伸びる。ぽん、と軽く一たたき。撫でるような、親しみのあらわれ。それが娘にとって如何なる感情を生み出すかはわからないのだが)……ただまあ。逃げたのは確実、だろうなあ(ぽん、ともう一度。彼女の背を、撫でようか) [Fri 26 Jan 2007 23:21:59]
◆危娘@城下町 > (二つの目線が同じ一方へ流れるか。亡者の坂に似た風景画。薄い身体を重ね合ったかたち。背後へ向かう、黄昏色と飴色の双眸。 ――ひぃ、と逃亡奴隷の少年が身を硬くする手ごたえが伝わる感覚。 ――藍色娘は膝を付き、半身を捻った姿勢のまま、フードの中で双対の黒を瞬かせた。 視線は一度悪魔を捕らえ、すぐに少年に落ちるだろう。) ………―――ほんとう? ほんとうかい? (ぺた、ぺたり。半死人のような顔色の少年の冷たい頬に両手を宛がい、黒空へと上向ける。覗き込むように囁いて。) あんた、は――、本当に、そんなことで、逃げ出したの、かい―――……? (…「幸せ」の死から?) [Fri 26 Jan 2007 23:14:29]
◆グレイブ > (カカ、と悪魔は嗤う。答えは単純。実にシンプル。娘の背後、影のように佇む長身痩躯の緑色。円匙を背負った姿は、這い蹲る奴隷からすれば、まさしく悪魔か。意に介さず、狭い路地裏に軋むような嗤い声が響く)もっと飯が食いたい、もっと息が吸いたい、もっと歩きたい、もっと女を抱きたい、もっと遊びたい、もっと仕事をしたい、もっとくだらねェ上司に愚痴を吐きたい、もっと寝たい、もっとダラダラしてぇ。結局、そんなもんだ、だろ?(もう一度、悪魔はカカ、と嗤った。そして紡ぐのだ)そしてその『殿』の元じゃあ、それができなかった。その状況を、その坊主は面白いと思わなかったんだろ。だから逃げた。でもって呆気なく捕まった。つまんねぇな、全く(軋む声。裏路地に、反響する) [Fri 26 Jan 2007 23:08:10]
◆危娘@城下町 > ―――ならば、何故『殿』の元を…、逃げ、出した、だ。 (被ったフードが剥がれかけ、左半面のみを薄い月光に晒して、藍色外套の娘の方が虚ろな口ぶりで囁いた。 どさり。重たい髪が一房フードから零れ、少年の肩甲骨に降り掛かる。原色の腰布だけを巻いたその姿は、いっそ自分より光の世界に嫌われている気がふとした。支えるともなく支える両腕の中で、幼い異国語が泣き咽ぶ。 『帰リタイ。――へ、帰リタイ――、』 聞き取れたのは端的な単語。訳に疎い耳には切実さしか伝わらない。 ――主人は逃げ出した奴隷など要らない、と。 首元で指を振っていたのを思い出した。 ――幸せになれると、思ったのに。) ―――……何処へ連れ―――…、 あんたの運命は「幸福」にしかならないの、に―――、(繰りかけた「説得」を中断する。痩せた背に指を添えたまま、ふう、と視線を彷徨わせた。光源の乏しい裏路に、反響する声音は探し辛い。声の主は果たしていずこに。) [Fri 26 Jan 2007 23:06:04]
お知らせ > グレイブさんが入室されました。 『――そりゃ、やりたい事があったからだろさ』 [Fri 26 Jan 2007 22:57:47]
◆危娘@城下町 > (黄昏色の遣い。ぎこちない問い掛けに痩せた肩を戦慄かせて、少年は藍色の腕の中で啜り泣く。 痩せぎすの身体が圧し掛かられる体重に僅か仰向けに傾いて、姿勢は自然と天空を仰ぐかたちになる。――月は今日も出て居ない。浅黒い裸の背中に手を添えて、無機質の感情を込めた瞳が一つ瞬き。 奴隷に降りた。 商家の狭い裏路地に人口の光は、無い。垢だらけの肌の上、魚の腹皮のような色の指が辿る。 ――少年がびくりと慄いた。) [Fri 26 Jan 2007 22:53:21]
◆危娘@城下町 > ―――――どうして。 (対する娘の片頬は。濃厚な雲に遮られた月光を溜めて、青白い。) (返答もまた、幽鬼の如き生命力に似たおぼろげさで紡がれた。 たどたどしい異国語が。 「なぜ」、と。抑揚の無く。まるで絶望のように。) [Fri 26 Jan 2007 22:41:56]
お知らせ > 危娘@城下町さんが来ました。 『(死にたくない、と。 彼は泣いた。)』 [Fri 26 Jan 2007 22:38:20]
お知らせ > ステアさんが帰りました。 『城の鍛錬場を見せて欲しい。と言ってきた、と。』 [Wed 24 Jan 2007 02:26:43]
◆ステア > (その内容を聞いた付き人は自分には判断しかねるといった顔をした。) ・・・何なら、私を連れて来た男・・・マドゥーが同行する場合のみでも構いません・・・。 (続いた言葉に、付き人は「聞いて参ります。」と言い残し廊下を歩いていき別の文官に伝言を伝えてた。 それはマドゥーの耳にも届くだろう・・・連れて来た吸血鬼が―― [Wed 24 Jan 2007 02:25:04]
◆ステア > (ぼんやり、何の目的もなく散歩をしてみたりもしたのだが・・・部屋を移されてから特異な視線を向けられる事は減ったのだが・・・それでも擦れ違う半数位はあまり良い目で私を見ない。やっぱり歓迎されてない、か?) ―――このまま、この状況でここにい続けるのも・・・。 (このまま謁見もなく、ただ無為に時が過ぎるだけなら城を後にすることも考えてしまう。その際はマドゥーに話をつけてからになるだろうけれども。 とりあえずはまだそんな事は考えてはない。なら、この状況をどうするか・・・。 あ。) ――・・・・・・そうだ。 (何か思いついたらしく、部屋の外にいるであろう付き人を呼んで新たに案内をして貰えるか聞いてみる・・・。 その内容は――。 [Wed 24 Jan 2007 02:17:40]
◆ステア > ――・・・・・・。 (再び、部屋に一人になる。 用など、殆どないのだ・・・というか、あっても頼めない現状。城の中は案内して見て回った。公開出来る所限定だが。城の外にはでれないので行動範囲は自動的に城の中・・・なので魔杖の亡骸の弔いもできず仕舞い。) ――王と謁見があると・・・言ってましたけど。 (王と謁見があるといわれた以上、勝手にこの城を後にするのはマドゥーにも迷惑がかかるだろうから勝手なことは出来ず・・・ぶっちゃけ、軟禁状態。 さて、どうしたものか。) [Wed 24 Jan 2007 02:04:37]
◆ステア > (実は、三日に一回というペースも実は少なかったりするのだけれど・・・あの男、マドゥーの事を考えて口に出さないでおいた。 あまり周りから私はよく思われてはいないよう・・・その私が何か起こすとマドゥーに、如いては私にとっても面倒な事になれかねないから。) ――ん、はっ・・・ふぅ・・・・・・。 (ゴトン――。 血を座れて絶命した。 その音を聞いてか、部屋の外に待機していた付き人が「もう結構で?」と片言の共通語をいいながら入ってくる。 最初はこの付き人も部屋の中で私が食事し終わるのを待っていたのだが・・・食事姿を見られるというのもいい気がしないし、人間から見ればあまりいい気分でもないだろうから外で待ってもらう事にしていた。 入ってきた付き人に短く返事をして地に伏せた奴隷を引き渡す。 「それではまた何か御用があればお呼びください。」と一礼して出て行く付き人。) [Wed 24 Jan 2007 01:51:58]
◆ステア > (何がどう働いたのかはよく知らないが、城に招かれ最初に入った部屋から移され別の部屋へと招かれて数日。 一応客人として扱われているらしく、此処に移されてから三日に一回のペースで「吸血用」の奴隷が連れられて来る。 丁度、今日がその奴隷が運ばれて来た日・・・。) ――ン・・・じゅずるっ・・・ン、ふっ・・・・・・・ズルルッ・・・―――。 (部屋に響く水を啜るような音。実際には血を啜る音だが。 [Wed 24 Jan 2007 01:38:52]
お知らせ > ステアさんが入室されました。 『マウーラ城妖魔居住寮―――。』 [Wed 24 Jan 2007 01:30:14]
お知らせ > マドゥーさんが退室されました。 『今一度、不惑と。』 [Tue 23 Jan 2007 23:54:56]
◆マドゥー > ふふ…己の感情の出所さえ忘れるとは・・・。いささか、腑抜けが長すぎたようだな・・・。(立ち上がると、くくっと肩を揺らしながら、口端を吊り上げ歩いていった。) [Tue 23 Jan 2007 23:54:16]
◆マドゥー > (反映→繁栄)(いつに聞いたものだったか、王の言葉が脳裏に反響した。一聞、邪悪な思想とも取れる発言だったが、少年だった自分はその言葉に全身が痺れたのを覚えている。以来、国へ、王へ忠誠を誓おうと心に決め、その思想を身にしみつけていったはずだった。) [Tue 23 Jan 2007 23:50:43]
◆マドゥー > (ヴェイトスの闇は全て受け入れてこそ千年の反映が得られる・・・) [Tue 23 Jan 2007 23:48:22]
◆マドゥー > (こう考えてみてはどうか?あの時の自分の行動が、感情ではなく、実のところ無意識の忠義にて動いていたのだとしたら?王が望むままに行動していたのだとしたら??)(世を白と黒、善と悪、ハプテスとその他、の二面にしか考えない者達・・・、妖魔、人間を区別無く扱い混沌渦巻くアングリマーラ・・・) [Tue 23 Jan 2007 23:47:43]
◆マドゥー > (自分は今まで何に従い行動してきた?感情?・・・いや違う。自分は武人・・・従うものは国への忠義。ならば何故?今回はあのような事を??)(あの少女と自分で決定的に違うものは何だったのだろうか?吸血鬼を全く異物とみなし、徹底排除にかかる少女・・・、吸血鬼をも助け、それを追う少女も討てなかった自分・・・) [Tue 23 Jan 2007 23:42:38]
◆マドゥー > (ステア亡命させたこと、ハプテスの戦士を見逃したこと・・・・・・それらはいずれも自分自身の甘すぎる感情に従い行動したのだと思っていた。自分は言った…“ステアを討つことが、裁くこととは思えなかった。”・・・と。・・・ハプテスの少女は言った“…何言ってるの、あんた…。 バカでしょ? 憎しみとか罪とか――― 難しい話は要らないわ。 生存競争。 …吸血鬼は水に浮けないそうよ。”・・・と。) [Tue 23 Jan 2007 23:39:25]
◆マドゥー > (ステアをアングリマーラへ亡命させ、王への謁見を済ませ…ヴェイトス市の罪人となりつつも、何の懲罰も無く平穏に過ごす今日この頃。兵士達に武術指南など行いつつも、常に自分自身に問うていた。何故、自分はハプテスの女戦士を討たなかったのか…、何故、王は自分を罰しないのか。) [Tue 23 Jan 2007 23:31:47]
◆マドゥー > そうかっ!そういうことかっ!!(マウーラ城の一区画、兵士達が日々の鍛錬を行う場。その中心で一人座禅を組み、数刻ほど瞑想すれば、突如として目を開き、そう叫んだ。) [Tue 23 Jan 2007 23:26:16]
お知らせ > マドゥーさんが来ました。 『鍛錬場に佇んで…』 [Tue 23 Jan 2007 23:24:15]
お知らせ > グレイブさんが退室されました。 [Tue 23 Jan 2007 01:28:20]
◆グレイブ > (――悪魔の名誉の為に語るなら。悪魔は最初から転寝をしていたわけではない。 今日も色々考えながら円匙を振るっていた……のだが。 いかんせん、悪魔は小難しいことを長く考えていられるほどには、頭が良くなかった。 やがて素振りを終えていすに座り、茶を啜りながらまた考えて。考え込んで。考え抜いて。――こっくりこっくり、頭が揺れる) [Tue 23 Jan 2007 01:01:56]
◆グレイブ > (円匙を立てかけて、宿の入り口その傍に。椅子を置いて、座り込んでいる外套姿。――まるでこの宿屋の用心棒のようであり、客が寄り付かないと主はしかめっ面。だが――こっくりこっくりと船を漕ぐ様が、心地良さそうで。起こすには忍びないと放置されてもいるようであった。どうせこうも深夜になってしまえば、お客なんて来ないのであるし) [Tue 23 Jan 2007 00:36:36]
お知らせ > グレイブさんが入室されました。 『――ぼんやりと、宿の傍』 [Tue 23 Jan 2007 00:32:56]
お知らせ > グレイブさんが帰りました。 『――そんな事を考えながら。悪魔は娘が戻るまで、円匙を振るい続けた。』 [Mon 22 Jan 2007 03:29:43]
◆グレイブ > (――まあ。 ぶおん、と唸る風。 どうでも――。 ぶおん。 ――良くは無いが。 ぶおん。 しかし――。 ぶおん。)……死ぬってのは、キッチリ終りだよなあ、多分。 いや、死んだことないから知らんけど(まあ、その点は間違いないはずだ。 ぶおん。 ぶおん。 ならばその前に楽しんでおくことに損は無い――というか)只管に楽しんでからなら、死んでも惜しくないと思うんだが――(その前に死ぬのは詰まらないんじゃないだろうか。悪魔の人生観は実にシンプル。 面白いかどうか、なのだ) [Mon 22 Jan 2007 03:22:37]
◆グレイブ > (死。死か。――ぶおん。夜闇を切り裂く円匙の軌跡。 剣にしては重く、斧にしては軽く、槌にしては小さい。 そんな中途半端な得物を素振りしながら、思考をめぐらせる。 ――与える側にはなったが、ついぞ与えられたことはない。 誰かの死を悲しんだこともない。否、そんな殺すほど憎み、或いは悲しむほど親しんだ人物は、悪魔にはいなかったから)……わかんねぇなあ、しかし(だから、それを求める娘の心算も、わからない。――わからないことは面白いのだと、悪魔は嗤う。カカ、と。) [Mon 22 Jan 2007 03:08:24]
◆グレイブ > (――そして、今宵は宿屋の外で鍛錬を。娘は仕事に行き――未だお呼びのかからない自分は宿で待機、だ。 彼女がいつ帰ってきても良いように。もし帰ってきて己がいなければ、少女は慌てるだろうから)――しっかし、ちィと体が鈍っちまったよなあ(そう言いつつ、円匙片手に佇むのは宿屋の入り口、その傍。宿へ来る者、或いは帰ってきた者から、一番に目がつく場所に) [Mon 22 Jan 2007 02:55:11]
お知らせ > グレイブさんが来ました。 [Mon 22 Jan 2007 02:52:41]
お知らせ > グレイブさんが帰りました。 [Sun 21 Jan 2007 01:24:57]
◆グレイブ > ありゃ、錆が浮いてやがる……血糊放ったらかしにしちまったからかねぇ(カカ、と嗤いながら思い巡らすのは、随分昔のこと。殺人ゲームと呼ばれる遊戯。ヴェイトスでは未だに行われているのだろうか。この近辺では? わからないが、どちらにせよ、死体が多いのは事実。 いつかの被害者の血を、ぬらした布切れで拭う。――こうして静かな時間も良いかもしれぬ。それに自分の居場所がわかっていれば、独りの娘が安心できる。となれば、穏やかに、こうして武具の手入れをするのも悪くは無いかもしれない) [Sun 21 Jan 2007 01:02:58]
◆グレイブ > (――円匙の先端を、研ぐ。 商売道具、二つの意味で。 戦場で活躍する武具であり、そして墓穴を掘るための道具。それ故に手入れは欠かせない。 下手な剣よりも頑丈なため、多少刃毀れしたり、曲がっていても気にはならないが、それでも放ったらかしというわけにも行くまい。ごしごしと、ぼろ布で刃を拭っていく) [Sun 21 Jan 2007 00:48:43]
お知らせ > グレイブさんが入室されました。 『――そして、宿屋の部屋で』 [Sun 21 Jan 2007 00:46:54]
お知らせ > グレイブさんが退室されました。 『(くあ、ともう一度欠伸をし。悪魔は眠りへ)』 [Fri 19 Jan 2007 01:53:11]
◆グレイブ > ……………やぁれ、やれ。どーにも駄目だな、俺ァ(蘇るのは昨夜の会話。思い起こしてカカ、と嗤うのは、どうやら自分が相当彼女に惚れこんでいるらしい、という事だった。無論、その言葉で正しいのかどうかはわからないが。しかし、そういった類の言葉であるようには思う。間違いではないだろう。――■されそうになっても。こうして共に眠って、それを心地良いと感じているのだから) [Fri 19 Jan 2007 01:31:30]
◆グレイブ > (ベッドの上。娘の傍らで眠っていたはずの悪魔は、やはり娘の傍らで目を覚ます。……くあ、と欠伸を一つ。実によく眠った。そんな風に思って、悪魔は、カカ、と小さく嗤うのだった) [Fri 19 Jan 2007 01:13:15]
お知らせ > グレイブさんが入室されました。 『――そして、目覚める。』 [Fri 19 Jan 2007 01:09:41]
お知らせ > グレイブさんが退室されました。 『(悪魔も、それに追従しよう。娘を抱いて、離さずに)』 [Thu 18 Jan 2007 04:18:56]
お知らせ > 危娘@城下町さんが帰りました。 『 好きだよ。 (呟いて。恍惚のようにして、眠るように目を閉じよう。)』 [Thu 18 Jan 2007 04:18:20]
◆危娘@城下町 > (どさり。悪魔の腕に支えられて上体から真後ろへ反れるかたちは、稚い身体のフォルム。晒した喉の皮膚に、窓を透かして届く月光が蟠る。 応答は、無いだろう。少なくとも肉体的な行動が反映する表面上は。 背筋に巻かれた腕に圧迫される感覚を、おぼろげ味わいながら。瞬き少なくぼうと見開いた瞳は、月光も映さない闇の色。現世とは別世界、常世でも覗いているかのよう。髪がどさり、垂れ下がり、腕も足も力無く。) (ゆらり、瞬き。) グレイブさん。 [Thu 18 Jan 2007 04:16:53]
◆グレイブ > ……だから、まあ、もちっと待て。少しは面白いこと知ってからの方が、最期だって楽しい筈だ(カカ、と響く軋む声。それは娘に届くだろうか。彼女の思考に届くだろうか。その魂魄に。この悪魔が全てを受け止めると。その思いも、気持ちも。だから――もう少し、楽しもうと。幾度か重ねた唇。その三度目。くたりと脱力した身体を、しっかりと受け止め、抱きしめよう。大丈夫だ。何度目かの囁き。届くだろうか。届いて欲しい。悪魔はそう思う。祈りはしない。悪魔が祈ったところで、聞き届けるやからは碌な存在ではないだろう。まったく、嗤ってしまう。本当に)……危娘、大丈夫か?(静かに、問おう) [Thu 18 Jan 2007 04:05:46]
◆危娘@城下町 > (三度目に重なる感触が触れるなら、それが掠めるか掠めないかの間際、) ――――――ぁ―――、 (喘ぐような生気薄い呼吸、唇から一つ洩らして。悪魔の腕の中、ぐたりと脱力するだろう。) [Thu 18 Jan 2007 04:02:59]
◆危娘@城下町 > (蒼い光。太陽とは違う闇に近い色彩が。脳裏に燻揺る。鮮やかに。 今一度唇に掠める感触は、麻薬のよう。身体の節々から染み込む異国の濃夜に似て。唇重ねたまま、光彩に欠けた黒瞳はゆるり瞬き。 視線がそれと知れぬような鈍重さで悪魔の瞳に映るか。 無意識の脳に貯蓄される悪魔の言葉、まるでぼんやり意義でも問いかけるような、無機質のような、ともすれば心ここにあらずにも似た風情。間近から。) …………―――、h (離れると、生理的に洩れる呼吸。薄い唇から。 ――は、――、 悪魔の唇にも掛かるか。) [Thu 18 Jan 2007 04:00:37]
◆グレイブ > (そして、再び試みる、三度目のキス。――娘を抱きしめて、己の意思、娘の思いに応えた結果を、伝えよう。 拒まない。その感情を、殺意すらも、受け止めると) [Thu 18 Jan 2007 03:50:33]
◆グレイブ > (間近。蒼い誘蛾灯。瞑い深淵。悪魔の鬼火は、果たして深淵の底から娘を引き出すことができたのか。――問いかけ、その表情、無防備なそれ。悪魔はカカと嗤った。そのまま、もう一度口付けようか)――まだ危娘は、こういう事も知らねぇだろ? 俺も、知らねェ事は多い。だから――最期は、俺の最期は、危娘の好きにさせてやる。好きにしろよ。俺は、それでも危娘が好きだからな。俺は(そうして悪魔は嗤う。未だ首筋、腕が廻ったまま。手が廻ったまま。命を、娘に預けたまま。だけど、だから)――ただ、もちっと、色々知ってからにしようぜ? 終わりは、最期の最期に、とっとけよ。危娘。 [Thu 18 Jan 2007 03:49:51]
◆危娘@城下町 > (額にぶつかる衝撃。 ぼんやりと虚ろ開いた眼差しのまま、悪魔の接吻、受け取らん。 視線は悪魔をすかして、何処か彼方、向くような胡乱。半開きの唇から夜に似た冷たい吐息、口移しに流れ。) [Thu 18 Jan 2007 03:47:50]
◆危娘@城下町 > (安寧の誘惑。愛しさと両立するのはいつも不安と恐怖。 ならば安息と両立するのは? ) ( 答えは緩やかなDeath ) (ごつ、と。流れ船が岩礁に乗り上げるようなイメージならば、軋む笑いは潮騒か。) ぇ? ( ――は、と瞬いた。 伸ばしかけた指も、手も、笑みかけた瞳も、全ての行動が停止するか。互いの呼吸も触れる距離で、ぽかんと、今度はこちらが無防備の体。邪気でも落ちた気なそれ。悪魔の顔を見上げんと。眼前には近過ぎる誘蛾灯、ゆらり。) [Thu 18 Jan 2007 03:45:05]
◆グレイブ > (そして、奪おうか。 娘の唇。 戯れに。 未だ知らぬ事を知る。その事が面白いと知らぬ娘の唇を。 奪おうか) [Thu 18 Jan 2007 03:37:00]
◆グレイブ > (――だから、悪魔は言ったのだ。知らないことを知るのは楽しいと。『死』を知るのは。未だ知らぬ其れを、娘と共に知るのは、面白いと。だから、首に回された手。それに対して、悪魔はなにも言わない。ただ嗤うのみ。カカ。そんな声が漏れた)(だが――)(こつん)(悪魔の額が、間近に迫った娘のぶつかるだろう。そして、嗤うのだ、カカと)――今はまだ、駄目だぜ、危娘。最期の最期にゃ、殺されてやっても、構わないけどな。 [Thu 18 Jan 2007 03:36:17]
◆危娘@城下町 > ( 腕がすう、と幽鬼の動き、伸びて。 悪魔の頚椎を手繰らんと――、) [Thu 18 Jan 2007 03:33:32]
◆危娘@城下町 > (気遣う声音が鈍鐘のように耳の奥、わあんわあんと木霊して。ぐらり力無く、悪魔の腕を手繰るよう、両手指を伸ばして双方の袖を掴まんと。身体ごと押し付けるようにゆらり、体重を預け。) (虚ろ、揺れる瞳に鏡面のように映るのは、あの蒼か。見つめ合ったなら。 ――どくん、と弾ける。心内の澱。昏い昏い欲望が渦を為して溢れる妄想。間近の距離、かあ、と見開かれるだろう、両対の黒、深く。 「 あぁ、この頸を首を頚を 絞めて 」 ) グレイブさん。 (無警戒の悪魔。悪魔と名指される男が、こんなに降らない人間の小娘如きに、めくるめく昏欲の殺意、向けられて。) ( 「 断髪魔の中、愛しいひとの中にうつる、じぶん その死に顔、 うつくしく 」) グレイブさん。 (乾いた唇を、色彩の薄い舌が湿して。痩せさらばえた獣が飢餓を向ける生命力の儚さで。近い距離、額をすう、と近づけんとして。) ( 「 死 死 死 死 死 やさしい、いとしい、うるわしい死 あたしの手で指で死ぬひとが、そのやわらかさが 」 ) (じい。 ゆっくりと。弧を描くか。黒の双眸。悪魔の目の前で。) [Thu 18 Jan 2007 03:31:43]
◆グレイブ > ……ったく、本当に大丈夫か、危娘?(抱き寄せたからだは冷えていて。とても軽くて。寝起きだから。そんな説明では納得できない程に、胡乱だった。曖昧な仕草。痙攣。掠れた声。その全てが、悪魔に焦燥感を与える。本当に彼女の身体は大丈夫なのだろうか。思えば、初めて逢った時から何処か不健康ではあった。だから、それが今まで――? 汗ばんでいるような娘の身体、両手でしっかりと掻き抱きながら、心配げにその顔を覗きこむだろうか。欲情。内に熱を抱えているようだと、そんな印象を持つ。大丈夫か。そう問いかける姿は、何処か無防備。無論だ、娘に対して、警戒する必要があるか?) [Thu 18 Jan 2007 03:14:44]
◆危娘@城下町 > (一度後ろに退け反り掛けてまた引き寄せられる身体は、他愛無く。 ぐらり蜻蛉じみた体重質量、悪魔の腕の中へ再び戻ろう。体温は人成らぬものの悪魔に似て、薄く。かくり、人形のよう、彼の腕から零れ右へ傾く喉を晒し。) だ、い……、 じょ……、ぅ―――、 (ひくり、小さな痙攣、戦慄いて。視線は悪魔から外れて垂れるふう。 生白の額に汗が滲むのが薄暗がり、この至近距離なら見て取れるはず。熱は下がったままなのに、まるで欲情のよう、浮かぶ雫。揺れる眼差し。瞳は深淵の隧道色なのに。印象は合反。) (ゆる――、視線はやがてゆっくり悪魔を捕らえて。喉を見て。) …グレイ、ブ、さん……、なんだか……、あた、し……、 [Thu 18 Jan 2007 03:11:03]
◆グレイブ > んとに――こういう時は、一々離れたりすんなっての。俺ァ怒ってねェんだから(カカ、と嗤う悪魔は、その大きな掌で――離れていく娘を、ぎゅ、と此方へと抱き寄せようか。怒りはしない。謝らせる気も無い。気にするなというように、娘を抱きしめようとする。――だから、娘が揺らめけば、慌てるのだ。――そう、悪魔は心配している。だから。だから――)……おい、危娘、大丈夫か――本当に?(まさか、そんな事をされていたとは思わない。夢の中で、絞殺されかけたなぞ。思いもよらない。否、思ったとしても構わないのか。そんな事をされても。ただ、悪魔は嗤うのみ) [Thu 18 Jan 2007 02:59:27]
◆危娘@城下町 > (ぺんぺんされた。はっとする。) ――――あッ……、(未だに撫でてくれる指から、よたた、よろめくように離れん。自分は兎も角、悪魔まで。) ごっ、ごご、ごめ……、そんなつもりは……、 (折角の気遣いをこの前から無駄にしてばかりだ。しょんもり。おこらりるとか。) しんぱ――…、い…? (問い返し鸚鵡返し。 ぱちり、瞬きして悪魔をおずおず上目遣いに見つめることが出来たなら。ふと、くらり眩暈。 密閉した空調が、麝香のような異国の匂いが、鼻を擽る。) ……う、ん……、…ゃ……、 (こっくり、緩やかに頷きかけて、停止する首。視線が熱に浮かされたように悪魔を見るか。――悪魔の喉を。夢の中で見た、苦悶。甘い刹那。 あぁ、そうだ。 「この首」を絞めて。―――あたし、夢の中で。) (笑い声に、ふっ、と気を失いそうになる。くらめいて。崩れる足元、幽鬼のように。) [Thu 18 Jan 2007 02:52:05]
◆グレイブ > ……ったく。濡れちまったじゃないか(困ったように嗤う。軋んだ嗤い声。震える娘の背中に手を回して、大きな掌で、そこを軽く叩くように、撫ぜて。震える指。身体。それが寂しさゆえか、違う何かなのかはわからない。ただ、悪魔は受け入れ、そして返すだけだ。思いを。否、返すわけではない。向けるのだ。恐らく娘が、悪魔を拒否しても。悪魔は娘に好意を向けるだろう。だから、悪魔は、その濡れてしまった髪の毛を拭ってやるように、その髪を、頭を、撫でようとするだろう。大丈夫だと)……何を心配してるかは、知らねぇがな。大丈夫。俺ァな、受け止めてやるから。そういうのも。(そして、カカと嗤うだろう) [Thu 18 Jan 2007 02:41:22]
◆危娘@城下町 > (椀から床へ線を描く流れ水の筋が幾つか、ルートを阻むちっぽけな頭部に掛かる。つむじの辺りから額へ伝う雫が冷たいとでも言うかのよう、悪魔の腕の中でぶるり、と身を震わせて。ますます顔を胸に押し付けるふうに。) (近頃になって漸く日常の音として落ち着く笑い声に、――ぞくり。また背筋を何かが駆け上がる感触。戦慄く肩が、か、と見開く瞳の虚無さが、黄昏色の熱を帯びて悪魔へと向かう感覚。――ぐ、と彼の背中に手を廻そう。まるでひ弱な凶人の力にて。) ………、あっ……、 ぅ、ん………、 (呆然と頷く。――こくり、喉を乾いた唾が落ちる。震える指が背筋伝えに解るだろうか。) [Thu 18 Jan 2007 02:36:39]
◆グレイブ > (ぱしゃり。――娘の体がぶつかって、こぼれる水の音だ。そうか。こんなにも、この娘は、孤独が怖いのだ。悪魔もまた、娘の身体に腕を回そう。その華奢な体躯。白い身体。軽いからだ。それを、そっと抱きしめる。まったく。カカ、と口から嗤いが漏れた)わかった。――大丈夫だ、置いて行かねぇよ。……だろ。安心しろよ。……何のために、危娘、アンタの雇い主に口利き頼んだと思ってるんだ?(それこそ一分一秒たりとも離れんがために。細い身体だ。哀しくなるくらいに。傲慢と、そう思うのだろうか。否、思うまい。何時ものように嗤いながら、悪魔は娘を抱きしめる。大丈夫だと、そう告げるように) [Thu 18 Jan 2007 02:23:49]
◆危娘@城下町 > (捲れた毛布の裏地が濃厚な闇の中でやけに白い。伸びてくる手に、熱を孕む空気を掻いてもがく風情、指を取らんと。まるでその体温の冷たさを求めるように、手を取れたなら、毛布から滑り出てこの身をぶつけん。) あぁ―――…、 ……か、ない、で……、 一瞬でも、もうあたしから離れないで………、―――…御願い……、 (差し出される水に目もくれず縋らんとするかたちは、まるで亡者が手繰る蜘蛛の糸。骸骨のような白すぎる顔色、相間って。いやいやをするように首を振り、黒髪を靡かせ。 その5分がもう哀しい、寂しいのだ、と傲慢な孤独、押し付けて。) [Thu 18 Jan 2007 02:15:37]
◆グレイブ > ……大丈夫だ、俺ァ――いなくならんよ(その、空を掴んだ腕に、悪魔も手を伸ばし、その手を取ろうとする。大丈夫。いなくなりはしない。離れはしない。最初は違えど、最期は同じ。共に。そう決めたのだ、この悪魔は。だから、娘が寂しげに背中を見る頃には、再びベッドの重みも増している。ギシリ、軋む音。少々違えど、それは悪魔の笑い声に、どこか煮ている。そうして、椀に入った水を差し出そうか)……安心しろ、危娘。気付いてなかったろうがな。今日はずっと傍にいた。水を取りに行ったりはしたが、お前から5分と離れちゃいない。 [Thu 18 Jan 2007 02:07:14]
◆危娘@城下町 > ………ん……、へいき、だよ…。 (馬鹿だし。自嘲にもならない正直な返答ぽそり。ヴェイトスならまだしもこの熱帯の国で冬の代名詞病の心配はあまりないかと大丈夫。) (シーツの重量感が減る感覚、咄嗟に。) ―――…やっ………!? (ば、と手を伸ばして離れる濃緑の裾を掴まんとして、空振るか。俊敏ぶりも寝起きでは威力半減かと。空を切る指、むなしく虚空へ突き出したまま。 涼やかな音を耳朶にしながら視線は朧ろ、寂しげに。悪魔の背中を追うかたち。) [Thu 18 Jan 2007 01:55:51]
◆グレイブ > そか?……まあ、用心しとけ。風邪なんぞ引いてもつまらんしなあ。――あ、水ならあるが、飲むか? 喉渇いてるだろ(娘の様子を伺いながら、悪魔は水差しに手を伸ばすべく、ベッドから立ち上がろうとする。 ぎしり、と寝台が軋み、すぐ近くにあった重みが離れていくのが、娘には感じ取れるだろう。――そして水差しを持って、再び戻ってくれば、ぎしり、と軋む音。それから、椀に水を注いでいるらしい、かすかな水尾とも、共に) [Thu 18 Jan 2007 01:49:49]
◆危娘@城下町 > (くち、と口腔が小さな音を立てて髪を食む。頬と髪の毛の間にのろのろ指を差し込んで唇から引き抜きながら、) ん…、――…ぃ……い、や………、 何でも、な……、 (悪魔の気遣いにぼんやりとかぶりを振る。視線は天井を見つめて、涙のような水分を含んで虚ろ。 は、と小さく息を吐く、安堵。夢から覚めると安心する刹那があるなんて思わなかった。彼が居る。) [Thu 18 Jan 2007 01:45:46]
◆グレイブ > んー、風邪でも引いたか? 寝てる間、結構寝苦しそうにしてたが(昨日、着替えるのに手間取っていたからだ。そう言って悪魔はカカ、と嗤った。娘の気持ち。動悸。そんな事には気付かないまでも、娘の傍にいたというのは彼女に伝わるだろうか。今日は傍にいたのだと。昨日、あんなに慌てさせてしまった娘に対する償いには、なったろうか) [Thu 18 Jan 2007 01:38:09]
◆危娘@城下町 > (数秒の間。もぞ、と毛布が少し下げられ、周囲の闇と同系色の両対の瞳が覗くだろう。) ………へいき………、 (ぽそ、と呟いて、動悸の激しい胸の上を毛布の中でそっと押さえた。頬が紅い。呼吸が落ち着かないことを、この姿勢では気付かれまい。) [Thu 18 Jan 2007 01:35:56]
◆グレイブ > (果たして、悪魔は公約通り、其処にいた。傍にいると言ったとおり、娘の傍らの寝台に腰を下ろして。水の入った椀を片手に、ぼんやりと外を眺めていた悪魔はしかし、娘の傍を離れてはいなかった。のだ) [Thu 18 Jan 2007 01:32:29]
お知らせ > グレイブさんが来ました。 『――大丈夫か?』 [Thu 18 Jan 2007 01:31:29]
◆危娘@城下町 > (温い恍惚。背徳的な夢は現実世界の体温を下げて、心地良く寒い。 誰かの首に確りと指を絡ませた感覚を覚えたまま、目が覚めた。瞼を開くと降りて来る闇。瞬き一つ。寝汗が背中に冷たい。頬に張り付いた髪の毛のが、一筋紗を帯びて潤い少ない唇へ絡む。 ゆるゆると目を上部の窓へやると、厚い雲が見えた。――月は見えない。) …………ッ―――、ぁ、はッ―――……、 (ぞく、と背筋を痙攣させて、うつ伏せに寝返りを打った。途端に目眩るめく陶感が全身を伝い昇って来る。寝苦しい毛布の中、自分で自分の両肩を抱くようにしてく、と目を閉じた。) (あの感覚。――誰かの首に食い込む自分の指。今わの際の表情。苦悶の艶やかさ。――何て甘い。) [Thu 18 Jan 2007 01:30:11]
◆危娘@城下町 > ……あ……ぁ……―――、 (夜が落ちて来る、と思った。) [Thu 18 Jan 2007 01:21:52]
お知らせ > 危娘@城下町さんが来ました。 『(商人宿の一室。)』 [Thu 18 Jan 2007 01:20:40]
お知らせ > グレイブさんが退室されました。 『(娘が目覚める前には、戻ってこよう)』 [Thu 18 Jan 2007 00:57:41]
◆グレイブ > ……いけねェな、こりゃ(転寝していたらしい悪魔は、クァ、という欠伸と共に身を起こした。身体をぐ、と伸ばせば肩や背中の関節が伸びて気持ちよい。自然、口から漏れるのは嗤い声。カカ、という軋むような声。好きと言ってくれる人物が少ないのが難点だが、まあそれはそれだ。悪魔はまったく気にしない。乾いた喉を潤そうと手に執った椀は既に空。参ったな、と頭を掻いて、立ち上がり――部屋を出る。宿屋の一階まで降りていけば、其処にあるだろう井戸から水をくみ上げようという魂胆で) [Thu 18 Jan 2007 00:50:33]
お知らせ > グレイブさんが入室されました。 『(眠っていたらしい)』 [Thu 18 Jan 2007 00:48:28]
◆グレイブ > (別段、小難しいことを考えているわけではない。ただ綺麗だな、と思うだけだ。……そう言えば、晩飯をまだ食べていなかった。なんて風情の無いことも思う。腹が減るのは時々面白い。何か頑張って動いて腹が減って、それで食べる飯は美味いからだ。だが――こうして、そういった感覚とは無縁の状況で腹が減れば、それは詰まらない。ズズ、と啜った椀の中身は既に空。どうしたもんかと思って荷物を探れば――昼食ようにと買った、鶏肉の蒸し物が、布に包まれて残っていた。ふむ、とそれを見ながら思案して、まあ良いかと荷物に仕舞う。結局、今宵はぼんやりする事に決めたようだ。今は飯を食わない、と) [Thu 18 Jan 2007 00:17:09]
◆グレイブ > (茶を啜りながら、宿屋の中。今宵は大丈夫、娘と共に眠ったベッドに腰を下ろして、月見の最中――怯えさせることは、ないだろう。ズズ、と茶を啜る音だけが響く部屋。青白い月光以外は灯りもないが、男はまるで気にしないようであった) [Thu 18 Jan 2007 00:00:40]
お知らせ > グレイブさんが来ました。 『そして今日も、ここに』 [Wed 17 Jan 2007 23:57:05]
お知らせ > 危娘@城下町さんが退室されました。 『(夢を見る。きっと本当の安堵とは愛しい人の死を持って、齎される。)』 [Wed 17 Jan 2007 04:49:55]
お知らせ > グレイブさんが帰りました。 『(そして悪魔は眠りにつく。右腕を、娘に預けて。己の生殺与奪を、娘に預けて)』 [Wed 17 Jan 2007 04:47:58]
◆危娘@城下町 > (くしゃくしゃと撫ぜる冷たい手。薄い体温と温もり。笑い顔と笑い声。―――――――何時まで続いてくれるのか。) ………………、うん。 (伸ばされる腕に、その袖に、毛布から腕を出してそっと端を掴もうか。反対に顔を枕へ埋める。砂と油の匂いがした。きつくきつく、埋める。小声、くぐもって、) ―――――おやすみなさい、グレイブさん。 (不安と焦燥と恐怖は、いつでも何処にでも。 愛しい人が居る限り付き纏う儚さ。容易く。 毛布とシーツの隙間で、思い切り身体を震わせた。袖だけ掴むなら、きっと伝わらない震えだ。――怯えだけ両立する愛しさ、根深く。) [Wed 17 Jan 2007 04:45:32]
◆グレイブ > そか……(くしゃり、くしゃり。娘の髪を撫でながら。悪魔はそうか、ともう一度頷いた。 ――薄く、唇の端を吊り上げて、悪魔は嗤う)――――構わんけどな、俺は(軋み声は、漏れなかった。ただぽそりと、ただ一言だけ)知らない事を知るのは、面白い事だ(――くしゃり。最後にもう一度だけ撫でて、悪魔も己の毛布へと潜ろうか。伸ばした腕、それは――娘が己を縋れるように。娘が己を頼れるように。娘が己を■せるように)…俺も、好きだ。大丈夫――安心しとけ。(カカ、と嗤い声) [Wed 17 Jan 2007 04:37:00]
◆危娘@城下町 > ( 「ころしたくなっても?」 ) (その言葉は唇に乗せて単語になる前に掻き消えるだろう。頭を撫ぜてくれるほど近い距離の悪魔の耳にも届かないぐらいに。 離れない永遠を約束してくれる悪魔。契約でも無いのに傍に居てくれると誓う悪魔。充分だと思った。充分すぎる言葉だった。例えこれから先――どんなにか避け難い理由で――その言葉が儚くなる日が来ても。その誓いで、この一瞬だけで生涯の安らぎを満ちる事が出来るのではないかと思うほど。 未来よ、過去よ。話し掛けるな。今この瞬間ここに居る愛しい悪魔の存在を噛み締めさせて欲しい。) ( 「ころしたいほど 愛しくなっても?」 ) (冷たい身体。低い温度。月明かりに青白い面差し。薄く寂しく微笑んで。) ………大好きだよ、て…。言ったの。……あたしも、ずっと大好きだからね。……ずっと。 ( 「ひとりに しないで ころしたいほど好きな人」 ) [Wed 17 Jan 2007 04:32:19]
◆グレイブ > ――……悪いな、もう一度言ってくれないか?(蒼と黒が交差する。悪魔の口元には、唇が釣り上がった笑み。ただ淡々と、聞き取れなかった娘の言葉を聞き返そう) [Wed 17 Jan 2007 04:25:38]
◆危娘@城下町 > (その言葉に、ふ、と毛布に沈みかけた白い顔が持ち上がるか。無機質な黒瞳。じっと蒼い光を見つめんと。 一言。) ―――…たく、なっても? [Wed 17 Jan 2007 04:22:52]
◆グレイブ > 俺は、危娘のことが、好きだ――ソイツは変わらんよ。……危娘が俺のことを嫌いになろうが、離れたくなろうが、好きになろうが、一緒でいたがろうが。 俺が、アンタの事が好きなのは、変わらんよ。 [Wed 17 Jan 2007 04:19:34]
◆グレイブ > 同じか、どうかは――……わからねぇな。俺は、危娘がどう思ってるかは聞いたことがないからな(無論。悪魔も、そのような理由で問われたとは思っていない。だから――単に、素直に、口にしただけだ。『愛してる』との言葉すら、自分の思いに当てはまるかどうかはわからない。ただ、好きなのだと、それは間違いないのだが。だから。娘の感情と違うと。そういわれたとしても、否定はできない。同じだと言い切られても、否定はできない。だけど――ぎしり。とベッドが軋む。身を乗り出した悪魔。腕を伸ばして。背を向けて毛布に沈む娘の頭を撫でようと。するだろう。貴女の感情はわからない。だが、ただ、わかって欲しいことは、あるのだ)だけどな。――離れたりはしない。最初は別々だったけどな。今から、最期まで、一緒だ。……安心して良いぜ。悪魔が相手じゃあ、そうも思えんかもしれんが(カカ、と嗤った。そうして、貴女の中で囁く声を――否定するわけではない。だが、決して肯定するわけでもない、そんな声。悪魔は囁く。大丈夫だ、と) [Wed 17 Jan 2007 04:18:27]
◆危娘@城下町 > (問いかけたのは、世間一般の同年代の少女と同じように「愛しているよ」とか「好きだよ」とか夢見る台詞を望んだ理由の質問じゃない。この悪魔は自分と出会う時はいつも笑っている気がする。蒼い蒼い不思議な光彩の瞳の中、悪魔にしては不釣合いな――唯一知る悪魔が愛父の冷たく凍て付く眼差しだし――感情を秘めてこちらを見ている気がずっとしている。暖かいような、こそばゆいような、温もりのような、不可思議なそれ。自分が知っている感情のような気もしたし、まるで縁の無い思いのような気もしていた。解らない。解らないと不安になる。容易く、脆く。) ………あたしと、同じ? (相棒で、家族で、身内で、だいじで。) (きゅ、と唇を噛んだ。 悪魔の答えを得て、心の中で囁く者が居る。――違う。あたしとは。) ………そ、か………。 (けれど、現実の自分はこくん、と頷くだろう。物分りのいい子供のように。納得するように。 癖のある笑い声。嫌悪感など微塵も無い。それでいいじゃないか。それで。大切に思われている、その言葉だけで充分じゃないか。膝の上、指を握る。そのまま背を向けて、毛布へ潜ろう。顔を見られまいとするように。) ……ありがと。…あたし、寝る、ね……。 [Wed 17 Jan 2007 04:12:01]
◆グレイブ > ――……どう思うか?(問いかけ。黒い瞑い瞳。それが真っ直ぐ突き刺さるように向けられたままの、問い。しかし笑みは揺らがなかった。決まりきっている。一度置き去りにしてしまったけれど。一度離れてしまったけれど。悪魔にとって、この娘が如何なる存在か。そんなの、決まっている)俺ァ、大切だと思ってるな、危娘の事は(はっきりと、断言しよう。そうだ。それ以外に何者でもない。大切な、大切な、大切な)相棒で、家族で、そうだな――それ以上の何か、かもしれん。俺にャあわからんが、人間は『愛してる』『恋してる』『好き』、そういった風に呼ぶのかもしれん(カカ、と嗤った。逆に言えば、そう言った言葉で形容できない、より勝る感情かもしれないのだが、何にせよ、そう言った存在なのだ、娘は。そう思う、彼女なのだ) [Wed 17 Jan 2007 03:58:30]
◆危娘@城下町 > (逃げちゃ駄目だ。(*ひとこと) (相棒同士で財布合同だとするなら金にならないと思うのよそれ。循環するぜに。その辺りの売買は最終手段と言うことで一つ。) (ぶる、と肩を震わせてのそのそ自分のベッドへ上がる。この国だし、寒いと言うほどでは無いが温度差はある。それこそ風邪でも引いて移したら大変だ、と思って、悪魔の顔をちら、と見上げるか。 笑っているのかその瞳。楽しそうに。面白そうに。蒼い眼差し、浮かぶ感情は何処かくすぐったいような、向けられるそれ。何と言う思いなのか言葉では良く解らないけれど。) ……グレイブ、さん。 (彼の言葉に対して其方へ行くでも無く、ベッドの上で膝をぺたんと後ろに折ったままじい、と見つめよう。傾げる小首。乾いた唇を舌で湿らせて、) ………あたしの事、どう思う? [Wed 17 Jan 2007 03:52:49]
◆グレイブ > (だが戦うんだ、現実と。現実に、背を向けちゃいけないんだ。そしてぶつかって潰れるか磨り減って倒れる。慰めて、誰か)(だって悪魔だもの。でもそうやって説明しつつ、じつはこっそり買い占めてるかもしれない。この娘が傷つく――わけではないが、のは勘弁願いたい。悪魔はそう思う)(くしゃみをするのを見れば、仕方ないなと悪魔は嗤った。さすがにもう上半身に黒の短衣を着てはいるものの、外套は脱いでいる。それ故、普段よりも悪魔の表情ははっきりと判るだろうか。己は理解できていない、理解できない思いを、娘に向けて、悪魔が笑っているのがわかるだろうか。其処に慈しみと呼ばれる勘定があることを、貴女は気付くだろうか)ったく……ほら、こっち来い。暖めてやるから――ったく、着替えながら考え事なんかしてるからだ(なんて、そんな事を言って嗤うのだ。娘が離れがたいと思うのと同様に、悪魔も彼女と離れがたいと思っているのだから) [Wed 17 Jan 2007 03:40:07]
◆危娘@城下町 > (活かし所の切ないタフネス値。何だか男が損する世の中に出来てそうでこれまた涙がちょちょ切れそうな現実よ。いいんです、男はきっと磨り減って大人になる。) (何ィ、いらん ことしい を! でもきっと懇々と説明しなけりゃ(しても)よう解らんかと。知性2を舐めたあきませんと逃げ道確保だ。駄目か。駄目か…。) (手間取ったせいですっかり冷えてしまったが、気になるのは其処じゃない。てけてけ走り寄ってドアを開ける。開けないと。あのドアの向こうに早く彼の姿を確認しないと。早く速く。) (ノブを掴んで引く。転がるように室内へ入る姿は、先ほどの宿の外の場景に似るか。急いで視線を廻して悪魔の姿を確認出来るなら、ほお、と肩の力を抜くのも、また同様に。あの恐怖を味わいたくなんか無い。) (まじまじと悪魔の顔を見て、一瞬送れて返答。こくこく。) う…、うん……、その、だ、だいじょう…… っ、くしゅん! (言ってる傍からくしゃみした。爪先から指まで冷たい。ヴェイトスの冬ほどでは無いが、さすがに数十分下半身が裸同然だと涼しくもなる。) [Wed 17 Jan 2007 03:33:23]
◆グレイブ > (それでも力とタフネスが上なあたりはアイデンティティー。そして男はタフでなければ生きていけないが、タフなだけだと死んでいるのと同じなのだとか行ってみるテスト)(そしてそれを興味本位で調べて使用方法を伝える悪魔。 果たして。娘が扉を開けると、其処に悪魔は――)……構わんさ。俺ァ、気にしないからな(部屋に響く奇妙な笑い声。煌く蒼。悪魔は、其処にいた。娘を待っていた。ベッドに腰をかけ、青白い月を眺めながら、茶を啜りながら。悪魔は待っていた。大丈夫。二度はいなくならない。二度といなくならない)しっかし、外、寒かァ無かったか? 風邪とか引くなよな。ありゃあ、かかると詰まらん。ロクに動けなくなるしなあ。 [Wed 17 Jan 2007 03:19:33]
◆危娘@城下町 > (数値的に「守ってあげる」か何か言われてちょっぴり凹むといいとか鬼な感想。しどい。いや頑張って欲しい気持ち。) (多分普通に売ると予測。生活あるし。ナニに使うとか知識が無いので知らぬが仏だといい感じ。 闇の中、ただ一つの光源は蒼。笑う気配は伝わるか。あぁ、心配してくれてる。「忘れないで」居てくれる、と動悸の乱れが収まって行く。早く戻ろう。早く彼の姿が近くで確認出来るうちに。) ごっ……、ごめ…、 時間、かかって……、 (さかさかと下衣を履き帯を締めて、荷物を纏めて急いで室内へ戻ろうと。引っ込んだ蒼がたちまち不安になる。あの蒼が消えた途端、彼まで居なくなってそうだ。) [Wed 17 Jan 2007 03:13:07]
◆グレイブ > (ともあれ現状は保護者。保護者で良いだろう。きっと。能力値的には娘さんのが上ではある辺り情け無いが。まあ、年の功で何とかしようか、実年齢不明だし)(だが娘さんの使い古しなら喜んで買う手合いがゲフンゴフン。 夜の中、蒼い瞳で彼女のいるだろう方向を見据えれば、ふ、とその灯が翳る。眼を細めたのだ。嬉しそうに。そうか、と頷いた。安心したのだ。娘に、何事も無くて。そうか。もう一度、揺れる鬼火。誘蛾灯)なら、良いんだが。――別段、どっか行きャしないから、それで考えてるんだったら、必要ないぜ、その考えは(カカ、と嗤い声。人は嫌う悪魔の声だが、悪魔にしては優しい声音。ぎい、と軋む扉の音。それと共に、鬼火は消える。部屋に戻ったのだと、知れるだろう) [Wed 17 Jan 2007 03:04:14]
◆危娘@城下町 > (嫌なミラクルですな。言葉の魔法。実質年齢は不明なんだし問題無いじゃ無いかと豪語だ。従兄にしちゃやけに保護者っぽいし。10離れればこんなものだろうか、と世間一般の従兄さんに聞いてみる気。) (ちなみに売り物にはなりませんよ。使い古しにも程がある物ばかりだし。 衛舎なら兎も角、商人宿では深夜に余計な灯は付かない。廊下では月明かりも届かない真の暗がりに少し距離を置いて浮かぶ両対の蒼に、一瞬びく、と身を竦ませるも、荷袋で腿から下をガードしてこくこく頷き。) だ、大丈夫……、 ちょっと、その――……、 考え事してた、だけ……。 (ごめん、と項垂れ、着替えを再会しようか。今度は見付かるだろう下衣を引きずり出して少し嘆息。 悪魔は此処に居てくれる。 「彼」は今は何処に居るのだろうか――、と。) [Wed 17 Jan 2007 02:57:53]
◆グレイブ > (叔父と姪。そうか叔父さんだったのか。言葉の響き一つでなんだか酷く年上になったような感覚。せめて従兄でどうだろうか。外見年齢二十代半ばで叔父さんは、わりと厳しいかもしれない)(――そして首を出してみれば。何故だか廊下のすみっちょでお店を広げている娘さんが一人。ああなんだタイミングが速かったか、とか思わない辺り悪魔は紳士なのかもしれない。まあ、暗がりで全く見えないのだけれど。ともあれ、声のしたほうへ視線を向けよう。闇の中でも蒼い眼が見えるのは、きっと娘を驚かせるかもしれないが。鬼火のような、蒼色)そうかー? ……ま、大丈夫なら良いんだが。なんかあったら呼べよ。俺ァ部屋の中にいるんだから(カカ、と嗤って。頼って良いのだと、娘に告げようか) [Wed 17 Jan 2007 02:46:33]
◆危娘@城下町 > (むしろ兄妹と言うよか、仲のいい若い叔父と姪っぽい関係が相応しい気もしてきた感じ。そうだ、人攫い云々職質対策にはこの案で最終決定に。身内のように愛おしいのは、だいじなのは同じなのだし。) (などと悪魔が室内で心配になっているだろう頃、廊下では。) え?あぁ、違っ――…、これは夏用の上着だし……、 帯とか何処へやったかな……、 (なにせ流れ傭兵。つい半年前まで家も無かった身分だ。荷袋の中は生活必需品から春秋夏冬兼用の着替えまでごった。狭い袋だし財産も無い。一応それなに整えては居たけれど、なかなか目的の物は最初に見付からない法則だ。荷物ひっぱり出したりしまったりで探してる最中。ちなみに上半身はきちんと着てる。下半身が下着代わりの黒い短衣のみで涼しいだけ。) (そこでいきなり開閉音がしようものなら、びびっ、と硬直。) あ、わ、わ――、ま、まだ着替えて無いから! 大丈夫だから! (ばば、と両手で膝を抱えるようにして暗がりの隅へ小さく小さくなって必死に応答。暗さで見えないことを、祈る。) [Wed 17 Jan 2007 02:41:34]
◆グレイブ > (やれやれ、と溜息を吐きながら悪魔はお茶を啜る。年頃の娘は難しい、と。そういう事なのだろうか、なんて。月を見ながら考える。兄貴分を気取っているのは己だけなんだろうか、そんな風な気持ちも起きる。この悪魔も不安なんだろうか。自分でそんな風なことを考えて、悪魔はカカ、と嗤った。面白い。実に面白い。娘との交流も。そしてその交流で新たに湧き上がる感情も。共に新鮮で、共に面白くて、共に大切なものだ。悪魔を生かすのは娯楽。あの娘。本当に大切な存在。……なのだが)……にしちゃあ、随分と遅かァ、ないか?(ズズ、と啜る。そう、アングリマーラはあまり治安が良いとはいえない。となれば、宿の中とはいえ、娘が裸――着替えているところに出くわせば、良からぬ事を企てる者もいるだろう。腕を伸ばして己の円匙を握ると、立ち上がった。まあ、自分は――良いだろう。上半身が露でも。そう変ではない。言い訳しているのだろうか?早く見に行けと告げる、頭の何処かが)……おい、危娘。大丈夫、だよなぁ?(ぎぎい、と扉が開いて。赤毛の悪魔の顔が覗く。右へ、左へ) [Wed 17 Jan 2007 02:26:56]
◆危娘@城下町 > (何かもう「脱ぐ」と言う気配が嫌なのだ。恥ずかしい気が。幾ら後ろを向いて貰ってても、衣擦れの音やら荷袋の口を開く気配やら、あのごそごそ感が自分で気になってそわそわする。これが愛父や愛兄なら別だけど。家族だし。妙な線引き。) (すか、と空気を切る腕の気配を残像に廊下へ出奔成功か。え、あれ?何か呼んだ?と、ドアを閉めた時点で、ふと背後を振り向いたが。次いで殊更呼ぶ気配も無いので、急いで着替えを、と。廊下の端までずりずり荷袋引きずって、四角へ移動。此処ならちょっと部屋から誰かが首を伸ばしたぐらいじゃそうくっきりは見えないかと。深夜だし。人が来ない運に掛ける…。) (ごそごそ帯を解き、両手の親指で下衣の腰布に手を掛ける。其処でふと思い出した。あれきり会っていない侍を。) ……一心さん。もうアングリマーラ出てしまったのか、な………。 (やっぱり、一緒に居るなんて。嘘かな。) (そう考えると、室内の悪魔も、ふと目を離した瞬間に居なくなる気がした。急いで着替えないと、と思う反面、焦りすぎて荷袋からなかなか着替えが探せない。そろそろ腿が寒い。) [Wed 17 Jan 2007 02:21:11]
◆グレイブ > (悪魔には割りとそういう感情は無かったりするので、うん、と首を傾げる。別段見ないで、と言えば其方を見ないのに。長身痩躯の男は、少々痩せてはいるものの、やはりしっかりとした体付き)あー、別に見やしないって。恥ずかしいんなら(言いつつ、片腕に持ったままの急須で、新たにお茶を注ぐ。甘ったるいその味だが、悪魔は気に入った様子。カカ、と嬉しそうに嗤うのだ)――ちょぉーっと、待った。待て、危娘。待て(真っ赤になって飛び出そうとする彼女の動きに、待てよと、腕を伸ばす。娘の細腕を掴まんとする。――が、届かず。さすがに十も能力値が離れていれば届かないか。ダッシュ避難と貴女は言うが。言うけども。言うけどさ)……廊下だって人は通るんじゃないのか、おい? [Wed 17 Jan 2007 02:08:51]
◆危娘@城下町 > (そう言えば先日再会を果たした侍との初っ端出会いは結構『面白』かった。本人に取ってはあの豪快な行き倒れっぷりは笑い事じゃないと思うけど。けど。) ――ぇえ!? あっ、い、いいよ、そんなの! は、恥ずかしいよ……、 (服脱げ、と言われて思い切り振り返った顔は心持ち赤面。折角撫で付けて貰った髪がばさりと翻る。俯き、ぼそぼそと否定の体。一年の間経験して、羞恥心ぐらいそれなに覚えた。しかして濡れた衣服が気持ち悪いのは、事実。どうするかなーと、頬の赤いまま、悪魔にちらりと視線をやれば、すでにさっさと脱衣中で。びびる。) あっ、あっ――、そのっ、あたし、外! そ、そとで着替えるからッ! ほら廊下、ここ、この時間とか誰も居ないし――、 (などと慌てふためき、気遣う悪魔に背を向けて、ベッドの上の荷袋引っつかむと廊下へダッシュ避難だ。てけてけ。) [Wed 17 Jan 2007 02:00:58]
◆グレイブ > (そうして、彼女が少しずつでも『面白い』という感覚を理解していっていただければ嬉しいと思う。そうすれば、共に楽しめることも増えていくだろうから。そして楽しんでいくことが増えていけば、悪魔と娘が共にいる時間も増えていくだろう)……危娘も服を脱いじまえよ。着替えあるんだろう? ――それと暖かくしとけ。カゼでも引いたら詰まらんからな(そう言いながら、あっさりと悪魔は外套と、その下に着込んでいた薄手の黒い衣服を脱げば、上半身を露にしてベッドへと腰を下ろした。調度、危娘の反対側。彼女に背を向け、外を――月を見るように。自分の荷物から引っ張り出した布切れで、簡単に自分の身体を拭おうか)……大丈夫か、おい? ――寒いんだったら、なんか羽織っていたほうが良いとは思うが――……。 [Wed 17 Jan 2007 01:49:35]
◆危娘@城下町 > (ふん、ふん、と真面目な顔で聞いてはいるけど、実際、理は良く解らない。『楽しい』『面白い』より先に『安寧』『安らぎ』が欲しいとは思う。快楽なら戦いが、遊興なら戦争があるのに。 ただ慕う悪魔の楽しそうな顔はと言われれば、これは『楽しい・面白い』より『嬉しい』に属すのだから、先生の答えには素直に頷き。心留めればいずれ理解の日も来るかも知れないし。) うぅ……、気持ち悪い………。 (半分ほど外套に掛かった。多分下まで染みた感じだ。めそり。) (てってけ、ドアを抜けて二階の自室へ移動するか。部屋に着くまで握手状態。宛がわれた部屋は二階端の倉庫の隣だ。着替えを始める悪魔を横目に、とことこ自分のベッドに戻り、こっちも外套を脱ぐ動き。) …・・・っ、くしゅ――、 (すでに冷え始めた着水部分は、上着を脱ぐと肌寒い。小さくくしゃみ。) [Wed 17 Jan 2007 01:40:34]
◆グレイブ > 『楽しいこと』『面白いこと』だな。――何にせよ、知らなかった事を知るのは、楽しいし、面白い(カカ、と嗤った。死より面白いかどうかは、わからない。だが死を楽しめば、それでお仕舞い。だからその前に、色々と楽しんでおいたほうが得だと、ただそれだけのこと。悪魔はやはり楽しげに嗤い、楽しげに言うのだ。正解だ、と)あ? 別に謝んなくたって良いだろ、うん。濡れちまったのは危娘だけなんだし(そして茶は、と言えば、実は未だ急須に残っていたりする。いや、此方のそれを急須と呼ぶかは別なのだが。片手にそれを持ち上げて。反対の手で娘の手を握れば、そのまま部屋まで上がるだろう。――そして部屋まで来れば、悪魔は一足先に、自分の身を包んでいる外套を剥ぐのだ。やや埃と、土と、汗の臭いの混ざったそれを) [Wed 17 Jan 2007 01:28:46]
◆危娘@城下町 > (血の繋がらない兄も父もペット(ペットと来た)も居る身。一人は悪魔だし一人(匹?)はドラゴン。かつては頻繁に交友を交わした仲だけど、今は誰も彼もが遠い空の下。今頃何をしているものか。そもヴェイトスに居るのか居ないのか。寂しくなるからよっぽど構って欲しい。仮兄分の蒼い悪魔。) ……そっか………。 じゃあ、えと――、 (考え考え、こくり、小首を傾げて、) それも「楽しい」…こ、と……? (仕草的、「先生、この答え、当たってる?」とそんな風情。死ぬ事より楽しい事がいっぱいある、との昨日の話を得て、質問風。) あ、あぁ…、ご、ごめん、なさい……。(これは今度こそ謝らないと、折角貰ったのに。甘いお茶、少し飲んだだけで地面に御馳走だ。しゅん、と項垂れて。火傷はしなかったものの外套は腰から下がちょっぴり濡れた。早く乾くといいけれど、なんて裾を摘んで困り眉。) う、うん、わかてる、よ――、あ、駄目、やっぱり、手、繋ぐ、手――、 (独特の笑い声、少し安心するものの、慌てて手を伸ばし、悪魔の袖をしっかと掴まんと。握れたなら多分部屋までこのまむま。) [Wed 17 Jan 2007 01:22:53]
◆グレイブ > (というか。わりと悪魔は兄貴分なつもりなのやも知れない。すでに娘に兄がいるとは、知らない身だから。ただまあ、知ったとしても世話を焼くことは変わらない)うし、泣き止んだか……良かった良かった。ん?俺も良くは知らんのだが、何でもこっちじゃ良く飲む代物らしい。……こういうのを喰ったり飲んだりも、面白いよな。まだ喰ったことないもんが山ほどあるんだ(カカ、と嗤った。おいしそうな表情を見れば、悪魔だとて嬉しいわけで。だから、傍から見れば、二人が嬉しそうにしている姿、微笑ましいと映るかもしれない)謝んなくて良いさ。俺が考えなしだっただけ、と……ありゃ、零しちまったか(まあ、幸い、貰ったのが結構前。結構ぬるくなっていたが――参ったな、と己の頭を引っ掻く。カカ、と嗤い声)慌てなくても、置いて行きャしねぇよ。……調度良い、俺も動いて、ちと汗を掻いたし。部屋戻って身体とか拭いちまおうか。 [Wed 17 Jan 2007 01:09:59]
◆危娘@城下町 > (親戚の子は通じるかも知れないっぽい。兄妹もかろうじてセーフゾーンか。髪や目の色が兄妹で異なる混血児は山と居ようし。衛兵さんの職務質問のかわし方はこれでイケる気分で。) ……ん、ぅ。 (目元を、くし、と外套の袖からはみ出た握り指で拭い、こくり素直に頷き。差し出されるチャイを両手で受け取るか。立ち上る良い芳香。茶碗にまず鼻先を近付け、ふんふんと匂いを嗅ぎ、) ……? (「これ何?」と言いたげに、悪魔の顔をきょと、と見上げてから、一啜り。 口の中に広がる甘味にじわじわ広がる笑顔。口に出さなくても雄弁な「美味しい」表現。) ご……、ごめん、ね……、し、心配、で……、その。 (上目遣い。カップを持ってへたり込んだまま、いい訳っぽく弁解。怒らないと言ってるのに、どうにも「嫌わないで」の表現深く。 こくり、ともう一口お茶を飲んで、中へ促す悪魔に、) ……あっ、待ってよ……、 あっ、つ――! (急いで立ち上がりかけてお茶零した。) [Wed 17 Jan 2007 01:04:28]
◆グレイブ > (人攫いとて、この街では日常茶飯事だ。ヴェイトスに比べ、遥かに人口も、種族も多く、雑多な都市。犯罪の多さも、比べるべくない。それ故に昼間ならば見咎められても仕方ないやもしれぬ。――が、もし見咎められれば其処はそれ。兄妹ですとか、親戚の子なんですとか。言い訳のしようは幾らでも存在する。最も、そう言って攫っていく類の人攫いも、いるのだろうが)……ったく。ほら、これでも飲んで落ち着けよ。んなに泣いたんじゃ、身体から水が無くなっちまう(カカと笑いながら、悪魔は娘に茶碗を差し出した。中には未だ、甘いお茶が入っている。――健康という言葉からかけ離れた存在ではあったが、しかしここまで血色が悪いのはどうなのか。今度美味い物でも買ってこよう。そんな決意)怒っちゃいねぇな。大丈夫――危娘を怒るなんてェ事はしないが……そうだな、とりあえず部屋に戻ろうか。寒いってぇのに、このまま蹲ってるってェなら、俺が抱えて運んじまうゼ?(そして、やはり喉の奥からのカカ、という嗤い声。きっと悪魔は言葉通り、実行するだろう、それを) [Wed 17 Jan 2007 00:49:46]
◆危娘@城下町 > (ヴェイトスの大通りでは些か剣呑にも見えるか、全身を覆う外套姿も、この異国ではさして目立たないのが便利だと思う。ガーラベーヤもサリーも一枚布。似た様式。おまけに深夜だ。周囲に人目も余り無い。無いだろうと思いたい。体格にその関係の不自然さは無くとも、顔立ちの若さから到底親子には見えない外套二人は、昼間だと衛兵さんにしょっぴかれそうな現在状況だ。円匙担いだあんちゃんとへたり込んで泣いてるチビ娘は正しく人攫いの図かと。かと。) (なでなでされたー。頭に掛かるいとも優しい感触に、八の字に歪んだ眉、俯く瞳をぐしぐし拭い、) ……う、うん。 (ぐす、と啜り上げながら、どうにか泣き止み。頬と顎の涙跡以外には、悪魔の杞憂通りまるで水気に乏しい陶磁器じみた面差しなれど。すん、と顔上げて、近くなった悪魔と目を合わせるか。) …お、…怒ってない……? おこて、無い? (信用していないのか、なんて。おずおず。) [Wed 17 Jan 2007 00:43:24]
◆グレイブ > ったく……大丈夫だ。ここにいるんだから。安心しろよ、危娘(くしゃり、くしゃり。不器用に、大切に、宝物を撫でるように、娘の頭を撫でていく。月光の下で見ても判るほどに青ざめた顔。それだけ心配してくれたのだと、そう気付く。だから、得るんだ瞳の彼女を慈しむように。大丈夫だと告げるように。悪魔の掌が、少女の頭を撫でる)……これなら、書き残しといた方が良かったなぁ。悪かった……ンじゃあ、今度から、心配しないで済むようにしような、うん(そうして言葉をかけながらも、娘に対する苛立ちや何か、そういったものは欠片ほどにも存在せず。それは彼女を多少は安心させるだろうか。わからないまでも、その泣く様子に、少し悪魔は考える。乾いてしまうんじゃないか、なんて、そんな事を思うから)……ほら、大丈夫だから泣きやめよ。何処にも行きャしないんだから(藍色の娘の前に、しゃがみこむ緑色。目線を合わせて、彼女の顔を覗き込もうか) [Wed 17 Jan 2007 00:31:42]
お知らせ > グレイブさんが来ました。 [Wed 17 Jan 2007 00:22:40]
◆危娘@城下町 > (飛び出した夜は、今日も密度の濃い闇黒。雲は無い。暫定雇用主名義で宿泊中の部屋の窓からは月が良く見える。 それでも安心しなかったのは何故か。目が覚めて其処へ居た筈の悪魔が居なかったから。 元から血の気の薄い顔色がもっと蒼白に変わったとも。――まさか。そんな。あんなに約束したのに。滑り込む不安はいとも容易く。身支度もそこそこに狂気の体で探しにと。) (のんびり近付く濃緑外套に、へたりこんだ藍色外套は、フードもしてない顔上げてまじまじ悪魔の顔を見上げるか。 ―――じんわぁ。ざんばら髪の下、両眼に滲む雫、めそり。) めっ……、目が、さめて、ね――? ぐっ、ぐっ、グレイブさ、い、いなかた、から――…、あ、あた、あたし、ど、何処行ったのかなっ、て――、 (えっえっえっ。撫ぜられる手にはストリートべそ掻き。両手の甲でぐしぐし目を擦る仕様で。) [Wed 17 Jan 2007 00:18:34]
◆グレイブ > ――大丈夫だ。置いて行きやしない(予想していた。それ故に開口の一言はこれだった。ある意味で、ここまでとは思っていなかったが。――ともあれ茶碗をズズと啜る姿。わりと馴染んでいると言えなくもない。大慌てで飛び出してきたのがわかるような娘の姿に、ゆらりと立ち上がる長身痩躯。そのまま、無造作に娘の方へと歩み寄ろう。仕方ないなあ、この子は。そんな感情。微笑ましいとも言える。だって悪魔は嗤っているのだ。楽しげに。ここまでの思いを向けられて、どうして娘を置いて行けよう。無碍にできよう。手を伸ばして、その解けた髪の娘。頭を撫でようか)安心しろよ。ちぃとな、夕涼みしてただけだ。……まあ、もう夜にゃあなっちまったが。 [Wed 17 Jan 2007 00:09:02]
◆危娘@城下町 > ぐ、ぐっ、――グ、グレイブさ―――、 (認められたならその悪魔の姿。その場でくたくたしゃがみ込む所存。気、抜けた。) [Wed 17 Jan 2007 00:04:43]
◆音 > (ガッ、ゴッ。 ――がたーん。) (微妙に不穏な連続音、連れて。悪魔の蒼い眼差しの先、路地に面した戸口の其処だけ木造のドアが勢い良く開くだろう。) (その内部の暗がりから猫か犬の子のように転がり出て来たのは、藍色外套を無造作――と言うか慌てまくって引っ掛けて、長い髪を結いもせず振り乱し、黒紗で顔を半分隠しながら今にも泣き出さんばかりの形相を要した青白い顔の娘。 前髪の隙間から見える額にコブとか見えるのは不穏音の正体かと。慌てすぎて手すりか何処かでぶつけたもの。) (路地へ飛び出るなり、右、左と半狂乱の風情で首を廻し、悪魔の姿を見付けて、) [Wed 17 Jan 2007 00:03:09]
◆グレイブ > さぁて、とは言え俺も仕事を探すかねぇ(無論、こうやって日々の尊い、尊い労働で小銭は得られるのだが。さすがに単純作業ばかりだと詰まらない。やはり傭兵。殺したり殺されたりが性にあっている。――もう少し早く戻ってこれれば一合戦できたのだが、と思うが、まあ過ぎたことを気にしていては、新しい状況を楽しめない。 どうしたものかと思案しながら、手を伸ばすのは直ぐ傍におかれた急須――と欠けた茶碗。仕事から帰ってきたら、宿の主人がくれた物。中身は甘ったるいお茶……チャイだかサイだとか、そういうらしい。ズズ、と啜り、カカ、と嗤う。美味い。気に入った。そんな風に)(――と。どたどたどたと。激しい足音。階段を転がるように下りてくるような音。んあ、と振り返る顔には、外套に隠れているが笑顔。一応書付は残しておいたのだが、あの娘) [Tue 16 Jan 2007 23:53:25]
◆音 > (と、頑健だが質素な石造りの宿の内部。不意に慌しいが軽い足音、忙しなく。 二階建ての階段でも走り降りて来るかのようなそれ。だだ、だだだ――、) (石の建物に音は良く響くだろうか。その音は真っ直ぐ宿の戸口まで近付いて来るようで。 悪魔の耳にも聞こえるか――、) [Tue 16 Jan 2007 23:48:20]
お知らせ > 音さんが来ました。 [Tue 16 Jan 2007 23:39:59]
◆グレイブ > (結局、何処へ行っても生めよ増やせよ育てよ作れよ。そして呆気なく死ぬ。死んだ数だけ穴が要る。焼いてしまおうがそのままだろうが、灰や骸を放っておくわけにもいくまい。聖なる河へ流しても、流れ着いた先では穴が要る。がらん、と無造作に悪魔の足元に放り出された円匙は、土で汚れていた。 そう結局、こうして人が群れている以上、墓穴掘りの仕事もまた、無くなることはない)景気は良いってなァ、この事だな、まったく(カカ、と嗤う。世の中どうあれ、坊主と葬儀屋、ついでに娼婦は仕事に困るまい。それと近頃は兵隊か。何にせよ、めでたい事だ。こうして飯の種が簡単に手に入るならば、その分、あの娘の傍にいてやれる時間も増える。そして共にする事も、だ) [Tue 16 Jan 2007 23:25:36]
◆グレイブ > (――そうして、娘と共に眠った朝。明けて次の日、悪魔は雑多な人々の群を眺めながら、彼女の泊まっている宿の傍へと腰を下ろしていた。ヴェイトスのような猥雑な都市も眺めていて楽しいが、こうした雰囲気も面白い。結局のところ、人間なぞ何処に行っても同じように、こうして町を作る。なるほどなあ、なんて思いながら、カカ、と喉から嗤い声が漏れた) [Tue 16 Jan 2007 23:16:51]
お知らせ > グレイブさんが来ました。 『――ぼんやりと、宿の外』 [Tue 16 Jan 2007 23:14:58]
お知らせ > 危娘@城下町さんが帰りました。 『(多分また、猫のよう。丸くなって寄り添い眠る。)』 [Tue 16 Jan 2007 05:36:48]
お知らせ > グレイブさんが退室されました。 [Tue 16 Jan 2007 05:34:48]
◆グレイブ > (かくして、蒼い瞳の悪魔は、再び娘の隣に。二度と離れない。二度と離れない。そう決めながら、共に一つのベッドで寝るのだろう。大好きだと、そう応えながら――) [Tue 16 Jan 2007 05:33:46]
◆危娘@城下町 > えへへ、グレイブさん、大好きだよ。 大好きだからね。大好きだから。 [Tue 16 Jan 2007 05:33:12]
◆危娘@城下町 > (そんな気遣いが、そんな心が、伝わればいいのに。心を読む術は人間、こと愚鈍な娘にはほど遠い技術で。今は儚い不安と、今此処にある幸福を、そっと握り締めるイメージを深く、何度目か解らない、撫ぜられる感触に、猫のよう、目を眇めて、) ………ん……、 (首を竦める動作でその冷温を甘受するだろう。それだけで娘の体温は少し上がる。嬉しいんだ。嬉しいんだ。触れて貰える、其処に居る幸せ。頬だって赤くなる。幸せそうな顔。久しぶり。) (伸ばされる手で握手のかたちに繋がれば、ちょっと目を上げて、視線を合わせようと努力の後、くすぐったそうに微笑む。この感覚も久しぶり。彼の笑い声も久しぶり。懐かしいことばかり。異国の地で思わぬ邂逅、二度目。) (それから死骸に目を向けて、「あぁ」と、) …この国では、要人邸以外に墓は無いらしくって、さ……。 死体は燃やしちゃうって灰を川に流すのが普通らしいけど。 ……埋めちゃってもいいかなっ…て。 (どうせ主人には「始末しろ」とだけ言われているんだし。この国に意味無く裏路地の地面を掘り返す風習は無いだろうと判断。掘り始めるなら、邪魔しないように見守るつもりで。) ――うん、ありがとうグレイブさん! (ほお、と洩れる吐息は安堵のそれ。独りじゃない夜。誰かが居る夜。――本当だ、とふと侍の言った言葉に我知らず思う。寂しかったんだ、あたし。独りで居る夜は、寂しい。淋しいから。) (眇める蒼。慕わしげに見上げて。繋いだ手を精一杯の力で握り返さんと。) [Tue 16 Jan 2007 05:32:50]
◆グレイブ > (嫌いはすまい。拒絶も。ただ、面白くない事は、面白くした方が良いと、そう思うのみ。娘が楽しいと思うのであれば、悪魔はそれ以上何も強要しない。――いや、始めから強要はしないのか。無理強いされて行うことで、面白いことなど万に一つもありはしないのだから。だから、娘の心配は杞憂。少なくとも、この男にとっては。伸ばした手。膝の上から降りようとする貴女の頭をくしゃり、と。励ますように撫でた。大丈夫だと)ああ。安心しろよ――二度は無い。ちゃんと受け止めるさ。受け止めずに、放り出したりはしない。……大丈夫だぜ、危娘(そう言えば、以前もそうやって外套の端を掴まれていたな、と思えば、思わずもれる笑い声。伸ばした手で、今度は彼女の手を握ろうとするだろうか。裾よりは、此方のほうが安心だろう。お互いに)……そうだなあ。ま、それじゃあ久々にお仕事と行きますかね。別段、ここに掘って良いんだろ、墓穴?(問いつつ、彼女の手を握ったのとは反対の手で、よく馴染んだ円匙を握り締める。穴を掘って、入れて、埋める。それだけの、ある意味では重労働だが、男は一応本職だ。そう、長くはかかるまい)なあ、危娘――俺が一言でも、イヤだって言ったか? 俺と一緒に寝たいんだろ?――なら、一緒に寝ようぜ(上目遣いに返すのは、嬉しそうに、楽しそうに、細められた蒼い瞳。そして嗤い声。決して、彼女を拒んではいない。怒ってもいない。そんな様子で、悪魔は嗤った) [Tue 16 Jan 2007 05:13:51]
◆危娘@城下町 > (俯いた顔少し上げて、近い悪魔の顔に微かな安堵。冷たくても、悪魔の体温。其処にある限りははっきりする存在だから。漸く幸福が訪れる気持ち、安らかに。僅かだけれど。僅かだけれど。一瞬でも離れたくない、そんな思い、強く強く。 頷いた。) ……そうする。グレイブさんには、何も隠さないようにする。 ……だから、受け止めてね? あたしを……。 (はにかむように伝えて、そっと膝から降りようか。いつまでも彼の膝を占領していては動けまいし。袖さえしっかり掴んでいれば、満足とばかり。彼の外套の端を掴もうとするだろうけれど。) …紹介、ぐらいは出来るだろうけど。 (仕事の話。まだ信用の無い自分だし、雇い主がどう思うかは解らないが。) あぁ、その「ひと」。 (死骸に目をやり、) ……埋めてあげなきゃいけないしね。その後、案内するよ、宿に。 ……あ、…えと。 (と、軋む笑い声に、ふとこちらは気付いて寂しげに。) その、…ベッド、狭いのは、いやかな。グレイブさん……、 一緒だと、せまいよ、ね……。 (しゅんとする表情連れて。怒る?怒る?の仕草。上目遣いに聞いてみよう。) [Tue 16 Jan 2007 05:06:42]
◆危娘@城下町 > (いつか愛憎と(愛情では無い。そんな清らかなものでは無い。執着と想い。強く、根深く。)安寧が両立する日が来ればいいのに。それは死ぬまで。どうか愛する人をけして拒む事は何も無いから。頼むから。懇願する。懇願する。切実に願う。独りにしないで。) (生気に乏しい体温も顔色も表情の儚さも、素のものだ。某かの感情が影響するでは無いけれど、不満に思われたくは無いから、言われれば治そうと努力はするだろう。愛した人の評価が全て。嫌われると息が詰まる。肺が潰れる。) [Tue 16 Jan 2007 04:58:49]
◆グレイブ > (娘の焦燥。娘の慕情。娘の思慕。娘の不安。娘の殺意。その全てを受け止めることができる、などと悪魔は思うまい。だが、しかし、拒む事はあるまい。娘が悪魔を拒まない限りは。彼はそういう存在だ。相手が拒まない限り拒まない。そして好ましいと思った存在は、在りの侭であれば良いと、そう思う。不安ならば、不安でも良いのだ。消えないで欲しいと願うなら、それで良いのだ。悪魔は、その思いに応えよう。傍にい続けよう。共にいよう。最後まで。死ぬまで。どちらが先に倒れるか、それはわからないだろうが。もしもそうなったら、共に倒れようと、そう決める。 そうか、と、悪魔は頷いた。苦しくない。それをそのまま全て信じるわけにはいかなかったが。それでも、苦しくは無いのだろう。生気の無い顔。つまりは詰まらないのだろう、この娘は、きっと。自分が傍にいれば、面白いと、そう感じてくれるだろうか)求めても、良いんじゃないかねえ。……少なくとも、俺は、下手に我慢されるよりかは、その方が良い。――傍にいて欲しいんなら、そういってくれ。俺は莫迦だから、はっきり言って貰わんと、わからん時も多い(カカ、と嗤うのは自分へと。その愚鈍さ故に彼女を傷つけたのだから。暗闇の内でも、いつか娘が明るく――否、楽しそうに笑ってくれれば良いのだが。そう思う) ´…イッシン、ね。傭兵か――なら、危娘の傍にいりゃ、そのうち逢えるだろう。きっとな。逢えなきゃ――ま、それまでか(頭を何処かに忘れた骸が一つ。処刑か、暗殺か。まあどちらにせよ、大した違いはあるまい。傭兵が、彼を殺した。それ以上でも以下でもない。実にシンプル。単純なのは良い事だ。それだけで楽しい)うん? そうだなあ――さすがに、俺も喰わなきゃ腹が減る。いっそ、同じ奴に雇ってもらうってぇのもアリか(傭兵の真似事とて、できぬ身ではない。実力はさほど高くなけれど、『悪魔の用心棒』という響きは、それなりに意味がある。楽しそうに、笑った。――少なくとも、こうしてせがむ彼女は、楽しそうだと思ったからだ)いや、俺の宿は橋の下っと。まあ、そんなわけで。――誘ってくれるんなら、ありがたいな。 ああ、構わんぜ。俺でよけりゃあ、な(カカ、と軋み声) [Tue 16 Jan 2007 04:51:40]
◆危娘@城下町 > (およそ「正しくない」理ばかりで形成している娘なのだし。相手が悪魔だろうが堕天使だろうが吸血鬼だろうが、はたまた正義の死者だろうが黄泉送りの殺戮者だろうが、遍くそんな身分も制度もどうでもいい。例えば彼(彼女)が彼(彼女)でいるから。例えば墓守りグレイブがグレイブであるから。だから怖ろしい。だから気にする。だからその一挙一動が不安で仕方が無い。落ち着かない。いつも居ないと、この目の届く場所に、この手の届く場所に居ないと、何処かへ消えてしまうような儚い不安。いつも。何度でも。襲う焦燥。 愛しさと相反するのは、いつも恐怖。取り除けない。愛している愛している、愛しい愛しいと何度ぶつけ、何度返されても。 両立しない安堵と慕情。そんな自分をだいじに思ってくれる自信などありはしないのに。) ………ううん。責めているんじゃないよ。…もう、それはいいんだ。 沢山、受け止めてくれたから。…もう苦しく無い。 (少し顔を上げて娘は笑う。生気に欠けた笑顔。白い頬で。笑ったまま癖のようにまた俯く。) ……好きだと、愛していると、解らない、ね。 ……どうして此処へ、どうして、あたしの、愛しているあたしの傍に居てくれないのか、と。わがままになる。……もっと、貪欲になってしまう。 ……いけないことだと思うのに、ね…? (大丈夫。元気だよ、もう。と、悪魔に笑ってみせよう。明るくでは無いけれど。太陽の下へは出られない、胆力の無い笑顔で。) あぁ、一心さんて言うんだ。 ……其処の、(と、悪魔の腕の中、揺れる身体を固定させようと、廻した手に少し力を込め、反対の手で指差さんと、首無しの死骸。) …ひと、の。主人に、あたしと一緒に、雇って貰ってる…はず。 (はず、と言うのは、以後彼と会っていないからで、詳細決定は自分に依然不明のまま。紹介までなのだし、傭兵風情は。) (頬を離せば、うん、と頷き、ふと嬉しそうに小首を傾げるか。) あぁ、そうだ! グレイブさんも此処で仕事を探すといいよ。此の国には立派なお墓があるし…、若しかしたら雇ってくれるかも知れない。 (この国の死は荘厳な意味合いらしいので、流れの傭兵を雇用して貰えるか否かは不明で、かも知れない、としか言えない不確かさが哀しいが。) ね、グレイブさん。今夜の宿はあるの? あたしの泊まっている宿に来なよ。 ね? 今日は一緒に寝よう?昔みたいに! [Tue 16 Jan 2007 04:39:59]
◆グレイブ > (なぜならば。おおよそこの世全ての最下層であろう悪魔だから。何も蔑まず、何も拒まない。相手が此方を拒絶しない限り。思いを向けてくれる限り。そして、それから悪魔の個人的な理由。娘を好ましいと思っているから。何が正しいとか、間違っているとか、そんな事は悪魔にはわからない。だから、在りの侭の娘が好きだ。問われれば、そう嗤って言うだろう。はっきりと。言い切るのだ)……そうかァ……やっぱ、俺がいなくなったのも、あったか。謝っても、足りんだろうが(だからこそ、その償いを。赦しを得て。救われたから。今まで離れていた分、傷つけてしまった分を、これから先、癒せればと、そう思う。共にいようと、そう決めた。ゆらり、ゆらり。もう大丈夫だと、そう告げるように。膝の上の少女を抱き、そして揺らす)ただ、まあ……他の連中も、そうかもしれんが。『嫌いだから』いなくなったわけじゃあ、無いと思うぜ? 少なくとも、俺ァ違うし……多分、他の連中も、な。 じゃあ何で、って聞かれると困るが――(そして、その結果娘が受けた孤独も、決して軽くはならなかっただろうけれど。こうして告げることは、慰めになるだろうか。悪魔には、わからなかった)そうか? なら、俺もここにいるとするかね。アングリマーラも初めてだ。色々と、面白いこともありそうだしな(彼女がここを離れるまで、自ら離れることはない。そういえば噂では、吸血鬼が逃げ込んできたとか。面白そうだ。そう思って嗤えば――うん、と告げられた言葉に首を傾げた)さあ、俺はソイツと逢ったことが無いから、危娘の為かどうかは、本当かどうかも、わかんねぇがな。だからって『騙そうとしてる』って言ってるわけじゃねェぞ? 逢ってみないとわからない。――良いね、楽しみだ。面白そうなことが増えた(実に楽しそうに、嗤う。頬ずりされれば、頷いてみせよう。大丈夫だと)ああ。――何処かに行くときは、危娘と一緒だ。置いて行きャしないさ [Tue 16 Jan 2007 04:17:45]
◆危娘@城下町 > (彼は拒まない。彼は蔑まない。脆弱な心も、黄昏に惹かれる想いも。死に恋焦がれる現在でさえ。 彼の言葉を得て、「大事」な人の言葉を得て、娘は少し落ち着いてすん、と鼻を鳴らして、廻した腕を手前に引き寄せ、まだ残る涙の名残りを拭く。あっさりしていて、何だか説得力のある答え。 そっかなあ、とこくこく頷く。彼が言うなら、むきに否定しはしない。だいじな人以外に何を想われ、何を考えられても歯牙にも止めないが、逆なら別だ。愛している人々の言葉が絶対。評価が絶対。この決定は覆らない。覆す気が無いからだ。) ……本当に、怖かった……。グレイブさんが居なくなって。ラフマンさんも(愛し、愛された吸血鬼。)ソウキさんも(愛し、愛された堕天使。)消えて。居なくなって。探しても、探しても居なくて。 ……あたしがとても、とても醜く変貌してしまったせいだと思った。…あのひとたちが嫌いな、太陽を浴びているから。 (ぽつ、ぽつ、と妄執のように呟く記憶。離しながら顔が僅かに歪むのは、当時の痛み、激痛、魂の孤独感を思い出して。漉かれる髪、漉いてくれる指に身を預けんと。目を閉じるか。ゆりかごのように揺らされる身体。心地良い。) ………海、か……。 あたし、は、もう少し…、アングリマーラに居たい、かな……。此処は時間が、あんまり早く流れない気がする、し……、 あぁ、そうだ――。 (は、として、少し腕を離すか。悪魔の顔を正面から見つめんと。) ついこの前、新しい連れが出来たんだった。――グレイブさんにも紹介しないと。 ……あたしの為…なのかな…? か、どうか、まだ良くわかんないけど、凄く必死になって沢山のこと、話してくれた人。 ……一緒に居てくれるって言ったけど。……それが本当か、解らなくて。 (笑う悪魔に、頼りなげな顔、寄せて。最期まで一緒とこくり頷き。) …… もう、何処へも行かないでね? (呟いて。冷たい頬に頬擦りを。) [Tue 16 Jan 2007 04:06:32]
◆グレイブ > (そう。悪魔は未だ知らない。『死』。『殺す』ことは知っていても。何かが失われる。誰かがいなくなる。それが如何なる感情を呼び覚ますのか、知らないのだ。そう言った意味で、悪魔は無垢だ。それが邪悪なのだと言う者もいるだろうが。 太陽の世界。暗闇の世界。そんな差は、彼には無かった。面白いものがあるかどうか。それだけ。ああ、そういう意味ではこの世は素晴らしい。見るもの全てが、面白いのだから。変わらない。そういわれれば、そうか?と首を傾げた)危娘も同じだろうになあ――いや、少しは変わったがな。真ん中は変わってないだろう、多分(寂しがり屋で、不安で、それでも何とか前に進んでいた娘。それを醜いと呼べるだろうか? そんな莫迦な。 悪魔は嗤いながら、その綺麗な黒髪を指で梳いた)出たくないってんなら、無理に出る必要は無いんじゃねぇか? 面白いモノもあるだろうが、無理して見に行ってもつまらんだろ(あっさりと。娘の悩みに答えを出す。無論、悪魔とて喰わず嫌いはどうかと思う。だが、かつて彼女は――というより人間は、日差しの中で暮らす生き物だ。それが太陽が嫌い、と。そういうのならば、理由があるのだろう。そう思えばあっさりと。膝の上の貴女を、あやすように揺らしながら、うーん、と少し真剣に考える)そうだなあ。俺ァ戦争ってのは、やったこと無いから面白いかもしれんな。墓参りも、してる奴ァ良く見たが、やったことはないし。――あとは、まだヴェイトスでも行った事無ェ場所は多いからなあ。ティアンは一度行ったか、そういや。でも、海にゃあまだ行ってないしなあ。泳ぐのって面白いんじゃないか?(殺伐とした返答であれ、娘に対して応えるのは、こんな言葉だった。悪魔にとっては何も変わらない。価値観は面白いか否か。戦争も、海水浴も、そして恐らくは未だ知らぬ『死』すらも、同列に語る。 擦り寄ってくる娘。悪魔は外套の内側。カカ、と嗤ってみせた)きっと一緒に死のうね、ってのも字面で見ると物騒だがなぁ。――大丈夫だ。最期まで一緒だ。んなら、寂しくないだろう? [Tue 16 Jan 2007 03:49:30]
◆危娘@城下町 > (蒼い瞳の悪魔には計り知れない出来事もままあるかも知れない。愛したひとが、愛されたひとが、何時の間にか、何時の間にか居なくなってしまった。死んでしまった、消えてしまった。この世界から居なくなってしまった衝撃。もう何処を探しても居ないひとびと。常世に彼らが居るのならば、行きたい、会いたい。愛したい! 暗闇を、黄昏を愛するこころは、更に深く。刻まれる暗黒。今は、黒いものが――先日邂逅した侍が太陽の世界に導いてくれるのに対して、こんなに――何より娘安堵と安寧。今は、兎に角。貴方だってきっと解る。解る。――あの頃には知らなかった感情。「愉悦」が今はある。「恍惚」も「陶感」も。夜のおかげで。闇のおかげで。) ………変わんない、ね………、グレイブさんは。 (撫で続ける感触と冷たい温度。ふと哀しく笑った表情、少し俯く。長い髪が頬から垂れて、面差しを隠すような姿勢。陰影深く。) ……あたしは、とても――、きっと、とても。変わってしまったのに………。 もっと、あの頃より、(愛してくれていたころより。)(きゅ、と唇を噛む。俯く動作が深くなる。) ……醜い。 ……太陽の下へでたくない、くらい。 (首に廻す腕。姿勢を変えて距離が近くなるか。密着してもお互いに、きっと温みの少ない体温。申し訳無く思わないわけでは無いけれど。 膝の上、落ち着いて、顔を改めて覗き込もうと。) ………――面白い、こと? ……えっ、と、………戦争? それとも、墓参り? (殺伐とした応答を、きょとんとした童女の表情で、間近から。これが娘の今の安寧。安らぎの行動だから。こくん、と首を傾げる。 それから知るのは、最期の台詞。) …………あぁ……、 (きゅ、と腕に込める力。顔を近付けて、その頬に、頬を寄せようと。親鳥に寄り添う雛鳥の姿勢。) ……良かった……! きっと一緒に死のうね…! 一緒に居ようね! [Tue 16 Jan 2007 03:38:21]
◆グレイブ > (悪魔が、その笑い声が、何も変わらなかったのに対して。目の前の娘は、随分変わってしまったように思う。いや、本質は、芯は変わっていなかったとしても、周りが磨り減って、磨耗してしまったように。――その一因は、自分にもある。くしゃり、犬猫のようと娘は思うかもしれないが、大切な存在を優しく、撫でた)まるで、じゃないだろうが。少なくとも俺よりは強いだろ、今の危娘は――こんな事なら、サボってるんじゃなかったな(カカ、と嗤う。誉める。認める。躊躇無く。だってそうだろう? こうしてすり減らしながら、彼女は頑張ったのだ。それを認めてやらず、なにを認めるというんだ。悪魔にはわからない。伸ばされた腕。彼女が抱きつこうとしているのはわかったから、その腰に腕を回して、此方からも抱き寄せよう。可能なら、腰を下ろした己の膝の上へ。座らせるようにできれば、より間近になるだろうか。夜の街。お世辞にも治安が良いといえないここならば、誰も二人を見る存在はないだろう。拒むはずがない。むしろ、此方から求めるように)………優しい、ね(狂気、だろうか。悪魔にはわからない。だが、わからないなりに。血色の失せた体躯の少女の言葉。聞き逃すまいと、悪魔は思う)俺は、今ン所『死』については、よく知らん。……いや、殺しはしたがね。だから『死』を面白いたぁ、思ったことはないんだが(よく知らない存在を、面白いとは思えない。だが、より良く知れれば、と思ったことはある)まあ――『死』は、最後の最後に取っとこうぜ? もっと面白いことをやってからのが、少しは得だ(そういって悪魔は嗤うだろう。決して、彼女の言葉を拒否したわけではない。伝わるだろうか。最期は一緒だと。そう告げたのが) [Tue 16 Jan 2007 03:24:09]
◆危娘@城下町 > (耳の奥、まるで子守唄のように聞いていた笑い声。あの街の墓守小屋には、今は別の誰かが住んでいるのだろうけれど。あの追憶の小屋で一時過ごした夜、彼は良く笑っていた。こんな風に。一年の間がその癖のある声だけで埋まって行きそうだ。彼は変わらない。愛しい、だいじだと思ったあの日のまま。あの声のまま。) ………ありが、と………。グレイブさん、に、そう言って貰えると、うれしい。 ……まるで、あたし、強いひと、みたいだ。 (こんなに脆弱な己なのに。傭兵にあるまじき愚武者なのに。撫ぜ続けられる頭に自分が犬猫になったような気分を覚える。 泣いたり、意地を張ったり、拒絶したり、そんなことが人生の仕事のような自分。犬猫のように愛らしくなんか無いけれど、彼は撫ぜてくれる。褒めてくれる。こんな自分を認めてくれる。) (幸福感。――満たされる。間近で彼の顔を覗き込み、思い切って腕を首に廻そうと試みるか。きゅう、と抱き付く姿勢。低い低い体温で。届かなくても、拒まれても。跳ね返されても、別にいい。) ………グレイブさん。 (はぁ、と温度の低い吐息。だいじで仕方が無いもののように擦り寄れるならば、耳元で。目を閉じる。呻くような、儚い、声。) ………死は、優しいよ。 ………あたしは、死を愛している……んだと、思う。………―――凄く、惹かれるんだ。「その世界」に。……あぁ―――……、 (恍惚の溜息。悪魔の冷たい頬を撫ぜようか。冷たい指、血の気の薄い唇で結ぶ、儚い笑み。出来れば間近で。黄昏色の愉悦を同じ色の瞳に込めて。) ………グレイブさん、と、一緒に、死が分かてたら………! [Tue 16 Jan 2007 03:13:39]
◆グレイブ > (それを愚か、と悪魔は言わないだろう。不器用だな、と嗤うかもしれないが。だがしかし、悪魔が何かを嫌うということはない。この娘ならば、なおさらだ。置いて行った。そう彼女は思ったかもしれない。或いは、捨てられたと。決して、そうではないのだ。悪魔は求める。悪魔は捨てない。なら、これで帳尻が合うじゃないかと、そう言って嗤うだろう。あの、掠れた声で)(そして掠れ声の彼女。大丈夫かと、気遣うように、背を優しく撫ぜる。頑張ってなんかいない。そういうが、笑いながら、首を横に振った)でもな、さっきの鞭――速かったぜ? そんだけ、頑張ってきたってことじゃあないか(だから俺は誉めるのだと、悪魔は言い切った。くしゃり、と撫ぜる。彼女は自分で自分の事を誉めないだろう。ひょっとすれば、娘を誉めようとした人はいないのかもしれない。なればこそ、悪魔は彼女を誉めるのだ。こうして気弱で、泣きながら、それでも強く生きてきた彼女を)嘘はつかないさ――今度は、な。傍にいる。二人だし、寂しい思いはさせない、が――……殺して欲しい、ってのは、穏やかじゃないな(だが。彼は、嗤って、こう告げるのだ)それを、求めるんならな。――俺としちゃ、簡単に、死なれたくは無いんだ。離れたくないってなあ、言ったろう? [Tue 16 Jan 2007 03:00:58]
◆危娘@城下町 > (不安な癖に求めない。希望があるのに捨ててしまう。なのに一人前の欲しがりで、世界を嫌い、世界から嫌われる訳だ、と万人が納得するような愚かさで構築される娘だ。いつ彼に愛想を付かされても文句は言えまい。言えない。 だからこそ思う。自分で理解しているから、思う。今此処に居る間はせめて。彼がこの場所、この瞬間に存在する今はせめて。彼の全てを信じよう。甘えよう。頼ろう。その言葉、その意味を。そう考える。) (珍しく長く喋ったせいで、再び掠れる喉、砂塵の国の大気も手伝って、また少し咳き込む。悪魔から僅か顔を背け、青白い頬を向けた姿勢。けほけほと。) …………が、ばってなんか、無い、よ………。 (喉を小さく押さえ、視線を外したまま、ぽつり。髪を撫ぜられる振動に上下する頭。その間も視線は斜め下、外したまま。) (彼の言葉に、それがふっ、と見上げるか。蒼い蒼い、蒼い蒼いあの瞳をじっと見上げて。請うかのような姿勢。気弱な視線。くすん、ともう一度啜り上げて。) ………、本当に? ……ずっと傍に居る? ……あたしが寂しいとき、孤独なとき、………殺してほしいとき、傍に居て、くれる? [Tue 16 Jan 2007 02:54:30]
◆グレイブ > (だから。契約は、しない。まるで『契約しなければ傍にいれない』というような感もある。第二の機会を与えられたのだ。それこそ、全身全霊全魂魄をもって、その信頼に応えねばならない。悪魔による、悪魔なりの、彼女への返答の一つ。不安で仕方ない心中。寂しがり屋――と形容すべきかは、悪魔の語彙量ではわからないが――な娘のことだ。僅かの間離れても、不安なのだろうと、そう思う。しかし、それでも、悪魔は契約と言う選択肢を選ばない)………そ、か。まあ――そんな事も、ある、よなぁ(何に失敗したとか、墓参り――誰が死んだとか。そんな事は問わない。悪魔にも、一年があって。その間に――彼女ほど様々な何かがあったわけではないが、考えるところもあった。そして帰ってきて。こうして、彼女の言葉を聴いて、そうか、ともう一度頷いた)……お疲れさん、危娘。頑張ったよな、随分と(自虐めいた笑顔。それを吹き飛ばすかのように、悪魔は嗤う。カカ、と。娘が好きだと、以前言ってくれた、その笑い声。背を撫でていた手が一度離れ、くしゃり、と彼女の髪を撫でようと)(そして一瞬の躊躇。それに、と)……これからは、俺が傍にいる。何かあったら――助けてやれる。 [Tue 16 Jan 2007 02:44:08]
◆危娘@城下町 > (一度に複数の悪魔(または人外の何か)との契約を果たす事が出来るのか否かは解らないし、愛父は――彼も相変わらず冷たく気まぐれで、それこそ、もう。自分を覚えているやらいないやら不安で仕方が無いけれど――自分以外の悪魔との契約を好まない。言い出せたとて差し出すものが無いのだから、契約にもならないのだけれど。――けれど、そこはかとない喪失感への不安。また感じてしまう。目に見える契りが何も無い。彼と自分の間に確かなものが無いから、再び恐怖心に心揺らぐ日も近い、と心内で危うい未来予測。もし今度離れて――それが例え、次に出会うための布石だとしても――しまえば、手繰る絆が、その想われている自信が己に、無い。この後に及んで。) (緩められる力――以前より少しだけ弱くなったか、その腕力――、今更気付く、心遣いの声音。仕草。自分が知らない一年間に、彼の身の上にも何があったのだろう。気になるけれど。) …………う……、ん……。 (こく、と頷き、撫でられる背の腕の力にだけ、気を良くしたように、僅かに眉間の皺が減る。無表情が和らぐ。) (人は如何言うか解らないけれど、己には心地よい笑い声、耳にして。一度、彼の胸に額をくっつけ、また上げて顔を見上げんと。) うん――、あの、ね――…。 流れて来た、んだ。――ヴェイトスで、仕事失敗した…ってゆうのも、あるけれど――…、 (其処でふ、と沈む視線。もう怒ってはいないけれど、代わって表情に薄く浮かぶ、自虐。) ………何だか、――……あの街、に……、居たたまれなく、なっちゃって、さ……。 もう半年以上、外へ出たり、墓参りに行ったきり、街へ戻らなかったり、……もう、そんな生活。 (ひょい、と小さく肩を竦め、小さく笑う。) ……アングリマーラに来たのは、偶然っ…て言うか、ちょっと、ね……。 (ちょっと、をぼかして、ほんの少し笑う。儚い笑顔。) [Tue 16 Jan 2007 02:35:50]
◆グレイブ > (契約、その言葉を悪魔から言い出すことはしない。無論。娘が言い出したとして、それを悪魔は拒むまい。だが――それは、己を縛る言葉であると同時、娘と自分の関係をも縛る言葉だから。ただの「悪魔と人間」と。その関係に堕す言葉だから。そこに孤独は無いだろう。だが、それ以上は決して無いのだ。離れない。忘れていなかった。もう一度告げる。本当に、面白い。こうして、娘と出会えて、共に歩むことができて、別れて、再び出会って、また共に行けるのだ。こんなに。否、これ以上に面白いことは、存在しない)……っと、悪ィな。 大丈夫、か?(慌てて、その苦しげな様子に腕の力を緩める。そう、娘は未だに華奢なのだった。目に見えて動きは良くなっているものの、己の力では傷つけてしまう。緩めて。代わりに彼女の背を、優しく撫でようか。拗ねるような表情。見下ろすのは、蒼い瞳)……そうか。――ああ。二度は、裏切らない。(だから、と続けて、悪魔は嗤った。カカ、と。掠れた、以前と変わらぬ笑い声で。そして問うのは、今更といえば今更。娘が怒っても仕方ないかもしれない問い。それは理解していても、問わずにはいられなかった)――――何が、あったんだ、それで? [Tue 16 Jan 2007 02:20:47]
◆危娘@城下町 > (本当に、いっそ契約してしまえればいいのに、と思う。悪魔との絆。愛父と交わした項の刻印。契約さえしてしまえば、もう世界を分かつ事は無い。彼が自分から離れる事も無い。愛しい死の瞬間さえも、刹那を分かち合える事がきっと出来るのに。呪縛、束縛。彼が最も忌むもの。――自由奔放な悪魔に軽蔑されたくないから、言わない。それだけだ。代わりの言葉「離れない」。今は噛み締めるその単語。覚えていた、忘れていなかった。それが、愛しい、愛しい、離れ難い。二度と。彼の言葉に、くすん、と頷く。) う…、ん………、 (は、と、微かな吐息。抱きすくめられる力が強いなら、苦しげに。そお、と目を開けて、瞬きひとつ。「もう大丈夫だから」「平気だから」と言いたげに、廻した手を前面に挿し込み、少しだけ彼の胸を押そうと試みる一連の動き。) ……、ん……、ッ…、……苦しい、よ………、 ……グレイブさん、……、だいじょうぶ、解った……、悔しいけれど、信じて、あげる、から………、 (圧迫感に紅潮した頬、少しだけ拗ねるような表情。顔を見上げて。) [Tue 16 Jan 2007 02:12:46]
◆グレイブ > (離れない。離さない。それはまるで呪いのようであり、祝いのようであり。悪魔は娘を抱きしめる。やはり、この地に降り立ったばかりの頃。そして出会って。共に過ごして。自分は去った。それに対して、最早言い訳はできない。だが――と。それだけは事実なのだと。娘に告げたい。貴女に告げたい)忘れた訳じゃあ、無かったさ、俺も、な……ッ(埃に塗れた外套の匂い。それが娘に懐かしさを与えているかどうかは、悪魔にはわからない。だが、娘の暖かさは、悪魔にとって懐かしいものだった。泣きじゃくる娘に対して、カカ、と楽しげな嗤い。いささか、彼の抱擁は、少女に対して強いものであったかもしれない。だが。伝えたいのだ)忘れてはいないさ。俺は。危娘、アンタのことを忘れたから、いなくなったわけじゃあない――覚えてたさ。ずっと、ずっと、ずっと、な(それを伝えたい。嘘と罵られても構わない。だが、伝えたかった。それは真実だったから。このヴェイトスを去って。こうして戻ってくるまで。随分時間は経ったけれど。決して、貴女のことを忘れていたわけじゃあ、ないのだと)(きつく。きつく。けれど傷つけないように。抱きしめる) [Tue 16 Jan 2007 02:01:08]
◆危娘@城下町 > (泣きながら、叫びながら、聞き分けの無い子供のようにばかばかと繰り返し悪魔を詰りながら、心の何処か計り知れない感情が、すっと満ちるのを感じる。思う。 あぁ、もう大丈夫だ、と。もう平気だ、と。 例えば愛父が。愛兄が。親しい画家が、騎竜が誰か大事で堪らない誰かが、いつかまた、自分を忘れ去っても。自分の存在を消してしまっても――「その可能性」が怖ろしくて、忘れられるぐらいならば、夜と闇と、世界と同化して、己の個が無くなってしまえばいいと切実に願った日々の何て寂債!―― もう、彼が居る。彼が此処に居る。夜の冷気のよう、満たされる孤独感。安堵感。 前後して外套ごと包み込まれて抱き締められる感覚。ぼろぼろぼろぼろ。幼児のように泣きじゃくりながら、懐かしい香り、墓土の匂いの外套の胸に顔を埋めんと。決して離れまいとする、力。精一杯の。頼りなくて大嫌いな、己の腕を必死に伸ばし、その背中に廻してしがみ付こう。一人にしないで。独りにしないで。独りにしないで、独りにしないで。) ずっと、覚えてたッ………! (掠れ声。ずっと儚く。きつく目を瞑ろう。これが夢でもいい。覚めない夢なら。「殺されて」。あたし。) [Tue 16 Jan 2007 01:54:50]
◆グレイブ > (――娘の言葉が、悪魔を救う。二度目は。今度は。与えられた機会。与えられたのだ。赦しが。娘から。 カカ、と掠れた嗤い。 二度は無い。当たり前だ。無い。ありえない。そんな事をすれば、悪魔が自分を殺すだろう。 だから、その動きは発作的だった。 娘が男の外套を掴む。縋るように。否、離さないというように。ならば。悪魔は、反射的に、発作的に、その軽い体躯を抱きしめようとするだろう。 娘の頭と、背中。その小さな身体を、傷つけないようにしながら。抱きしめようとする。 ――離れないと)……ありがとう。――ああ、そうだ。ありがとうだ。 危娘、ありがとう……ッ(それは、本当に救いだった。こんな悪魔の身には余るほどの救い。成程、神とやらが信仰されるのもわかる気がした。信じて、信じて、信じ続けて。その果てに得るこの救い。赦し。……だが、と悪魔は神を嗤う。神なんぞよりも、この娘に与えられた、この言葉のほうが、どれほど素晴らしいだろう) [Tue 16 Jan 2007 01:42:47]
◆危娘@城下町 > (ひりつく喉。けほけほと弱々しく咳き込む。耳に届く懐かしい、懐かしい、懐かしい苦笑、密やかに。 握り締めすぎて、死骸の血を吸った地面の土ごと手の平に食んでいたせいで酷く強張る五指をのろのろ開く。傷付いた手の皮膚が彼の、己の心のようだ。ざらついて、痛む――。) (乱雑に撫でられる頭につれて揺れる視界。目の前の男を睨んで、睨んで。きゅう、と唇を噛み締める。許さない。許さない。許さないから。 今度、消えたら。) ………ぅーッ………、 (呻くようなしゃくり上げ、一つ。悔しそうに、寂しそうに。血泥に汚れた指で目尻を拭う。地面にきつく俯く光景に、映るのは濃緑色の外套の膝。 誘蛾灯の悪魔が膝を付く。「悪魔が」「人間に」。 その意味の深さを最早知らないわけでは無い。それでも、それでも――!! 馬鹿、許さない。今度離れたら、許さない!) (伸ばされる手の気配に、交差して。 ひし、と汚れた両手で貴方の胸に手を。その外套を掴まんと。胸に縋るでは無いけれど、服だけ掴む。そんな風情で。) ………、二度目は、ゆるさない、からッ……!! 今度は、ころしてあげる んだからッ……!! ばか、――グレイブさんの馬鹿ぁあああああ。 (語尾が消える。涙で夜が見えなくなる。神も悪魔も天使も運命も、今度彼を自分から引き離したら、世界中を許さない。許さない――。) [Tue 16 Jan 2007 01:35:38]
◆グレイブ > ……また、一緒にいさせちゃあ、くれないか?(ごめんなさい)俺は莫迦で、鈍い。――危娘。だから、傷つけちまって……(ごめんなさい)――……怒って、嫌って、信じられなくて、当然だ(ごめんなさい)それでも(ごめんなさい)……また、一緒にいさせちゃあ、くれないか?(ごめんなさい。悪魔は、生まれて初めて、誰かに許しを請うた) [Tue 16 Jan 2007 01:23:50]
◆グレイブ > ……だなあ。本当、俺は莫迦だ(カカ、と掠れた声。そうして笑うのは、彼女ではなく、己。こうにも思ってくれた人がいるのに、ふらりと消えた。払われた右手。振り払う娘。その二つを、以前と変わらぬ蒼い瞳で見つめよう。地についた両手。そして夜闇に響く、言葉。叫び声。その一語一語が、娘の味わった孤独を思い知らせる。否、それこそ傲慢か。悪魔は神ですら面白いと嗤うだろうが、目のまえの娘の、この感情に対してだけは嗤いを浮かべなかった。それだけの思いを向けられていたのに、いなくなった自分を、只管に嗤う)……そんな莫迦な俺だから、いなくなっちまった。ああ、信じられなくて、当然だよなあ(ざ、と娘の目前に、男も跪く。こんな行為は、生まれてこの方、一度もしたことはない。許しを請うのだ。目前の娘に。もう一度機会をくれと。貴女の失った信頼。それを取り戻す機会をくれと。また貴女の傍にいたいのだと。再び、伸ばされる手。拒まれるだろうと、そう思いながら。それでも伸ばすのだ。 くしゃくしゃと、不器用で、乱暴で、それでも大切にするような動きで、彼女の髪を撫でようと) [Tue 16 Jan 2007 01:20:19]
◆危娘@城下町 > ……ん、――で…、置いて、行、たんだ、よぉ――ッ………、 (命中した拳の感触。押し付けられる、冷たい頬。腕は、拳はすぐくたくたと降りるだろう。憎くて愛しい男の胸に置く代わりのようにして、地面に握りこぶしの両手を付く。まるで地面なら、夜の中の大地なら、自分を置いていくことも忘れることも無いと叫ぶように。) (くしゃくしゃと乱暴に撫でられる頭。あの頃を彷彿させて、背中の筋がぞお、と泡立つ。歓喜か、妄執か、堪え難い慕情が堰を切った衝動か。戦慄く感情。) (ぶる、と震えて、ばっと優しい手を振り払わんと。憎悪、愛情、烈火の激しさを込めて睨んでやる!) ばか、ばかばかばかばかばかばか! グレイブさんの馬鹿ッ!! な、何でいきなり居なくなった癖に! い、いきなり消えちゃったくせにッ!? そんな言葉、そんなの、も、もう――、もう信じないよッ!信じないッ!! (ばらばらと地面に落ちるのは、涙。切り裂くように睨む黒の両眼から、世界一愛しくて憎たらしい笑顔の死神へ。どれだけ心が引き裂かれたか、どれほど絶対孤独を感じたか。やがて、愛した人々がみな、誰もかも、どれほど愛しく思っていても、いつかどこかへ消えてしまうんだと思わずに居られなかったほどの絶望を思い知れ!愛した貴方!) [Tue 16 Jan 2007 01:13:16]
◆グレイブ > 置いて行くつもりは無かったし、置いて行きたいとも思って無ぇよ(痛み。ぐり、と此方から拳に頭を押し付けるようにしながら。文字通り、地の底から響くような。けれど優しい声で言おう。 そして続けるのだ。だが、と)――だが、置いて行っちまった。帰ってくるつもりだった、なんつってもな。置いて行っちまった。 こうして、帰ってきたかった。 でも――危娘、あんたを置いて行ったのは事実だ(だから)――怒って良いぜ。 ……その変わり、もう置いて行きャしない。(くしゃり、くしゃり。頭を撫でる) [Tue 16 Jan 2007 01:01:57]
◆グレイブ > (ミシィッと、鈍い打撃音。素早い拳を、回避することはできない。する気も無かった。力の無い一撃。外套に隠れた頬に減り込む其れ。痛みはあった。だが、悪魔はそれでも、くしゃり、と娘の髪を撫でる。カカ、という軋んだ声も、殴打されたままでは、いささかくぐもって聞こえただろうか。憎い。そう告げる瞳。滲んだ瞳。そして、切り裂くような叫び声。もっともだ、と思う。人の社会の道理は理解できねど、娘の心情は理解できる。それだけの付き合いを重ねた。重ねた上で、自分は置いて行った。――行った? 帰ってくるつもりだった。 何とも虫の良い台詞だ。つもり、だ。来れるかどうかは、わからなかった。くしゃくしゃと、不器用な手つき。娘の髪を撫でよう) [Tue 16 Jan 2007 00:59:29]
◆危娘@城下町 > 何で置いて行ったの!!何で置いて行ったの!!何で置いて行ったの!!何で置いて行ったの!!何で置いて行ったの!!何で置いて行ったの!!何で置いて行ったの!!何で置いて行ったの!!何で置いて行ったの!!何で置いて行ったの!!何で置いて行ったの!! [Tue 16 Jan 2007 00:56:41]
◆危娘@城下町 > (濃緑色の外套。独特の輪郭を描く得物。軋むような笑い声。蒼い、瞳。蒼い、蒼い、蒼い――。いつか誘蛾灯に誘われる虫のように、ふらりと頼みにした男。――あんなに頼みにしたのに、自分を置いて、自分を忘れたかのように 置いて 消えた男!) (近付く腕。懐かしい笑い声。対して娘の瞳は切れ長の面影を残してざぁ、と極限まで見開かれた。――愛憎の形に。) ……………今更、何、だ…………。 (わなわなと、声が震える。掠れた声。かすれるこえ。肩も手も、黒い黒い両瞳も。逃げるでは無いから、容易く触れることが可能だろう、黒髪もまた、痙攣して。 くう、と盛り上がる雫を溜めて。憎い憎い、憎い憎い憎い、愛した男をはったと睨んで。) 何が、久しぶり、だ、よ………。 ……――何がッ……!! (ひら、と手が翻され、平手――では無い、拳で、悪魔の端整な顔の頬を殴り付けようとするだろう。最も力はか弱いけれど。 出会った頃のように。同じに。) [Tue 16 Jan 2007 00:54:23]
◆グレイブ > ……よぉ。しっかし――少し、じゃないか、結構、見ない間に、まあ――(恐らく、娘の記憶の中の男と、目前の男とは完全にイコールで結ばれるだろう。それに対して、この少女。苦労したのだろうか。したのだろう。先ほどの鞭の動きは、以前より遥かに切れを増している。そして渇いた、乾いた、声。ふ、と。躊躇無く手が伸びた。以前も、何度かこの悪魔がした動き。神が全知全能ならば、悪魔は荒唐無稽な存在だと、そう語ったのは如何なる文豪だったか。神が常に其処に在るのならば、悪魔は神出鬼没。幻のように現れ、消え。そして消え、現れる。伸ばした手は、少女の黒髪を撫でようと、動くだろう。拒むのも、受け入れるのも、容易い動き。今の、彼女になら)――久しぶりだな。……帰ってきたぜ、俺は(カカ、と懐かしい笑い声を、あげた) [Tue 16 Jan 2007 00:44:50]
◆危娘@城下町 > グレイブ、さ………、ん……………? (嘘だ。幻だ。幻影だ、夢だ、影だ。此処にいるはずなんか無い。もう一度会えるはずなんか無い。 居なくなった大事なひと。) [Tue 16 Jan 2007 00:41:48]
◆危娘@城下町 > (屈められる身体。長身。蒼い光。蒼い、蒼い。誘蛾灯の蒼。 癖のある笑い声。――けぶる記憶。 訝しげに瞳を眇め、迫る身体を實、と睨む。誰だ。何だこの――男。じり、としゃがんだまま、半歩下がる。警戒をしたまま。) (けれど近付く影。近付く影。近付く、蒼。 青白い頬の娘は睨んで、睨んで、睨んで―――、ふ、と瞬きした。記憶の底。最早どろどろと原型を止めぬような。ヴェイトスへ来たばかりの頃の自分の追憶。―――蒼い瞳。 一目で心を捕まれた、あの瞳、ひかり。――……か、と目を見開く。鞭から手を離す。屈む影、呼ばれた名前。逃げずに、一声。) ………、グレイ、ブ……、さ………―――――? (それはそれは、水気の無い。乾いた声で。あの頃よりもっと。) [Tue 16 Jan 2007 00:39:25]
◆グレイブ > (一抹の寂しさ、というのを覚える。なるほど、定命の者との差というわけか。享楽的な存在である自分には良くわからず、意識もしなかったが。『忘却される』というのは、酷く寂しいものだと、悪魔は初めて知った。その事実が面白い。只管に。カカ、とやはり軋むような笑い声は変わらず、向けられた殺意と威嚇、鞭、そして振るった少女へと声を向ける)忘れられるってェのも、面白いな、本当に。――生憎と、敵じゃあ、無いな(ス、と音も無く身がかがめられる。長身痩躯のその影は、以前と変わらぬ声で、彼女へと声をかけるだろう。――そう、この娘の警戒心が強いことは知っているから。だから、悪魔にしては優しげな。人にしては恐ろしい。掠れた、奇妙な声で)だが、それにしたってなァ――『相棒』を、忘れるなよな、危娘?(蒼い瞳が、嬉しそうに細められた) [Tue 16 Jan 2007 00:29:37]
◆危娘@城下町 > (死の気配を、香りを満喫しようと、既に饐えた匂いを発し始めた生首の頬へ自分のそれを寄せた時、突如降る声音。 娘の表情が一変する。強張った無表情で、見開く瞳は隧道色の殺意。右手で首を放ると同時、左手で鞭を引き抜き掛ける。――前方、つまり声の聞こえた方角の情景なんか見ていなかった。こんな場所、こんな状況。――居るならば、常人じゃない。あっちへ、行け――、) (――何処かで、聞いたような、 声だと、思った気は、理性の底で、したけれど――。) …………ッ! (き、と顔を上げざま、ばしん、と「その人影」の足元に鞭を叩きつけるだろう。威嚇にしてたっぷりの殺意を塗して。) ――誰? [Tue 16 Jan 2007 00:24:25]
◆グレイブ > ――……死体なら、抱きしめるより、埋めないといけないんじゃねぇのか?(カカ、と――喉の奥からの、軋むような笑い声。少女は、この娘は覚えているだろうか。こうして死体を扱う、独りの男のことを。彼女が恍惚から目を閉じていた瞳を開けば、其処には緑の外套の影が立っている。大きな、円匙を片手に。そう、死体の始末は、彼の仕事だった。 蒼く煌く瞳で、少女へと声をかける。 軋んだ、声で) [Tue 16 Jan 2007 00:18:50]
お知らせ > _さんが入室されました。 [Tue 16 Jan 2007 00:10:41]
◆危娘@城下町 > (既に撤収を始めた仲間達に背を向けて、藍色外套はのろのろ死骸へ歩み寄る。咎める者は無い。死体の始末も仕事の一環である。――特にそれを「好む」者が居るならば尚の事。) (ゆら、ゆら、と重量感に乏しい足取り。よろめくにも似て、幽鬼の風情。 うつぶせの身体を通り過ぎ、血の糸を引く生首へ近付いて、くたり、しゃがみ込む。) (甘い、柔らかい、鉄錆の香。燻揺る。 自分の頬が微かに、だがはっきりと紅潮するのが理解できた。ぎくしゃくの動きで両手を伸ばし、引き千切った首を抱き寄せる。抱き締める。――禿げかかった縮れ髪。垢じみた肌。死の間際に流しただろう脂汗も、己の外套の胸に吸い取られて消えて行く。吸収する死。――何て優しい代物。) ―――――ん……、―――ッ―――……、 (ぎゅう、と力を込めると、切断された首の肉の崩れる感触。恍惚に目を閉じる。) [Tue 16 Jan 2007 00:07:36]
◆危娘@城下町 > (「――行くぞ」) (ふと声を掛けられて、蜻蛉のような動作で振り返る。路地の先、開けた場所で一際黒々を増す人影――傭兵仲間が呼んでいる。 ――この異国の夜は、濃い。ヴェイトスで見たような、夜半までこうこうと続く黄色と赤の光達が無い。浅黒い肌の背の高い異人達は夜に慄き、夜に生命の危機の淵を見る。――妖魔とやらの異形のせいか。そんな魍魎の仕業以外にも、夜に消える命もあるのに。) (この、足元の男のように。――かつて主人の下働きを努めていた者らしい。切り裂かれたガーラベーヤに染みた色と同色の赤が剥き出しの地面を染めていた。 液体の主の目線は、更に数m先に存在した。 ぽっかりと哀しげに見開かれた瞳は、濁る。――首を飛ばしたのは、己の鞭だった。何でも宝石だか装飾品だかを一つ、二つ、盗んだらしい。 彼は奴隷だった。――「このぐらい」で、死は容易く顎を開くのだと。主人は苦笑して、喉の下で指を引いていた。――死の合図を、己を執行人として。) [Mon 15 Jan 2007 23:55:55]
◆危娘@城下町 > (――燻揺る鉄錆の香。石畳と夜の匂い混じりに、外套の裾から、擦り切れた袖から、皮膚の薄い横顔から呼吸のつど。肺へ、四肢へ、脳髄の奥へ吸着して行く気がしている。――異国の裏路地の夜は、今日も深い。胸が満ちるほど。) (フードを取り払った姿勢は、ぼう、と真上空を見上げる喉反らし。傭兵らしからぬ急所を晒すかの無防備。蒼白の頬が「くう、」と振り向くと、深淵の色の両眼の先、瀟洒で巨大な建物の、玉葱型の屋根が見える。――宮殿だ。この国の皇とやらは、ああいう場所に住んでいるのやも知れぬ。――死が彼と現世を分かつまで。) (かくり、と首が傾く。側面の髪が紗の様に頬へ掛かり、娘の若い顔立ちを半分隠し、周囲の闇色と同化させる。) [Mon 15 Jan 2007 23:42:51]
お知らせ > 危娘@城下町さんが入室されました。 『(―濃密。)』 [Mon 15 Jan 2007 23:33:02]
お知らせ > 危娘@城下町さんが帰りました。 『(両手で顔を覆う。太陽を教えようとしてくれた人のイメージを消そうと努力した。)』 [Sun 14 Jan 2007 23:38:27]
◆危娘@城下町 > (こんなにも世界には何も無い。完全に光が無くなれば、あたしと世界の継ぎ目も無くなるのに。) [Sun 14 Jan 2007 23:37:50]
◆危娘@城下町 > たいよう なんか、なくなってしまえばいいのに―――、 [Sun 14 Jan 2007 23:35:36]
◆危娘@城下町 > (脊髄に走る冷気。背を起こし、襟元を掻き合わせて発作に掛かったように左右を見回した。 黒いパノラマ。 360°の異郷に懐かしさは無く、頼みの闇は他の雑多な無機物を包んで他人顔で漂っている。 何も無い。誰も居ない。 何も。) (突如、妄執のような孤独感が薄い喉へ競り上がって来た。 寂しい、と。自分の中で誰かが叫んだ。 ――独りぼっちに耐えられる? と。) (心臓が一回りの幅で収縮する気がした。汗が冷たい。黄昏色の瞳がすう、と色を無くして行く。どくんどくん。血潮の音がやかましいヴィジョン。目をきつく瞑った。左胸に手を当てた。) ―――………、あぁ―――、 (ぐらり。 足元が溶ける。) [Sun 14 Jan 2007 23:34:14]
◆危娘@城下町 > (――がしゃん。) (耳の遠くで解りやすい音がして、たちまち世界が安定した。落ちかけた瞼をはっと開き、反射で腰の鞭を引き抜く形に握り締める。もう一度瞬きすると映像はもっと明確になり、音の正体は、黒猫が積み上がった木箱の上の素焼きの壷を倒したせいだと知れる。 ――「にゃおん」。楕円形の軌跡で住居通りの奥へ消える。 は、と呻くように息を付き、再び元の姿勢で背中を預けた。 異国の夜が天から見下ろす。再び満ちる安堵感と共に、―――不意に襲う困惑。 「このままでいいのか」、と。問いかけられた言葉が今更脳の奥から肥大してくる。) [Sun 14 Jan 2007 23:21:57]
◆危娘@城下町 > (生白の喉の皮膚は、薄い。其処へ月光を当てると、体内に蓄積されて浸透していく気がしている。隅々まで黄昏が染み渡るような感覚、虚ろに。夜と、闇と、同系色の自分になる。個々の感情も、想いも、不安も恐怖も胡乱さも存在の確かさをどろどろに溶かして、自分が世界から抹殺されていく安堵感に満ちていく。) (これだ。――これこそが、月の恩恵に他ならないのだろうに。酷くだるい身体。満ちていく夜の気配。背後の気配も、世界のイメージも遠のいて行く。足元が揺れる。) (ぐら、り。ゆらり――、) [Sun 14 Jan 2007 23:07:53]
◆危娘@城下町 > ………何を、揺れて居る、のか、な…………―――。 もう―――…、 (紡ぐ唇に似た風情に、水気の無い声音で呟き、ぽつり。 「いきている」人の事を考えるのは、随分と久方ぶりな気がしている。思っているのは、昨晩邂逅を果たした明朗快活な流れ侍。襤褸切同然、髭も髪も伸ばし放題、乞食のような身なりで、その上猫を乗っけて登場と言う胡散臭さぶりを遺憾無く発揮しておいた癖に、説く事は妙に道徳的だから困る。) (たいようの世界になんか、連れて行ってくれようとしなくていいのに。きっと同情なのに。) (なのに、心揺れる自分が居る。――自分の心が一番解らない。困る。) (ぐらり、と喉がのけぞり、白い首が月明かりの下に露になった。重たいフードがばさりと落ち、現れた青白い面差しに月光が溜まって行く。淀んだ清らかなイメージ、目をく、と閉じる。恍惚のように。) [Sun 14 Jan 2007 22:55:58]
◆危娘@城下町 > (せな越しの室内では、主人と客とが商談を進めている筈である。油の輸出がどうだの、胡椒の値段がどうだの、相も変わらず聞き取り悪い言葉で理解し難い話をしている。 室内の四隅に設けられた香炉の香りと共闘されて、数分と持たず外へ出た。異国の香りでも、大気のほうがずっといい。暗がりの質が違う。街中とは言え、空の下に有機的な気配は薄い。) (フードの下に手を差し込み、額に浮いた雫と張り付いた前髪を手で払った。でこぼこの十字傷の感触に触れ、ぶる、と猫のように身震いした。 汗が冷たい。 ――冬半ばのこの季節に、寒さと言うものを知らぬかのような、この国の中でさえ。) [Sun 14 Jan 2007 22:42:08]
◆危娘@城下町 > (虚ろな声。恍惚に似る朧げさで頭上の月を見上げてぼう、と呟くのは、ドーム型の住居の壁にもたれた闇と同色の藍色外套。月光を受けるフードから覗く青白い頬の下半分に、血の気は、儚い。仄見える薄い唇もまた同様で、水気に乏しい。 自らの持つデコラティブのエネルギーに彩られて、藍色の影は一層生気を無くして見える。更にフードの奥の、対になった隧道色の両眼以外は。) (ほう、とゆるゆる吐息を付き、ぐったりと壁に体重を預けた。夜は物陰を這う軟体生物のようにのろのろと長い。安堵と同時、罪悪感のような倦怠が押し寄せる。外套の襟を深く立てた。) [Sun 14 Jan 2007 22:30:36]
◆危娘@城下町 > 晴れて、る―――…、………。 [Sun 14 Jan 2007 22:21:22]
お知らせ > 危娘@城下町さんが来ました。 『(メインストリートの一端。)』 [Sun 14 Jan 2007 22:20:43]
お知らせ > マドゥーさんが退室されました。 『軽い疲れを覚えつつ、自室へ戻った。』 [Sun 14 Jan 2007 13:20:14]
◆マドゥー > …なれば…場所を移すか?あちらに……(わずかに声を潜め、呟くように言う。今現在の、人間用の居住区ではなく、残り約半数……ステアと同じ、妖魔の住まう区域…。)本人が望むなら、妖魔区の部屋を一つ空けてやって欲しい。(文官は承知すると、そのまま踵を返す。もっともそれはそれで何かありそうではあった。数日に一回の食料の配給を受けるステア……今度はそれが不公平だと言い出す連中が居るに決まっているのだ。) [Sun 14 Jan 2007 13:18:42]
◆マドゥー > “吸血鬼……という事実ではなく、どこの馬の骨とも分からぬ犯罪者をクシャトリアと同列に扱うのが我慢ならぬようです…。”(文官の言葉に、そういうことか、と思わず納得する。ステアは本来ならばスードラ(奴隷)にも劣る犯罪者であるというわけだ。カーストが根強いこの地において、王の意向が未だ無くば、その認識は仕方のないことなのだろう。) [Sun 14 Jan 2007 13:09:36]
◆マドゥー > (いつものことであるが、王の考えを読み通すことは自分には到底無理なようだ。今までどおり、と言うなれば従うしかあるまい。早足で、通路を進んでゆけば…)“マドゥー師”(不意に呼び止められた。見れば、口ひげを蓄えた文官の一人が腰を折り礼をした。こちらも向かい合えば、礼を返す。)“例の吸血鬼……どうも周囲より苦情が出ておりまして…”(文官の言葉におもわず眉をひそめる。徴用されている軍人や文官の約半数が妖魔や怪物の類であるというこのマウーラ城で、今更吸血鬼の一人が何だというのか?) [Sun 14 Jan 2007 13:02:07]
◆マドゥー > (次いで告げられたのは、“命があるまで武術指南でもしつつ休め”との事。給料もこれまでどおり支給されると……つまりはまったくのお咎めなし。何故?)………(理由として考えられる事…、一つは大臣直属の自分に対し、王は何も期待していないと言うこと。もう一つは、自分がやってきたこと…ヴェイトスでの騒動、ステアの独断での亡命幇助が、王の意のままであったということ。後者であったなら……王は意図して、密偵向きでない自分をヴェイトス市に送り込んだとでも言うのだろうか…?) [Sun 14 Jan 2007 12:51:18]
◆マドゥー > ……(戸惑いを隠せぬ表情で謁見室を後にする。厳罰覚悟で訪れた王の御前、魔界調査以降のヴェイトス市の動向、そして吸血鬼ステアについて、事細かに報告した。王はいつもながら、笑みを貼り付けつつ、適当な相槌を打ち……“ご苦労だった、サンナ・マドゥー”との言葉を口にした。一瞬あっけにとられていると、“ヴェイトスへの潜入はしばし控えてよい。お前にはこれまでどおり良い働きをしてもらわねばならぬからな?”と。ステアに関連する騒動、大聖堂との問題などについては一切触れられなかった。)……何を考えて… [Sun 14 Jan 2007 12:42:08]
お知らせ > マドゥーさんが来ました。 『背後で静かに謁見室の扉が閉じた。』 [Sun 14 Jan 2007 12:07:10]
お知らせ > 一心さんが帰りました。 『(道場に帰ったらまずは怒られるだろうな、と青年はふと思った。でも、なによりも先に飯!)』 [Sun 14 Jan 2007 05:33:21]
お知らせ > 危娘@城下町さんが退室されました。 『(共に雇用して貰えるように取り計らって貰うつもり。飯はその後だ…!)』 [Sun 14 Jan 2007 05:28:48]
◆一心 > ( これからどのような道に進むかはお互い次第。未来のことなど心配しすぎていてはなにも進まない。だから笑って歩いていこうと、青年は思う ) はははは。すまんの。腹はどうしたって正直者で ( ご飯には困らないから、と腕を引く少女。 ・・・・この少女は気づいているのだろうか。既に、貴女は自然に笑っているのだ。 ) おお。それはうれしいな。もう腹が減って腹が減って虫が死にそうでな ( 笑い、少女と一緒に店内へと向かう ) [Sun 14 Jan 2007 05:25:56]
お知らせ > 一心さんが来ました。 [Sun 14 Jan 2007 05:25:52]
◆危娘@城下町 > …………うん。 (くすん、としゃくり上げ、涙の名残りを振り払うと、暫定相棒となった青年――その言葉を信じるも、信じないも、これも己次第なのだろうけど――の腹が鳴れば、一瞬きょとん。次いでおず、と笑い、腕をくいくい、と引くか。) ごめ、御飯。ずっとお預けだったね。 ……いこ。今の殿(藍色娘は雇用主をこう呼ぶ。)に紹介してあげる。 ごはんいは困らない、から。 (と、好機と不審の視線の中、改めて彼を伴って店内を行くだろうか。) [Sun 14 Jan 2007 05:16:43]
◆一心 > ( 両手で握られる手。青年は楽しそうに、ともすれば可笑しそうにその光景を眺めていた。 ) ゆっくりとな。少しずつしていけばいいと、俺は思うよ。御主が自然に笑えるように、な ( おずおずと笑う少女の笑顔。青年は「笑えばきっと良いことがある」と小さく言って笑みを深くする ) ―――御主もな。少しずつで良いから、がんばっていこうな ( 見れば商人であったり同僚の傭兵であったり客であったり店員だったりの視線。気づけば青年は困ったような顔をした後 ) それにしても、 ( 笑い ) ・・・・腹が減ったのぉ ( 丁度いいタイミングで、腹の虫が悲鳴を上げた ) [Sun 14 Jan 2007 05:11:11]
◆危娘@城下町 > (猫と言えば、幾度と無く人馴れのしない猫に似ている、と言われた自分だけど。それでも喉を優しく撫でられれば、懐かない事も無いのも猫の常。) (しっかりと繋がれた手。伝わる体温を静かに、まじまじと見下ろして。長い時間見下ろして。おずおずともう一方の手を載せるだろう。青年の手の体温を探るように、硬い筋に沿って、指でなぞるみたいに。) ……太陽を、好きになることは無い…、と、思うけれど……。 (きゅう、とそっとそっと、握り帰す手。ぎこちなく。 もしも。もしも陽の当たる場所に恋焦がれるような、そんな恋が出来るなら。死の代わりに、太陽に恋が出来るなら。) (伏せた視線を、そっと持ち上げる。まだ青白い。まだ体温は低い。瞳の闇は深い。けれど。) ………、嫌いに、ならないようには、出来るかも、知れない。 ……と、思い、たい。 ……全てが、終わる前に。……そんな風に、思うようになった、あたしを、知ってみたい。 ……かも、知れな、い。 …まだ、解らないけれど。 (つい、と首を振り、白い頬を露にする。伸びる手から、今度は逃げない。触れるなら直前、てし、と手首に手を添える。おずおずと笑ってみよう。彼の笑顔に似せるかのように。) ………、あたしを、覚えていて、くれて、 …り、がと……、一心、さ……。 [Sun 14 Jan 2007 05:00:01]
◆一心 > ( 猫は好きだ。気まぐれだけどもたまに懐くから ) ( さておき ) ――――― ( 少女の言葉を、静かに青年は聞いた ) ―――わかった。御主が、今の御主がまだ望むなら太陽の下でも歩き、陽の当る世界で笑い、自然に笑うことができるようになろうて。 ( 握り返されるその手。人の気配。明らかに此方へと近づこうとする人間の気配である。仕事仲間だろうとは、彼は気づかない ) ―――後悔するのなら、今ではないだろう。後悔というのは、『全てが終わってからするもの』だからの ( 青年は笑う。放浪の末、顎鬚も伸び放題、髪も伸び放題だけれども。 ) 御主が望めば前のようになれる。全ては御主次第なのだから。 ( そして、青年の手は何度となく、振り払われること覚悟で少女の頭を撫でようと、伸びるだろう ) [Sun 14 Jan 2007 04:46:53]
◆危娘@城下町 > (そう言えば、彼は猫と一緒に現れた。だけど、彼が、彼が寂しさを出してなんかいないから―。解らなかった。) (正面から見つめる青年は穏やかに笑う。誰かに良く似ている、日の当たる場所の似合う笑顔。――誰を思い出しかけたろう。――優しい兄か。お人よしの小説家か。) (瞬きもせず、青年の顔を見つめて、見つめ続けて。ふっ、と視線を下向けた。ややあって乾いた唇を舌先で湿らせ、ぽつり。) ……あたしは、太陽が好きじゃない。日の当たる場所が好きじゃない。…何より、しぬこと への安寧に、自分で、 (こくん、と息を呑む。目をく、と閉じる。) 自分で、解るほど……、恋、してる。 上手く笑えないかも、知れない。…ずっと暖かいものを、拒絶して行くかも知れない。 …あんたの親切を、無駄にするかも知れない。 ――それでも、それでも! (閉じた視界の外。握られる感触。一度びくりと震えて、その手をおずおずと、少しだけ握り返すだろうか。震える瞼。傭兵仲間が声を掛けようと近付くのが解る。主人が席を立つ音がする。) それでも……、後悔、しない? [Sun 14 Jan 2007 04:36:26]
◆一心 > ―――これでも、喋る相手が居ないと猫でも喋り相手にするぐらいな寂しがり屋なんだよ ( 向き直る身体。彼はふっと、肩の力を抜くように笑うと、 ) 逃げるというのは、目を背けること同義ではない。再び立ち向かうために休息を取るためにするものだ ( だから、逃げるな、とは言わない。休んだのなら、立ち向かえ、という。生きている限り、戦うのがヒトならば ) ―――― ( すっ、と伸びる少女の手。 ) ―――答えなど、変わるものではない俺は思うがね ( 少女が小さく笑う。儚く哀しく、諦めの笑いを ) なぜ、そう決め付けるのだろうな。 ( 伸ばされた手。その手に伸ばすのは一人の青年の手である。もし、届くのならば、その手をそっと握ろう。 ) 俺はそれで構わんよ。御主がそれでいいと言うならば。御主がまた、あの日の夜のように笑うことができるなら、俺は身を粉にしても構わぬよ ( そういって、小さく笑おう ) [Sun 14 Jan 2007 04:24:32]
◆危娘@城下町 > (それから、ふと、初めて笑った。小さく。哀しそうに。風化する陶器の様な儚さで。) ………出来ない、だろう。 [Sun 14 Jan 2007 04:17:39]
◆危娘@城下町 > (止まる足音。静まる店内の中で、ゆっくり振り返る面差しは、白く蒼く。隧道色の瞳が一層深い色彩で青年を見つめる。一人の夜を寂しいと言った青年を。少しだけ、驚いた顔。虚を付かれた表情。) ………一人は、寂しい? ……あんたが? (向き直る身体。ぎゅ、と拳を左胸の辺りで握り締める。肥大する、感情。) ……あたしは、寂しい、のか………? 一人、で……。 (自問自答。自問自答。逃げだと言われれば「そうだ」と言える。逃げている。世界から目を塞いでいる。最初から哀しみの中へ居れば、喪失感の中へ居れば、これ以上哀しくなる事は無いと。それの何処がいけない、のか。瞳を塞ぐことの、暗がりへ逃げることの、何がいけないの、か。) (道徳的なこと。暖かいこと。道理の通ること。一生懸命に説く人を、闇色の目が見つめている。薄暗い店内の中、こんなステージに似合わない人を、じっと見つめる。) …………………それなら、一心さん。 ―――あんたが後悔していないなら。あんたが、喜びを得ろ、と言うのなら。あたしの逃げを良しとしないと説くのなら。―――あんたが。 (す、と青白い。手が伸びた。青年の方へ。) あんたが、あたしの喜びになってくれるかい? ――……世界に目を背けずにいる、理由になってくれると、言うのかい? ……あんたが。 [Sun 14 Jan 2007 04:16:42]
◆一心 > 俺に御主の考えが読めぬように、御主が俺の考えを読めぬもまた、道理だが ( ふっ、と何かが抜けたように息を吐く。すぐに変われ、なんてことは当然無理な話で。反感もってやってくるのもまた当然。しかし何時までもこうしているわけにもいかないだろう、と ) なあ。御主は本当に、このままで言いと言うのか? ( 逃げるように背を向ける少女。それは会話の拒絶と同時に理解する気が無くなった様にも青年には見える。何度となく振り払われた手を青年は見つめ、のろのろと戻す ) 喜びを全て捨ててまで、悲しみに浸るだけでは辛いと思うんだがな。一人の夜というのは――― ( 青年は天井を一瞬だけ見上げる。放浪癖の青年は一人の夜が多い ) 寂しいものだ。 ( 店内を歩いていく少女。その後姿に近づこうと一歩を踏み出し、 ) 御主がそうやって消えようと思うのは、ただの逃げなのだと俺は思うが。目を逸らせば現状は変わらず、立ち向かわなくては自体は打開しない。 ―――俺は、御主に偉そうなことを言い、御主は反感を持っただろうが、俺は後悔していない。 ( 一息 ) なあ、御主。危娘殿。 ( 立ち止まる。開くのは少女が歩んだ数だけ開くだろう。青年が踏み出したのはたった一歩 ) 御主をそうまでして拒絶させる恐ろしさを、俺は知らぬ。だが、もう一度その喜びを得るためにがんばってみる気はないか? 何時までもこんな生活を続けるつもりなのか? [Sun 14 Jan 2007 04:01:28]
◆危娘@城下町 > (すう、と大きく息を吸った。) ………誰からも忘れて、消えてしまいたい、のに。(あんたが、哀しむと、消えられないじゃない、か。と、声無き声は、誰にも伝わらず。青年が止めないから、空気を揺らして、店内をゆっくり歩いて行くだろう。) [Sun 14 Jan 2007 03:46:55]
◆危娘@城下町 > (虚ろな返答を繰り返すだけの、白痴じみた応答に、親切丁寧な応対が耳に痛い。ぐっ、と唇を噛んで――噛み過ぎた唇は痛いけれど、強情のよう。まだ噛んで――、ふいっ、と無言で目を反らす。何もかも見透かしたような事を言わないで欲しい。胡乱な子供の言い分などどうでもいいと気にかけないで欲しいのに。――おせっかいなんだ。要らない世話焼きなんだ。こんな、いつのたれ死ぬか解らない、いつ彼岸の岸辺を見るか解らない、たった二度ほどの邂逅の子供に。気を裂いて。) ………あんたの、考えは、(ひっく、としゃくり上げる声、咳に誤魔化し、) あたしには、度し難い、よ……。 (すん、と鼻を啜り、のろのろと顔を上げて、再び青年に背を向けよう。拗ねたようにも見えるかも知れない、ちっぽけな藍色の背。――無責任だ。酷い。酷い。こんなに心を砕いてくれていても、すぐに居なくなる、忘れる癖に。こんなに哀しいのは、涙が出るのは、青年のせいなんだ。) (てし、と右手で、優しい青年の手を力無く振り払わん。その温かみにどれ程心の底で未練があっても気付かない振り。それがほら「都合のいい生き物」でもあるじゃないか。) ………―――得る、喜びより、失う悲しみのほうが、大きいよ。 だから、――あたし、世界から、 [Sun 14 Jan 2007 03:45:22]
◆一心 > ―――ゆっくり、考えてみるんよ。本当にただのどうでもいい、ことならな ( 世の中には、一期一会という言葉がある ) 解らない。という言葉はただの思考停止だ。悩んでみろ。苦悩しろ。そんなものが無い人間はただの人形だ ( 不安なのかもしれない。なぜこんな奴にこんなことを言われなければならないのかと、思っているのかもしれない。青年はふるっと首を振る少女に小さく笑い、 ) 困っていないのなら、 ( 人は不安なもの。恐怖から逃げるのは当然だ。 理解できないものは『見なかったことにする』。都合のいい生き物 ) 何で泣く? ( 困っていないなら、泣く必要なんか無いじゃないか。困っていないのなら、達観したように笑ってしまえばいいじゃない。貴女の本音はどこなのか、と問いかけるように青年はそっと頭を撫で続けるだろう ) 不安や恐怖。そんなものからは逃げたくても。何かを失ったときに訪れる感情を憶えたくないがために『得る喜びを忘れないでほしい』。なんて俺が言えたことじゃあ、無いが ( そっと、息を吐く ) 御主に何があったかなど、俺は知らぬ。だが、御主が困っているように感じたから、一年前に出会っていたから、俺は御主に此処まで言うんよ。悪いことをしたな ( 言えば、少女の頭から手を離すだろう ) [Sun 14 Jan 2007 03:27:30]
◆危娘@城下町 > ――ぇえ? (思いも寄らない言葉が耳を打ち、思わず顔を上げた。湿気でけぶる視界の中で、襤褸切衣の青年が滲む。)(ごし、と濡れた袖の端で、目尻を拭う。彼が死んだら――、彼が死んだら?) な――、何とも、思わな……い……? (彼の静かな眼差しを受けて、自問のような呟きは返事未満。視線が段々と下へ落ちる。床へとたわむ。) ………い、いいや………、哀しい? …いや、違……、寂し……?ぇ――? (たった一度。たった二度。一年越し。通りすがり。ただ一時笑顔をかわし、ただ一時共に歩いた。それだけだ。) (視線がまるで怒られる前の童子のように、怯えたようにふるり、と持ち上がり、上目遣いに青年を注視。) わ……、わから、ない………。解んない、よ――。 ただ、ただ――、 (平気じゃ、) 平気じゃあ、な、い――…? (ゆっくり撫ぜる手の温もりに小さな即答部が戦慄く。無意味な出会いにしたいのか、と問われれば、口をつぐんで。ふる、と首を降る。)わ、わかん、ない……。わかんない、けど…、 あ、あたし……、困って、るよ…に、見える? 平気だって、何とも思わないって、言ってる、よ……。 何も、何もただ、――ただ、怖いだけ、で――。 (認めてしまえ、なんて言えない臆病。怖いから逃げる。怖ろしいから眠る。闇の中で。自分が存在しないと思う事が出来れば、何も怖いものなどないのに。どうして立ち向かわせようとするんだろうか。) ふ…、不安――、怖い――、そう、怖いだけで――、だから――、 ……ぅ……−っ……、 (言葉が詰まり、籍を切ったように涙が零れた。盛んに袖で擦り、いやいやと頭を振る。彼の腕まで拒絶するように。) [Sun 14 Jan 2007 03:17:17]
◆一心 > 損得以前になにも無いよ。 それを聞くとなると、御主は俺が死んでも何も感じないわけだな? ( 当然だろう、とも思う ) 御主はな、俺と話した。一年前に。ちょっとした居住区で。な? 既に二度も出会ってる。 ( なんて、ヘタなナンパなようだけども。睨まれこそし、頭を振られてもなお、載せる事を許可されたような、小さな拒絶 ) そうだな。御主の気持ちなぞ、御主にしかわからぬものだ。 ( 少女の疑問はもっともである。出会いは二度だけ。それも一年越しである ) 迷惑だと、言うならばそうかも知れぬ。だがな、俺は御主のように『困ってる』人間が放っておけないのだよ。 ( 出会いに意味が無い。という言葉に青年は小さく頷き ) そうだ。意味は無い。だが、出会いに意味を持たせるのは全て、『出会った後だ』。 ( 突き刺さる視線は更なる視線を呼び、注視の渦の中でさえ、青年は我関せず ) 俺と御主の再会もまた、無意味なものとしたいのか? それとも、意味あるものにしたいのか? ( そっと、頭を撫でるだろう。妹に、娘にするように、優しく ) 人は言葉にしないとわからない。不安も、不満も、欲求も、本音も。不器用な生き物だ。吐き出したいことは全部吐き出してしまえ。 [Sun 14 Jan 2007 03:02:26]
◆危娘@城下町 > …あたし達の出会いに、意味なんか無いじゃないか――。 [Sun 14 Jan 2007 02:53:12]
◆危娘@城下町 > そ――、……損得なんか、無いじゃない、か。な、何も―――。当然て何? 当たり前、て、何? あたしと、あんたはただの通り縋り、だろう? う、現世と常世に命を分かっても、もう話す事も触れることも出来ないと嘆くよ、な、そんな そんざいのたいせつさ なんか、無い、だろう――? 何で? 何で――? (擦り切れた外套の袖で忙しなく涙を拭い、拭う傍から零れ落ちる涙を瞳に溜めて、親に反抗する子供のようにきっ、と睨む。いつか見覚えのある大人びた笑顔。近付く腕をも一緒に睨んで。) (頭に触れる直前、かぶりを降ろう。振り払いはしなくとも、か細い拒絶を込めて。く、ときつく閉じる両眼。) ………一心さん、には――、解んないよ――。 大好きな人が、みんな――みんな、居なくなる怖ろしさは。 ――自分の存在もわからなくなるほど、大事な人が、いきなり。――いきなりあたしの事を、忘れたみたいに――、 ある日、いきなり居なくなる、怖ろしさは――。 (なのに、なんで関わりの薄い彼ばかりが「忘れない」と言うのか。解らない。寂しい。怖い、怖ろしい。解らないものは、怖ろしい。――そんなの当たり前、じゃないか。) (すん、と鼻を啜るかすかな音。剣呑な視線が店内から突き刺さる。彼の手が触れるなら、びくり慄いて。ますます両手で頭を抱え込む。) [Sun 14 Jan 2007 02:51:58]
◆一心 > 御主が大馬鹿野郎だから俺は怒るんだ。 ―――当たり前のことだ。御主が死んだら哀しむ。それだけのことだ。当然ことだろうに ( 掴みかけた手は払われ、青年はその手を再び自分の下でだらりと下げる ) 御主を忘れる理由が無い。御主は俺にひどいことをしたか? 恨まれるようなことをしたか? ( 集まる視線など青年には関係ない。どうせ一晩二晩もすれば笑い話。気にすることでは無いからだ ) なあ、御主。何をそんなに怯えている。俺は御主とここで久しぶりに出会った。それ自体に意味は無い。出会いに意味を持たせるのはその後の当人たちだ。御主はこの『再会』を、無意味にしたいのか? ( 解らない、と泣き出す少女。青年はそっと、その少女の頭を撫でようと手を伸ばすだろう。半ば、振り払われるかもしれないと感じながら ) わかった。だったら解りやすく言おう危娘殿。 ( その顔に浮かぶのは笑み。そっと落ち着かせるような、いつかの居住区での笑みと同質の ) 御主が世界から消えれば、俺は哀しいと感じる。それは理由とかそんなものが明確なものではない。御主と同じように俺も一人。逃げるのは楽だが、立ち向かうのも勇気だと、思わぬか? 御主はなぜ、今泣いている? [Sun 14 Jan 2007 02:36:05]
◆危娘@城下町 > 何でさ……、わ、解んないよ――、解る、よ、に、言、てよ――、ぅ――…、うぇっ……、 (解らない。解らない。解らない。馬鹿だから、解らないから、で逃げていたいのに。こんな闇の中で、ずっと忘れられていたいのに。それならば何一つ苦しくないのに。 仕舞いにはしゃくり上げるようになる。いやいやをするように頭を振り、両手で抱える。) [Sun 14 Jan 2007 02:31:42]
◆危娘@城下町 > (濃厚な闇の中で良く響く恫喝。びく、と骨も肉も薄い小娘の肩が痙攣し、身体がよろりと後ずさる。主人が、傭兵仲間が何事かと視線を向ける気配がした。) なっ…、な……? な――、何、で……!? 何で怒る、の、怒るのさ――? 何で、あたしが死ぬと、あんたが哀しい……!? わ、解らない、よ――、解らないったら! (かん、と落ちる脇差の音。自分の身でも守るようにもう一歩後ずさり。怯えか虚勢か、戦慄く瞳だけ青年に向けて。掴まれかけた肩へ伸びる手を我武者羅に振り払わんと。) 何で!? 何で、あたしを忘れようとしないでいるのさ……!? それであんたに、な、何の得がある!? 御飯、奢ってもらえるから!?し、――仕事紹介して貰えるから!? 解んない、よ…、馬鹿だから、解んないよ! ど、怒鳴らないで、よ……! どうして、どうして――、 [Sun 14 Jan 2007 02:26:06]
◆一心 > ( ぐっと堪えるような仕草。青年はそれを目を細めて見る。視線を落とし、 ) 悲しくも無く、寂しいと思わないなら俺の顔を見て言ったらどうだ? ( 拒絶を繰り返す。一年前。出会った少女をここまでした出来事を青年は知らないが。ぎっと睨まれれば実戦を経験している人間と道場剣術の人間の差か、少しだけ後退りたくなる気持ちが沸くが、堪える ) 人が忘れていくのは当たり前だろうがっ!!! ( 思わず怒鳴った。一人の侍見習いが。商人や店員、客たちが何事かと視線を向けてきても青年はいつものごとくガン無視 ) 人が忘れていくのは当たり前だろうが。そんなことを悲観して御主は『本当に忘れていくことだけを望んで死んでいく』ことを選ぶ? ふざけるな。御主が今死んだら俺が哀しむ。どうだ? 価値など無いと言えるか? 御主は本当に馬鹿だ。 大馬鹿野郎だ!! ( はふ、と落ち着かせるように一つ息を落とし、振り払われた脇差は床を滑り、テーブルの足にぶつかって止まるだろうか ) なあ、御主に何があったかは知らぬが。一言だけ言えることがある。 ( 卓へと歩きだそうとする少女。その肩を掴もうと青年の手が伸びるだろうか。気づけばかわせるだろう。ただ、青年が掴むことができれば此方に振り向かせるだけだ ) 忘れていくと言うならば、『忘れられない努力をしろ』。人間は残酷だ。御主が忘れてほしいと思うなら『努力をするな』 ( しかし ) だが俺は『危娘という存在を忘れないように努力する』。これだけは御主がどれだけ『忘れられようとしても』覆らない [Sun 14 Jan 2007 02:14:32]
◆危娘@城下町 > (正論ほど有効な攻撃方法は無い。きゅう、と両手を腿の横で握り締め、睨むように青年を見上げる。浅黒い肌の女性店員が狭い店内でぶつかって行っても、揺れまいと足を張るほど、ぐ、と四肢に力を込める。ただ、) ――自責、とか、自嘲なんかじゃ、無い。――…いいとか、悪いとかでも無いよ。ただ――、 (其処で息を切り、視線を下へ落とす。唇を噛み締める力と同じに、きつく俯く姿勢。世界への拒絶のような。呻くみたいに言葉が続き、) ただ、――哀しくは、無い。寂しい、とも思わない。 (思わない人間は、こんな顔をしない、と知らない。紡ぐ拒絶。) 世界に、存在しなくてもいい。――ただ、それだけさ。 ただ―――、ただ――、 (逃げるような、繰言。逃げていると、青年にも容易に解るような、拒絶。違う、関わりなんか要らない。欲しい、寂しい、相反する心がせめぎあい、青年に向ける面差しは、いっそうきつく。噛み締めた唇は血を盛り上げんばかりの。黒い瞳がきっ、と睨み、突き出された右手で脇差を振り払うか。) ……嘘だって言ってるじゃないか! 人は忘れるよ、わ――、忘れていいよ! 価値なんか、無いままでいいよ! た、ただ、あたし、ただ――、 そう、静かに――、静かに、死んで、行ければ――、 (言葉の語尾が消えて行く。青年に失望されると思った。――いや、それでいいのかも知れないのに。) (たまらずに顔を反らす。卓へと、足早に行くだろうか。) [Sun 14 Jan 2007 02:00:47]
◆一心 > ―――それを言われると耳が痛いのぉ ( がりっ、と回した手は後頭部。一つ、二つと掻いた後。少女の言葉を聞く ) 確かに御主の言う通りだ。わかった『御主はこの世界にとって存在するも憶えてる人間が居ない』と言うことにしよう。では聞くが御主は本当にそれでいいのか? 確かに一年という月日は忘れさせるが御主と再会した今、俺はもう忘れない。それに過去のことをずっと引きずって『自分に価値など無いのだ』と言っていれば楽だな。自責は楽で楽でしょうがない ( ふぅ、と長口上に一息。布巾を適当な机に放り投げ、店員から注視をガン無視 ) 御主が嫌だと言っても俺は『絶対に忘れない』。どうだ? 今まで御主には確かに『世界に存在する理由が無かった』かもしれない。しかしこれからは御主がこの世界に存在する価値があると、御主は思えないか? ( そう言ってから、青年は組んでいた手を解く。すれば、取り出すだろうは脇差 ) 御主がそれでも『この世界に存在したくない』と考えるなら俺を殺してみるか? ほら。そうすれば御主を『本当に憶えてる』人間は居なくなる ( そうして、突き出すだろう脇差の本来の役目は『自害』であるけれど。睨む少女に対して青年の顔は真顔。 ) 俺は今まで御主を忘れていた。ならばこそ、今は思い出した ( ならば ) これから先、無価値な世界を再び選ぶか。それともこれから価値ある世界に戻るか。 どうする? 決めるのは御主だ ( 言いたいことは、これからを見ろ、ただ一つ ) [Sun 14 Jan 2007 01:42:43]
◆危娘@城下町 > (唇をきゅ、と噛んで青年を振り返る。まるで負けまいとするような無表情。陶器で出来たようなそれは、風が吹くと、ばらばらと罅割れて壊れて行くような代物。こうして見返してみると、小娘の目に青年は酷く大人びて見えた。存外若い顔立ちはまだ十代後半ほどだと言うのに。背のせいか、纏う空気のせいか。) (青白の眉間に拒絶の意思を含んだ皺が再び寄る。) そんなのは嘘だ。 (きっぱりと拒絶の言葉。ぎざぎざの刃で断ち切るように。) あんたは、たまたま今、この時あたしと会ったから、思い出しただけだ。 あたしと言う存在を。――会わなければ、どうだ? (きつく噛み締めた唇。拒絶、拒絶、明るいもの、希望を持つものへの拒絶の意思。一歩踏み込んで近付く。黄昏色の店内の雑音が遠のくイメージ。) 覚えていた、と思い出したは違うよ、一心さん。 ――此処で会わなければ。あんたが倒れていなければ、あたしとあんたは、二度と思い出すことの無かったと思わないかい? あたしが世界に居る意味など、本当になるのかい? ただ――、 (言葉が少し詰まった。) ただ、時折、あたしが生きていたことを、思い出す人が居るかも知れない。ただそれだけの価値の何処に――、 世界に居る意味がある? (落とされた姿勢。気を遣う姿勢が厭だ。思いやるような姿勢が厭だ。行きずりの思いやりなんか要らないんだ。――暖かいものなんか、大嫌いなんだ。) (はった、と睨んでやる。唇を噛んで、蒼白な面差しで。) ――……気休めなんか、要らない。 [Sun 14 Jan 2007 01:27:55]
◆一心 > ( 裾を翻して此方を向く少女の姿。青年は腕を組んだまま、その白い顔を正面から見据える。どこかで見たことのある顔だと思った。意味は先ほどのとは違う。まるで特攻隊のような顔、といえばわかるだろうか。そんな風に青年には見えた ) ―――なあ、御主。生きている意味が無い、と言うがそれは本当の話だと思ってるのだろうな? ( 投げられた布巾。青年はそれを掴むと、埃を落とさずに手で持ったまま再び腕を組む ) ―――まったく、御主は馬鹿だの ( 話を逸らそうとするが、もはやこの青年は逸らせる気など無い ) 俺は憶えていた。 御主がこの世界に居たから俺は飢え死にせずにすんだ。いいか? 生きている意味とか世界に存在する意味なんてのは当人が決めることじゃない。そんなものは無い。 自分で自分に生きる価値など決められる奴なんてどこにも存在してるわけがないだろう。そんなものは他人が決めることだ。 ( なあ、御主、と青年は少しだけ腰を落として少女と視線を合わせようとするだろう ) 御主がこの世界に存在してくれると、俺はうれしいんだがどうだろうな? それが世界に居る意味にならんかの? ( 所詮人は自分のために生きていくが、結局は他人のために生きていく。そうしないと生きていけないのだから。だから、青年は『運命』だとか。『命運』だとか。そんなものは信じない ) [Sun 14 Jan 2007 01:15:58]
◆危娘@城下町 > (ねじまきっとかトゲとかてアロエかなんかじゃないのかそれ。アレ?) (灯りの少ない店内は、ガーラベーヤの男と僅かにサリーを纏った女達。席を立ち移動する者こそ少ないが。すぅ、と外套の裾が揺れ、身体が背後の青年へ向き直る。暗がりで浮かぶ夕顔のような白い面差しの中、隧道色の瞳が、先ほどまで癖のように繰り返した瞬きもせず青年の瞳を見返すか。ざわめきの乏しい店内で、数秒の沈黙。) ――――何も無い。 ―――何も、無いだけさ。 (それから、視線は斜めに剃れる。聞き取れないかの掠れ声で独り言じみて。) ………――あたしが、世界に、いる意味が無い。――ただ、それだけさ。 (そっと息を付き、顔を上げて、ぼろきれ同然の青年の服を見、傍らの卓に放り出してあった布巾をひょい、と投げようか。せめて埃を取れ、との仕草。尚もこの時の視線は合わせない。きつく俯く。きつく視線を下向ける。まるで何かの意地のよう。) ………あたしを、覚えている者など、いないから、ね―――。 ……も、もういいじゃないか。それは。 席へ行こう? (と、話を反らすかの反応。) [Sun 14 Jan 2007 01:05:47]
◆一心 > ―――? なにがあったか、聞いてもいいかな? ( 歩く少女の姿。揺れる長髪を視線で追いながら一つ聞き、 ) ――――なんかこう、ネジ巻きみたいな形をしていてやけに固かった記憶がある。後はトゲを抜くのに苦労した ( なんだそれ、の植物である ) ――――― ( ひらりひらりとかわされる。青年は目を細め、行き場を失った両手を組み、足を止めるだろう。店員や客に迷惑かもしれないが、そんなことは気にしない ) ―――御主、変わったの。なにがあったか、言いたくないのなら聞かぬが。気分が悪いならできるだけ早く眠たほうがいいぞ ( はふ、とため息を一つ零し、伸び放題の髪を掻きあげ、 ) 店内でやはり食事するにはあまりに不相応な格好だな、俺のは ( 見下ろす己の姿 ) ―――話せ、とは云わぬ。だが、御主のことを一年立とうとも心配してるのは、なにも俺だけの話じゃ無いことだろう? ( 貴女がヴェイトスから離れたことを知ら無い人も居るのだと、知っていてもなおなにもできないだろう人も、居るだろう。 ) ―――偉そうなことを言った。すまん。俺に言えたことではなかったな [Sun 14 Jan 2007 00:53:07]
◆危娘@城下町 > (黄昏色。濃密に昏い店内の空気を青年を伴って泳ぐように進む。長い髪の揺れる背中で、ぼそり応え。) ……ヴェイトスで、しごと、……しくじった、から。 (以後、その話題には何も答えず、商談を続ける主人のほうにちらり目をやり――まだ長引きそうだ――彼らから少し離れた窓際の席へ行く算段。外套こそ脱ぎはしないが、顎に纏わり付くフードを完全に引き降ろし、) ……ウドか何かを茹でずに食べたんじゃないかい? あれはアクが強いから、生で口にすると、おなか、こわす――……、 何。 (なに、の言葉は横へ流れるだろうか。肩に手を置かれる前に、伸ばされる気配を察して触れられないように反転。次いで伸ばされる額への手なら、これも顎を引いて。逃げるのが遅れたなら、酷く冷たい体温を知るだろうが。) (足を止め、正面から威嚇でもするように、はた、と見据える。) 何でも、ないよ。 [Sun 14 Jan 2007 00:42:58]
◆一心 > ( 眉間に皺を寄せた後、不貞腐れた仕草に青年は馬鹿みたいに笑って、「すまんすまん」を繰り返す ) 仕事、と言ってもなぁ。御主、別にヴェイトスでも探せるもんでもないかの? ( 身振りで店内に誘われれば、青年は一つ頷いて立ち上がろう。気持ち分、服装を整えるがサバイバーであった彼は如何せん、服が汚い ) 俺はそこらへんの知識は駄目でなぁ。わかる奴のほうがうらやましい。そういえばな、この間食べた草がうまかったんだがどうにも―――その後腹痛やらなんやらで大変だったこともある ( ふむ、と彼は顎鬚に触れながら心の中で呟く ) そんなのは全然構いはしないに決まってる。それよりも、御主、 ( 扉を開く少女。青年はちょっと待て、というように少女の肩に手を置こうか ) 昔と違って顔が青白くなったな。具合でも悪いのか? ( そして、少女が抵抗しないのならその額を手で触れようとするだろう ) [Sun 14 Jan 2007 00:31:31]
◆危娘@城下町 > (たたかれたー。べしべしと振動で揺れる重量軽い頭。手を離されるなら、両手をぺたり頭にやり、むす、と眉間にシワで見上げてから、ついっ、と不貞たように視線を逸らし、) べ………べつ、に……。 何となく、流れてきただけ、だよ……。 仕事、探さなきゃいけない、し……。 って、言うか、ヴェイトスでも無いし。 (などと、ぼそぼそ返事しつつ、とりあえずと身振りで店内に誘うか。まあ、懐残量が零じゃないし、人一人奢れるだけの余裕はある。扉を押しつつ、横目で振り返り、) ……今の時期なら、食べられる草も結構あるの、に……。何で、てきと、なもの、口にしちゃうかな……。 (はふ、と小さく息。平素の無表情に戻って瞬きもう一つ。以前に出会ったときよりよほど青白い面差しで、) いい、よ。ごはん、ぐらい……。 昔、お世話になったし……。 でも、あたしと、相席でいいの、かい……? (きい、とおす扉。異国の匂いと煙が流れるか。) [Sun 14 Jan 2007 00:25:00]
◆一心 > おお。まあ気にするほうが負けだと思ってくれ。いやぁ、懐かしい。それにしても御主もまあ大人っぽくなって―――るのか? なんか雰囲気違うか? 色々と経験したってやつか? ( 豪快に笑い、正座する少女の頭をぼんぼんと叩くだろう。乗せる、のと叩くのはちょっと違うことを書いておく ) すまんすまん。いやぁ、しかし居住区で『一心さんなら――』なんて見上げてきた奴がこんなところに居るとは思わなかったぜよ。で、ここはヴェイトスのどこだ? ( 仰け反った少女を見れば首を引っ込め、 ) おお。空いてるもなにも最後に食った野草が三日前でな。その前はなんか名前も知らないような猪っぽいモンスターでな。いやぁ、あれは不味かった ( そしてまた豪快に一つ笑えば、少女を前にして両手を「ぱんっ」と小気味いい音を鳴らして合わせるだろう ) すまん! 飯さ貰えないかの!? ( 言った顔。申し訳なさそうに片眉が下がる ) [Sun 14 Jan 2007 00:14:56]
◆危娘@城下町 > (髭面(しつれい)がついと引っ込んでから、漸くのろり、と上体を起こす。どっとこ暴れてた鼓動は何とか収まりがち。びびりの名残りで残る涙目で、反れる視線をぱちくり見上げるか。) じょ…、(息を、こく、と呑み、唇を湿らせて、) ………じょーろ、て、何さ、も………、 (ちゅっこんだ所でぱぱらぱー(*電球音)だったか。乱れて顔に掛かった髪の毛を指で払い、よいしょ、と姿勢をちょこんと直し、ストリート正座へ以降。) うん――…、それ。名前……。 ……え、と、一年、ぶ、り――… ッ――!? (声尻が高くトーンが上がるのは突き出された顔に再び首を後ろへ反らした仕様。) わわ、解ったから、こ、怖いよ、一心さ――、 (言いかけて腹の音を聞いた。ぱちり、瞬き再び。青年の腹へ視線を落とし、また上げて、おそるおそる。) ……って、若しかして、おなか、すいて、るの、…かい…? [Sun 14 Jan 2007 00:08:03]
◆一心 > ―――おお、すまん。いや、どうにも暗くて顔が見えなくてな ( 近い、と言われれば引っ込める首。青年はじょりっ、と顎鬚に手をやり ) いや。俺の名前は一心だ。ふむ、いやすまん。思い出せそうで思いだせん。ちょっと待ち ( 送る視線はどこかへ。青年は何度か呟くように ) ――――き、だったような気がする。『き―――』―――『如雨露』なんか違う。ふむ。 ・・・・・・・・・・ ( その瞬間。間違いなく青年の頭の上で電球が光ったかもしれない。電球なんて存在しないが ) ―――おお! 久しぶりだなぁ! 俺だ俺! 憶えてるか!? 月見里 一心だ! いやぁ懐かしい! 何時ぐらいかの!? 元気にしてたか!? ( おお、と目を輝かせて再び顔を突き出すだろう。 ) いやぁ、懐かしい。危娘、だったな・・・・。いやぁ、御主こんなところで何をしとったん? ( 言った瞬間、青年の腹が鳴る ) [Sat 13 Jan 2007 23:58:31]
◆危娘@城下町 > (なにそれ、どういう状況。 口にしかけた突っ込みも人の事を言える立場じゃないと尻すぼみに終わる切なさよ。ともあれ、数ヶ月を得て漸くおぼろげな理解に達するだけの異国語より、遥か解り易い公用語に、引き攣った顔の顎の辺りに両手をやり、警戒しつつも、恐る恐る口を聞こうと。唾を、二、三度飲んで、) ぇ、あ――、ご、ごご、ごめん……ッ!? って――…、い、いやその、ひ、人違い、だったら、 ――ち、近ッ……!? (などともごもご言いつつ、いっしょくたに返事。突き出された顔の空気に押し出されるように、後ろにのけぞって逃げる形。逃げ腰の人見知りは健在だ。) [Sat 13 Jan 2007 23:52:22]
◆一心 > ・・・・・? おおう。すまんの。いや、最近『まともに人間と会話していなくての』 ( なんか問題発言にも聞こえる台詞を一つ落とし、男はその場で胡坐を掻く ) そんな驚くこと無いだろう。これだって俺は放浪に放浪を重ねてやっと町にたどり着いたのだから。まったく、どうやったら道場に戻れるのか ( ふむ、とため息をついて腕を組む。実際のところ、放浪一年以上とか黙っておく ) ――――? ( 心臓の辺りを押さえる少女、名前の端を口走ろうとする少女を見て、はてどこかで見たことあるような顔だと目を細め、顔を少し突き出すだろう ) ―――ん〜。すまん。御主の顔はどこかで見たことあるかと思うのだがどうにもいかん。名前が思いだせんわ [Sat 13 Jan 2007 23:41:15]
◆危娘@城下町 > (と、言い置いて、瞬き、再び数回。髭と蓬髪でかつての面影が薄いけれど、ふと記憶の奥底から浮かび上がる、その顔。) え・・・、ぇっ!? あ、あんた、い、いっし―――……? (おぼろげな記憶の名前、口にしかけ。) [Sat 13 Jan 2007 23:37:19]
◆危娘@城下町 > (人間なんだコレ。何でまたにゃんこより下の存在的(登場位置から推測)になって御推参であられるのかラストサムライ(←?)。 数秒の間の後、勢い良く持ち上がる顔に、) …っひっ、ゃあああッ!? (ズサァ、両手を後ろに付いて尻餅。にゃんこの放物線を咄嗟に目で追うかたちで硬直。尻餅の勢いでフードが捲れ、娘の小さな青白い面差しが外気の下、露になる。ばっくばく言う心臓の辺りを無意識に外套の上からぎゅう、と握り締め、怯えた眼差し含んでにゃんこを探す男を見上げ、) あ、あ、あ、あん、あんた、何ッ!? な、なにっ・・・!? [Sat 13 Jan 2007 23:35:55]
◆一心 > ( 少女が瞬きの後に見つけた存在は人間である。黄色人種のアマウラ人。もしくはトキノミヤコ人。羽織っている姿はとてもじゃないが季節に合わないものである ) ―――― ( 少女が声を掛ける。すればしばしの沈黙の後、 ) ――――なんと急激的に今異国の言葉がわかった! こりゃあ共通語!? ( ぐわっ、と人間の顔が持ち上がる。無精髭に伸び放題になった髪。扱けた頬。よく見なくても男性の顔である。男が思いっきり顔を上げるものだから、頭の上に乗っていた猫は転げて男の背中に消える ) いやぁ、言葉がわかる奴にあえて良かったぜよ! このまま俺は「俺の友達はこの猫だけだ」とか言いそうになったてところだったぜよ。なっ! 相棒 ( すでに友達以上恋人未満の親友同義の相棒に昇格しているらしい猫に声を掛けた男性はしかし ) どこいった相棒ぉ!! ( 猫は闇の向うにすでに歩いていってるらしかった。まる。ここまでが10秒だと思ってくれれば相当な喜びと早口がわかってもらえるかと思う。 ) [Sat 13 Jan 2007 23:28:07]
◆危娘@城下町 > (最初に猫の鳴き声がしていて良かった。視線は鳴き声の主を探すために下向いていて、結果にゃんこに下敷きにされた雑巾とか見付けたし。) ―――……………。 (効果音ズビーン。瞬き、二、三度。いや最初はね。単にぼろきれの上に乗っかったにゃんこだとふつーに思ったよ。でも良く見ると物質量あるし。聞き覚えのあるアマウラ語?とか喋ったし。ちょ、なんだこれ。) ………―――、 (更なる沈黙数秒。見降ろしたまま、ゆっくり息を吸い、) あ――……、え、と――、 (そーっとしゃがみこみ、人差し指でぼろきれつんつく。怖いなもう。) あ、あんた、大丈夫、か、い――……? [Sat 13 Jan 2007 23:19:42]
◆一心 > ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ( 闇に埋もれるようにして猫を頭の上乗せながら倒れている人物は超絶放浪癖のある一心という名のアマウラ人である )( 皆々様は覚えてるだろうか。残念ながら背後霊は忘れかけている。川辺を辿って町の外に出たら戻ってこなくなった人物である。まる )( もはや語るまい )( 雑巾の正体は人間である ) [Sat 13 Jan 2007 23:13:59]
◆音 > ( ぎぃ、と開く扉。外は未だ闇に包まれてなお明るく照らすはずだった月は雲に隠れ、代わりにと街灯が地を照らすその場所で ) ―――― ( にゃぁ、と猫が鳴く。でかい襤褸雑巾を下敷きに ) 「――――・・・・にゃぁ、と言えば退いてくれるんかの」 ( その言葉は異国の地でありながらも更に異国の言葉であった。もし、聞き覚えのある言葉だと認識するのなら、それがアマウラの言葉であることがわかるだろうか ) [Sat 13 Jan 2007 23:13:04]
◆危娘@城下町 > (数ヶ月を得て異地で暮らすうち、日常会話程度は感覚で理解するようになった。墓地の位置も今は解る。ただ、行きたくない。このまま濃密な闇の世界に永遠に身を沈めていたい。そう切実な想いな強いだけで――。) ………―――――? (ふと、フードを揺らして顔を上げる。黄昏色の両眼がつい、と横へそれ、主人達から入り口の扉へ移動した。猫の声は、ひっそりとした世界で良く聞こえた。) (するり、闇の中を滑るように動いて、音もさせずに戸口へ移動。迷い猫か何かか、と確認するため、扉を小さく押すだろう。) [Sat 13 Jan 2007 23:07:08]
◆音 > ( その音は外へと続くだろう戸口からであった。『何か』が軽く引っかくような音。 ) ―――― ( 次に、猫の鳴き声が鳴る。暗闇に身を隠す貴女は気づくだろうか。商談纏まらぬ世界でなお小さい音はもしかしたら、それらの声に掻き消されたやもしれぬが ) [Sat 13 Jan 2007 23:03:35]
お知らせ > 音さんが入室されました。 『―――コト、ン』 [Sat 13 Jan 2007 22:56:18]
◆危娘@城下町 > (――もう何日この国へ居るのか。もう何ヶ月になるのか。何を目的で此処へ訪れたのか。何処へ行こうと言うのか。目的などとうに風化するほど、心の底の澱が干乾びて既に長い。 あの老人のガーラベーヤは荷袋の奥へ仕舞い込まれたまま。言葉もろくに喋る事も出来ず、彼らの話す事も理解出来ず、ただ諾々のようにこの国の墓地を探して彷徨う内、のたれ倒れたままの姿勢で死んで行く筈だった。――今の主人に拾われたのは、偶然にしても出来すぎた。 自分が子供だったからかも知れない。自分が女だったからかも知れない。ともあれ餓死も行き倒れもせずこうして意味も無く生き長らえて居られるのは、彼のお陰なのだけど。) ――…殺され、る、じゃ、ない、死―、は、―――…嫌だもの、ね――……。 (水気の無い掠れ声が空気を僅かに揺らす。商談はまだ纏まらない。) [Sat 13 Jan 2007 22:51:27]
◆危娘@城下町 > (壁に一様に構えた傭兵仲間はみな商人の身の護衛で、男が「纏まらない」と言ったのは暫定主人の商談だった。 今も数mの距離を置いた薄暗の卓で交わされている彼らの会話は、勘定に疎い小娘の耳に、音楽と同じ異国―いや、異世界の音階に聞こえてしまう。何がおかしくて笑うのか、何が後ろ暗くて声を潜めるのか解らない。 付き合わせる主人の顔と、相手の顔。湿った空気。成分の知れない香――。) (眩暈がする。長く細く息を付いて、更に暗がりに守って貰うように壁際の奥へ奥へ隠れた。) [Sat 13 Jan 2007 22:41:11]
◆危娘@城下町 > (「――纏まらないな」) (不意に誰か――似た風情、似た姿勢で藍色影と同じ壁に寄りかかっていた傭兵の一人――がぽつりと娘に話し掛け、薄暗い静寂を乱した。) (「つぅ」、と揺れて傭兵の男を振り返るフードの奥。周囲の黒を脅かすかの隧道色の瞳が瞬く。 血の気の無い唇が喘ぐように開き掛け、結局閉じた。男から距離を置くようにゆらり揺らいで、壁の少し奥へ溶けるように移動する。) (黒々とした視線が現在の雇い主――太った初老の商人――を再び見た。蛞蝓のような肥大した指に緑玉の指輪が、闇の中に瞬いて光に脆弱な目を打つ。目を逸らさせそうになる。――駄目だ。今は彼の護衛なのだし。瞳を眇めて我慢する。) [Sat 13 Jan 2007 22:31:17]
◆危娘@城下町 > (自分の感覚が鈍重になっていく理由を探しながら、黄昏を這う蝸牛のようにのろのろ進む夜の時間を感じている。) (いつかと同じ古酒場。曲がった笛の奏でる異国の音楽。朽ちた色の壁。照明の乏しい穴倉。濃密な闇と同色の、擦り切れた藍色外套の両肩を軽く抱くような姿勢で、小さな影が壁にもたれて呼吸している。ひっそりと。) [Sat 13 Jan 2007 22:23:00]
お知らせ > 危娘@城下町さんが入室されました。 『(今夜は月が見えないから。憂鬱になるのだ、と。)』 [Sat 13 Jan 2007 22:17:46]
お知らせ > 危娘@城下町さんが退室されました。 『(さぁ明日は墓地を探そう。卓を立ち、商人宿へ。)』 [Sat 18 Nov 2006 00:12:30]
◆危娘@城下町 > ………ヴ、…リス、さん――、げ…き、かな…。 (独り言未満の呟き。それでも不確かに紡ぐ恩人の名前は、一時だけも死への恋を忘れさせる。懐かしさや、安否を気遣う思いや、今如何しているかな、とか。元気でいるかな、とか。そんな益体も無い気持ちでも。 そうだ、「そういう事」を普段から思っていればいいものを。幾許かでも、健康な人間の感情で居られるものを。) (ストリートへ投げ掛ける淡光が一層薄くなった。厭きれたように。――月光。密やかなあんたまで、あたしを蔑まないで。 気持ちは解る、と己で笑った。生命力の薄い笑み。) [Sat 18 Nov 2006 00:10:08]
◆危娘@城下町 > (――そう言えば、こんな衝動に縁の無いと思っていた人も、また同じような黒い苦悩があるのか、と知った日をぼんやり思い起こした。 ――柑子色の髪の兄じゃ無い。氷の月のような父でも無い。本当に唐突に思い出した――あの小説家の青年の事だ。彼はまだ生きているのだろうか。大事に人らしい暮らしを営んでいるのだろうか。危険な目にまた会っていないか。身体は無事か。辛い思いをしていないか。いつかの様に苦悩していないか。あの街へ、居るのか――。家族を、大事にして――。) (――当たり前か。あたしのような生活破綻人間では無し。 浮かんだ面差しは、もう何時から顔も見ていないせいで、酷く薄らいだ記憶のそれ。御人良しの面差し。 彼の記憶は、最後に病院で錯乱していた映像よりもそっちの顔が先に浮かぶ。) [Fri 17 Nov 2006 23:58:43]
◆危娘@城下町 > ………………――駄目…、だ…な……。 (ぽつん、と呟いて薄い唇に苦笑いめいたものが浮かぶ。死出の想いにばかり心寄せている自分への自嘲だ。一般的な――と言っても「ふつう」のそういう人々がどのような感情を抱くのかなど皆目解らないが――自殺・自傷感情のように、さして強く「死にたい」と懇願しているでも無いのに、死の旅ばかりに心が急く。 死の――恍惚を、完璧な安全を、無欠の安堵を、永遠の安寧を想うつど、心は黄昏色の陶感に黒々満ちる。乾いた場所へ慈雨の降る感覚――。 何で――誰も知らないのか。 そう思いながら、また、己の異質さをおぼろげに感じている。今宵の月のように。) (カップの中で液体が揺れた。手慰みに注いだ注ぎ分は、今度はもう八部目を越す。これ以上は溢れてしまう。この恋慕の感情のように――。) [Fri 17 Nov 2006 23:48:20]
◆危娘@城下町 > (――城門へ到着したのは、昨晩。魑魅魍魎の類が横行しているらしいとの触れ込みだが、今の所姿を見て居ない。単に運付きが良かっただけかも知れない。故郷の苛烈な戦場で「同じように」生き延びてきた様に。きっと。 戦闘士としての実力やキャリアや高名さが、混戦では何の役に立たないことを知っていた。何のことはない、運のいい者が生き残る。他の不幸な戦士達を横目にして。) (窓の外へ再び――今度はなるべく月光を見ないようにして――視線を戻した。魔族のものらしき影は、まだ見ない。やはり運がいい。――いや、悪いのか。 ――どうにか強い妖者に出会って「死ねない」のだし。) [Fri 17 Nov 2006 23:35:51]
◆危娘@城下町 > (*続) (唇を噛んでから堪えて。ふっ、と息を吐いた。二、三度ゆるりと瞬きして頭を軽く振る。全てが駒送りのような映像のひっそりした動作。 おかげで店の、客達の背景に溶け込む。外套の袖から覗く手首や、木窓から注ぐ淡月光で浮かぶ顎の辺りが、この国の人間では無いことを現す白い皮膚をしていても、誰も気付くものは居ない。物珍しく見られることも無い――。) (不思議な、国だね。――あんたの国。懐の中のガーラベーヤに心内で話しかけた。答えたのは笛の音。物哀しくひっそり響く――。) [Fri 17 Nov 2006 23:24:15]
◆危娘@城下町 > (それでも強いアルコール成分が鼻を突き、くらり眩暈――。生白い眉間に密く、皺が寄る。 [Fri 17 Nov 2006 23:12:47]
◆危娘@城下町 > (――二秒もせずに卓へ戻した。カップの中で揺れている琥珀色の液体は、娘の――藍色フードの下の顔だ。極端な背の低さと隠者めいた空気のせいで、うっかり老人に思い込んでしまうが、実は隠れた面差しは酷く若い。――瑞々しさに掛けた唇に触れる事は無い。名前も知らない強いアルコールは、一人分のポットとカップ共に、娘が店を出るまで手を付けられずに終わる代物だ。飲めもしない酒で卓を飾るのは、酒場に行く時の娘の常套。無論、周囲の者に訝しがられないように、無頼者に舐めて掛かられないように。――アルコールもやれない子供に見られない様にの用心。傭兵と言う職は知っている。軽んじられては、いけない。) [Fri 17 Nov 2006 23:03:49]
◆危娘@城下町 > (故郷やヴェイトス都市で見ていた夜とは、少し違う。――霞み架かって見える空。儚い月光。元々なんて密やかな清らかさで、忌まわしい程生命力の無い光だと、うっとり見上げて恋していたが。この国ではどんなにか悩ましい魅惑に満ちている。――蠢く蒼黒の雲に隠れ霞んで、妖しく手招きしているようだ。――こっちへおいで。) (眩いものを見るようにフードの下の二つ黒を眇めて、藍色のヒトガタはひっそり首を廻し、視線を卓へ戻す。 窓際の席は月が、空の夜がよく見える。首を竦めるようにして卓上の素焼きのカップを口に運んだ。) [Fri 17 Nov 2006 22:51:44]
◆危娘@城下町 > (天井は丸く繰り抜いた隧道のように低く、其処へ犇く人間もまた、穴倉めいた酒場の造りに似合いの眼差し。――黄昏色に錆びて鋭い。 異国のメロディ。素材も解らぬ湾曲した長い笛が細々奏でる物哀しさ。 太い丸太を輪切りにしただけの卓と椅子に、ガーラベーヤの男達が顔を伏せて座している。殆ど喋り声の無い場所。だから選んだ。――ほら、眼差しの様子は、酒場内でも一等薄暗の端へ座を取った、藍色外套の中で光る二つ黒のそれにも似る。) [Fri 17 Nov 2006 22:43:16]
◆危娘@城下町 > (異国の匂いが鼻腔を満たす。空も月も蒼く見える――。) [Fri 17 Nov 2006 22:33:19]
お知らせ > 危娘@城下町さんが入室されました。 『(メインストリートの、古酒場。)』 [Fri 17 Nov 2006 22:31:38]
お知らせ > マドゥーさんが帰りました。 『冗談ではない・・・もう生みは御免だ・・・』 [Sat 14 Oct 2006 12:05:49]
◆マドゥー > 魔界に再度到達する方法?・・・馬鹿なことを聞くな。それを考えるのがおぬしたちの役割であろう・・・。(ふぅとため息をつき、集まった魔術師たちの問いに首を振る。)魔界に行き何をしたいのかは知らぬが・・・・・・俺の仕事はここまでだ。しばらくは休ませてもらうつもりだ。(立ち上がれば魔術師たちを見下ろすようにして言い放つ。ヴェイトス沖に座礁した海賊船の調査を・・・・・・などと聞こえたような気もしたが・・・。) [Sat 14 Oct 2006 12:05:35]
◆マドゥー > 件の紅い光だが、どうやら強力な魔族が魔力を供給することで機能を保っていたらしい。俺が滞在中に、何者かがその高位魔族の一体を討伐した瞬間、魔法陣の光は急速に弱り始めた・・・(指を噛まれた魔術師の一人がなにやらまだ呻いていたが、構わずに、紅い光について話を移した。正直、光そのものについては自身は何も関与することができなかったのだが・・・・・・。改めて帰還するといろいろな噂は耳に入れることができた。) [Sat 14 Oct 2006 11:56:03]
◆マドゥー > 魔界ではこちらの生態系は当てはまらぬと思ったほうが良い。(ばさりと、自身が魔界滞在中に記したメモの山に目を通しながら語り始め。)俺が観察した限り、太陽というものの存在が確認できなかった。つまりは植物も捕食等の手段で養分確保する必要があるのだと思われる・・・(長期の調査生活ですっかり学者じみた物の考えが身についてしまったのか・・・魔術師相手にらしくない理論を展開する) [Sat 14 Oct 2006 11:49:50]
◆マドゥー > (既に大分しおれてはいたが、魔術師たちは魔界の植物を手に取り物珍しげにひっくり返したりしながら感嘆の声を漏らす。)それはトレントと呼ばれる樹海で採取したものだ。不気味な色をしているが害はない・・・。む・・・待て、それは・・・・・・(べつの魔術師がリンゴのような果実を手にとろうとし、それを制しようとした瞬間・・・・・・果実がその指に噛み付いていた。)捕食植物の実だ・・・噛まれるので気をつけろ。(すでに悲鳴が響き渡っていたが、淡々と語る。) [Sat 14 Oct 2006 11:44:06]
◆マドゥー > ・・・・・・以上で、俺が採取した類のものは全部だな・・・(アングリマーラ風の見事な刺繍が施された絨毯の上に座し、向かいに座る数人の魔術師たちを前に“魔界”での戦利品を並べていた。) [Sat 14 Oct 2006 11:38:45]
お知らせ > マドゥーさんが来ました。 『妙な香が立ち込める部屋・・・』 [Sat 14 Oct 2006 11:36:18]
お知らせ > ファカロさんが帰りました。 『そして王は秘儀を為す・・・』 [Tue 23 Nov 2004 16:16:28]
お知らせ > マドゥーさんが退室されました。 [Tue 23 Nov 2004 16:15:46]
◆マドゥー > (ゆっくりとすすんで行く藩王とそのとリ巻き達・・・マドゥーはその場に佇んだ。ヴェイトスへ向かえと言われたならば、その瞬間から自分の為す事はただ一つなのだから・・・) [Tue 23 Nov 2004 16:15:40]
◆ファカロ > 主は再びヴェイトスに戻れ。余はまた事を成すだろう・・・必要とあらば主も使う。・・・例の賢者とやらも姿を見せぬ・・・・・・やり易くなったものよ。(くくくっと含み笑いを漏らすと踵を返し、再び歩を進めて行く) [Tue 23 Nov 2004 16:12:48]
◆マドゥー > は・・・・・・(ただ其れだけを返す。そのようなこと、自分に言われてもいかんともしがたい。何か必要な事があらば即座に申し付けられるだろう) [Tue 23 Nov 2004 16:08:28]
◆ファカロ > サンナ=マドゥー!(その瞬間、まるで心を読んだかのごとく、王が振り向く。さすがの武人も目を見開き、反射的に腰を落とす。が・・・王は柔和な笑みを向けて続けた。)今の所、女1人の胎で魔人兵一体生み出せれば良いところだ。まだ、少々効率のほうがよろしくない・・・。(魔人兵とは、呪われた果実を用いて人間の女に産ませた妖魔のこと・・・。藩王はこの新たな兵力たらん魔人兵の研究にマドゥーの帰還とともに没頭していた) [Tue 23 Nov 2004 16:04:29]
◆マドゥー > (覆面の男、サンナ=マドゥーはその目を軽く細め王の背を見た。王の言う大儀で果たしてこの先どれほどの人命が失われるか・・・駒である、自分が考える事では無いのかも知れぬが・・・) [Tue 23 Nov 2004 15:53:29]
◆ファカロ > 誇って良いぞ、サンナ=マドゥー。主の働きに余は多いに満足しておる。妖胎果・・・・・・余の大儀にまさしく不可欠な一品よ・・・(その手の中に未だ果実があるかのように、しわくれだった手を眼前に翳し) [Tue 23 Nov 2004 15:44:43]
お知らせ > ファカロさんが入室されました。 [Tue 23 Nov 2004 15:29:39]
◆覆面の男 > (すっと覆面の男は頭を垂れる。)・・・勿体無きお言葉・・・・・・・(低く、呟くように言った。それに王は軽く頷きを返す。) [Tue 23 Nov 2004 15:29:22]
◆ファカロ > (通路の左右の壁には、何やら不可解な象形文字らしきものがびっしりと埋めていた。この通路は、王が魔術実験の為に城に設けた施設にいたるもの・・・。そして王は厳かに口を開いた。)・・・この度は大儀であったな・・・(その顔から笑みが絶える事は無い。そしてその魂に闇が絶える事も・・・) [Tue 23 Nov 2004 14:43:42]
◆覆面の男 > (男の足取りは見るものが見れば武の達人のそれ・・・。いくら護衛の女に囲まれているとはいえ、この場で刃を抜けば王の首を飛ばすことはたやすいのだろう。しかし、王は彼が其れを為さない事を知っていた。男の忠義を知り尽くしていた。) [Tue 23 Nov 2004 14:31:16]
◆ファカロ > (乾いた石造りの道を壁に定間隔に掲げられた松明の灯が照らす。そこを数人の男女が歩み進む。一団の中心にあるは巨大なルビーの王冠を頭上に座した老人・・・アングリマーラ藩王ファカロ=ダージリンその人であった。その四方を囲むように半裸の達が火筒を携える。それより少し後ろ・・・ゆらりと滑るような足取りで進む覆面姿の男がいた。その男の腰には一対のジャマダハルが差され、見え隠れするマントの裏地にも鋭き刃の輝きが見て取れた) [Tue 23 Nov 2004 14:28:31]
◆ファカロ > ( [Tue 23 Nov 2004 14:19:59]
お知らせ > 覆面の男さんが来ました。 『其れは・・・一月程前の事・・・』 [Tue 23 Nov 2004 14:19:48]
お知らせ > ファカロさんが来ました。 [Tue 23 Nov 2004 14:17:20]
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